富士フイルムのフラッグシップAPS-C機「X H2S」は、登場以来“スピードモンスター”と呼ばれるほどの高速性能で注目を集めています。
積層型センサー、進化したオートフォーカス、そして動画性能の高さ。この3点が融合したことで、静止画も動画も妥協のない万能機に仕上がっています。
この記事では、実際の使用感や各種レビュー情報をもとに、X H2Sの高速性能とAF・動画撮影の実力をじっくり検証していきます。
X H2Sとは?富士フイルムの新時代を象徴する一台
X H2Sは2022年に発売された富士フイルムのハイエンドモデル。
Xシリーズ初の「積層型X-Trans CMOS 5 HSセンサー」を搭載し、従来機とは一線を画すスピードとレスポンスを実現しています。
画素数は約2,610万画素。解像度よりも処理速度を優先した設計で、連写や動画撮影時の性能が圧倒的。
プロセッサーも最新の「X-Processor 5」に刷新され、AF演算や画像処理のスピードが飛躍的に向上しました。
この“スピード最優先”の設計思想が、X H2Sを単なる静止画カメラから“ハイブリッド・プロツール”へと押し上げています。
積層型センサーの実力 ― 読み出し速度がもたらす圧倒的な余裕
X H2S最大の特徴は、やはり積層構造のCMOSセンサー。
通常の裏面照射型センサーに比べて読み出し速度が大幅に速く、ローリングシャッター歪みが最小限に抑えられます。
これにより、電子シャッターを使用しても動体が歪みにくく、スポーツや野生動物の撮影でも違和感のない描写が可能です。
さらに、AF/AE演算が常にリアルタイムで更新されるため、被写体追従の精度も高く維持されます。
結果として、電子シャッターによる撮影でも「ブラックアウトフリー」で最大40コマ/秒の連写を実現。
この数字は、同クラスのミラーレスAPS-C機の中でもトップレベルといえるでしょう。
高速連写で掴む“決定的瞬間”
シャッターチャンスを逃さない。それがX H2Sの真骨頂です。
電子シャッター時には最大40fps、機械式シャッターでも15fpsの連写が可能。
しかもAF/AE追従を維持しながら、ブラックアウトなしで撮影できるため、ファインダー内で被写体を見失いません。
たとえば野鳥の飛び立ちやスポーツ選手の一瞬の表情など、従来では難しかった瞬間を確実に捉えられます。
シャッターを押す前から記録できる「プリ撮影機能」も搭載されており、タイミングを逃しても大丈夫。
撮影体験そのものが“安心感”に包まれています。
動画撮影性能 ― 6.2K×60pと4K×120pの本気仕様
X H2Sは、静止画だけでなく動画でも本格的なプロ仕様。
6.2K/60pの高解像度映像をフルセンサー読み出しで記録できるほか、4K/120pによるスローモーション撮影にも対応しています。
内部収録は10bit 4:2:2のApple ProResフォーマットにも対応。
これは業務用映像制作でも使われる高ビットレート記録で、ポストプロダクションでの編集耐性が非常に高いのが特徴です。
また、ローリングシャッターの歪みも少なく、動きの速い被写体や手持ち撮影でも自然な映像を残せます。
動画ユーザーからは「色再現が美しく、長時間撮影でも熱停止しにくい」という声が多く、信頼性の高さも際立っています。
F-Log2やRAW出力対応 ― 本格グレーディングも可能
映像制作者が注目するのが、X H2Sの「F-Log2」対応。
従来よりもダイナミックレンジが広く、明暗差のあるシーンでも豊かな階調を保持できます。
外部レコーダーを使用すれば、Apple ProRes RAWやBlackmagic RAWの出力も可能です。
つまり、X H2S一台で“本格的な映画撮影に近い映像制作”が行えるわけです。
軽量ボディながら、プロフェッショナル環境での収録にも十分耐えうる仕様といえます。
オートフォーカスの進化 ― 被写体認識の賢さが段違い
X H2Sでは、AIディープラーニングによる被写体検出AFが導入されました。
人間の顔や瞳だけでなく、動物・鳥・車・バイク・飛行機・列車など、多様な対象を自動判別。
一度認識すれば、フレーム内を自在に動いてもピントを外しません。
AF演算が高速化したことで、動体追従の滑らかさも向上。
特に瞳AFの精度は劇的に良くなり、連写時でも被写体を正確に捉え続けます。
レビューでも「カメラ任せでも安心して撮れる」「従来機のAFの弱点が解消された」といった声が多く、信頼性が大幅にアップしています。
実際の撮影体験 ― 静止画・動画どちらも妥協なし
実際にX H2Sを使ったユーザーからは、「撮影リズムを乱さない機敏なレスポンス」が評価されています。
シャッターを切った瞬間のラグがほぼ感じられず、動体撮影でも直感的に構図を変えられる。
まさに“撮る楽しさを最大化する”設計です。
静止画では、解像感と階調表現のバランスが非常に良好。
動画では、自然な富士フイルムカラーと滑らかなモーションが魅力。
どちらの用途でも安心して使える“オールラウンダー”です。
熱設計・バッテリー・操作性 ― 現場で信頼できる理由
動画撮影時に懸念されがちな熱停止問題。
X H2Sはボディ内部の熱構造を最適化しており、長時間の4K撮影でも安定動作が確認されています。
オプションの冷却ファン「FAN-001」を装着すれば、夏場の屋外収録でも安心です。
バッテリーはCIPA基準で約720枚。
大容量のNP-W235を採用しており、撮影現場での持続力も十分。
操作系はX-Hシリーズらしく大型グリップでホールド感が良く、動画・静止画の切り替えもスムーズです。
X H2SとX H2の違い ― “S”の意味はスピード
同時期に登場した「X H2」は4,000万画素の高解像モデル。
一方でX H2Sは「Speed(スピード)」のSを冠し、解像度よりも動作速度と連写性能を重視しています。
つまり、
という住み分けが明確です。
どちらもプロ用途に対応していますが、「瞬間を逃したくない」なら間違いなくX H2Sが最適です。
プロも納得のトータルパフォーマンス
X H2Sは、単なる“速いカメラ”ではありません。
連写性能、AF精度、動画画質、操作性。そのすべてがバランス良く仕上がっており、撮影ジャンルを問わず信頼できる一台です。
特に、APS-Cでここまでのパフォーマンスを発揮できるカメラは稀。
軽快なサイズ感とプロ機能の両立は、富士フイルムの技術力の結晶といえるでしょう。
X H2Sレビューまとめ ― 高速性能とAF・動画の完成度を体感せよ
X H2Sは、“速さと精度”を極めたハイブリッドカメラ。
積層センサーによる高速読み出し、進化した被写体認識AF、そして6.2K動画対応と、どの性能を取っても隙がありません。
スポーツ・動物・映像制作など、スピードと信頼性を求めるクリエイターにとって理想的な相棒です。
「撮る楽しさ」をもう一段上の次元に引き上げてくれる存在、それがX H2Sです。
