キーボードにこだわる人なら、一度は耳にしたことがある「REALFORCE RC1」。その最新シリーズとして登場した「REALFORCE RC1」は、静電容量無接点方式を採用した高級コンパクトモデルだ。
今回は、このREALFORCE RC1の性能や使い心地、実際の利用者の声までを詳しくまとめて紹介していく。
REALFORCE RC1とは?東プレが送り出す“新定番”
REALFORCE RC1は、東プレが2024年に発表した新世代のキーボード。
「テンキーレスより小さく、HHKBより多機能」という絶妙なサイズ感の70%レイアウトを採用している。
幅は約295mmと非常にコンパクトで、机上スペースを圧迫せず、ノートPCと並べても違和感がない。
重量は約0.6kgと軽量ながらも、底面の安定感は十分。打鍵中にズレることもほとんどなく、持ち運びにも向いている。
さらに特徴的なのが、Bluetooth 5.0とUSB Type-C接続のハイブリッド構成。
最大4台のデバイスを登録でき、ワンタッチで切り替えが可能だ。仕事用PCと私用ノートを併用している人にとって、非常に便利な仕様といえる。
REALFORCE伝統の「静電容量無接点方式」
REALFORCEシリーズの代名詞といえば、このスイッチ構造だ。
静電容量無接点方式は、キーを押し込んでも物理的に接点が触れない仕組み。
そのため、金属疲労や摩耗による劣化が起きにくく、長期間にわたって安定した打鍵感を保てる。
REALFORCE RC1では、この技術をより軽量・薄型の筐体に最適化。
30gと45gの2種類のキー荷重が用意されており、自分の好みに合わせて選べる。
軽めの30gは長時間タイピングでも疲れにくく、45gはしっかりした反発感を求める人に向く。
打鍵音も非常に静かで、図書館やオフィスでも気兼ねなく使えるレベル。
ただし、ユーザーの中には「エンターキーだけやや音が大きい」と感じる人もいるようだ。
全体としてはREALFORCEらしい“コトコト感”があり、メカニカルとは違う独特の心地よさがある。
レイアウトとキー配置の工夫
REALFORCE RC1の大きな特徴は、コンパクトながらも方向キーとファンクションキーをしっかり搭載している点だ。
多くの70%キーボードではこれらのキーが省略されることが多いが、REALFORCE RC1は実用性を犠牲にしない設計となっている。
日本語配列(82キー)と英語配列(78キー)の両方をラインナップ。
見慣れたキー配置に近いため、一般的なテンキーレスからの乗り換えも比較的スムーズだ。
一方で、独自の配列ゆえに最初は少し戸惑うという声もある。
特にDeleteやPgUpキーの位置が異なるため、慣れるまで数日かかるケースもあるが、慣れれば「戻れない」と感じる人が多い。
キーキャップと素材のこだわり
キーキャップはPBT素材の昇華印刷仕上げ。
長年の使用でも文字が消えにくく、ABS製のようなテカりも出にくい。
触れるたびにサラッとした質感が感じられ、指の滑りが心地よい。
筐体の剛性も高く、軽量化されているにも関わらず“安っぽさ”は皆無。
東プレらしい堅牢さがそのまま保たれている点も、多くのユーザーから評価されている。
BluetoothとUSBのハイブリッド設計
REALFORCE RC1は、有線・無線のどちらでも使用可能。
Bluetooth接続では最大4台のデバイスを登録でき、Fnキー操作で即座に切り替えができる。
テレワークや複数PC環境で作業する人にとっては、かなり重宝するポイントだ。
一方で、無線モデルは内蔵バッテリー式。
「乾電池タイプの方が安心」という声もあるが、フル充電で約1か月使えるため、頻繁に充電する必要はない。
USB接続では給電と通信を同時に行えるので、充電切れの心配もほとんどない。
カスタマイズ性の高さ
REALFORCE RC1は専用ソフトウェアを使ってキーマップを自由に変更できる。
さらにオンボードメモリを搭載しており、一度設定すれば本体に記憶される仕組み。
別のPCに接続しても、同じ設定をそのまま利用できる。
また、REALFORCE独自の「APC機能(アクチュエーションポイントチェンジャー)」にも対応。
これは、キーの反応位置を0.8mm/1.5mm/2.2mmの3段階で変更できる機能で、入力速度や好みに応じてカスタマイズ可能だ。
軽い入力で反応する設定にすれば、ゲームやプログラミング用途にも最適だろう。
実際のレビューから見る評価
購入者レビューを見ていくと、全体的に高評価が目立つ。
特に挙げられているのは以下のようなポイントだ。
- 打鍵音がとても静かで心地よい
- キーの軽さが絶妙で、長時間打っても疲れない
- BluetoothとUSBを併用できて便利
- コンパクトでも打鍵感がしっかりしている
一方で、ややマイナスに感じる声としては以下のようなものもある。
- 配列に慣れるまで時間がかかる
- バッテリー式より電池式がよかった
- エンターキーの音がやや大きい
とはいえ、総合評価としては「REALFORCEシリーズらしい完成度」「静電容量無接点の魅力を小型ボディで再現」といった肯定的な意見が多数を占める。
HHKBやREALFORCE R3との比較
REALFORCE RC1は、同じ東プレ技術をベースにしたHHKBシリーズともよく比較される。
HHKBがよりミニマルでキー数を絞った「思考に集中する設計」だとすれば、REALFORCE RC1は「実用性を残した小型モデル」。
方向キーやFキーを使うユーザーには、REALFORCE RC1の方が適している。
また、従来のREALFORCE R3シリーズと比べると、REALFORCE RC1はより軽量でモバイル寄り。
持ち運びや出張先での利用を想定している印象が強い。
デスク据え置きで打鍵音や剛性を重視するならREALFORCE R3、コンパクトさと機動力を求めるならREALFORCE RC1、といった棲み分けができる。
打鍵感の個性と静音性
REALFORCE RC1の打鍵音は、従来モデルよりも少し柔らかく、軽やかだと感じる人が多い。
底打ちしたときの「コトッ」という控えめな音が心地よく、オフィスでも周囲を気にせず打てるレベル。
この“静けさと軽快さのバランス”がREALFORCE RC1の魅力のひとつだ。
ただし、机の材質や打ち方によっては、やや高音が響くこともある。
静音リングやデスクマットを併用すれば、より理想的な環境を作ることができる。
モバイル用途としての完成度
サイズや重量の面から見ても、REALFORCE RC1はモバイル利用に最適。
Macやタブレット、iPadとも相性がよく、出先での入力作業でもストレスがない。
持ち運び用ケースに入れても軽く、カフェやコワーキングスペースでの使用にも向いている。
Bluetooth接続の安定性も高く、ペアリング時のラグや遅延も感じにくい。
USB有線接続に切り替えれば、より安定したタイピングが可能だ。
REALFORCE RC1の総合評価
REALFORCE RC1は、まさに「REALFORCEの本質をコンパクトに凝縮した一台」と言える。
軽やかで静かな打鍵感、確かな耐久性、そして高いカスタマイズ性。
どれを取っても完成度が高く、デスクワークや執筆、プログラミング用途に強くおすすめできる。
もちろん、キー配列に独自性があるため、慣れるまでの期間は必要だ。
しかし、使い込むほどに手に馴染み、文字を打つ行為そのものが“快感”に変わっていく。
それがREALFORCEシリーズ、そしてREALFORCE RC1ならではの魅力だろう。
まとめ:REALFORCE RC1 レビュー総括
REALFORCE RC1は、静電容量無接点方式の極上の打鍵感をコンパクトボディに詰め込んだ、新しい定番機。
静音性、質感、接続の自由度、どれもバランスが取れており、長く付き合えるキーボードを探している人にぴったりだ。
「REALFORCEの心地よさを持ち歩ける」。
この一言に尽きる。
REALFORCE RC1は、作業の効率を高めるだけでなく、タイピングそのものを楽しませてくれるキーボードだ。
