富士フイルムの最新ミラーレスカメラ「X M5」。小型軽量ボディに最新の画像処理エンジンを搭載したモデルとして注目を集めています。
本記事では、実際の使用感やデザイン、操作性、画質や動画性能などを本音でレビューしていきます。
X M5とはどんなカメラ?
X M5は、富士フイルムが2024年に発売したAPS-Cセンサー搭載のミラーレスカメラです。
シリーズの中でも特にコンパクトさと軽量性を重視しており、ボディサイズは約111.9×66.6×38.0mm、重さは約355gと非常に軽いのが特徴。
搭載されているのは26.1メガピクセルの「X-Trans CMOS 4」センサーと、最新の画像処理エンジン「X-Processor 5」。
高画質と省電力を両立させつつ、動画・静止画のどちらにも対応できる万能タイプです。
EVF(電子ビューファインダー)を省いた設計で、背面の3.0インチ可動式モニターで撮影を行うスタイル。
これにより、従来機種よりも軽く、気軽に持ち歩けるカメラに仕上がっています。
デザインと携帯性 ― シンプルで持ち歩きたくなる
X M5のデザインは、富士フイルムらしいレトロな雰囲気が漂うもの。
クラシカルな外観ながらも、曲線を活かしたボディラインでモダンさも感じられます。
手のひらサイズのカメラという印象で、カバンやジャケットのポケットにもすっと収まるコンパクトさが魅力です。
素材感にもこだわりがあり、ダイヤルの操作感やボディの質感は価格以上の完成度。
ただしグリップは浅めなので、ズームレンズ装着時はややホールド感に物足りなさを感じることも。
それでも軽量性と機動力のバランスを考えれば、スナップ撮影や旅行用のカメラとして非常に優秀です。
操作性とインターフェース ― 直感的で扱いやすい
コンパクトなボディに各種ダイヤルが配置され、富士フイルムらしい「触って楽しい」操作感があります。
上部にはモードダイヤルとフィルムシミュレーション専用ダイヤルが搭載されており、設定変更が直感的。
撮影スタイルに合わせてモードを切り替えながら楽しめます。
背面の液晶モニターはバリアングル式で、ハイアングルやローアングル、自撮り撮影にも対応。
タッチ操作にも対応しており、スマホ感覚でフォーカス位置を指定できるのも便利です。
一方で、ボタンがやや小さめで押しづらいという意見もあります。
特に手が大きい人には窮屈に感じる場合もあるでしょう。
フォーカスモード切替スイッチが省かれている点は上級者には少し物足りませんが、
その分シンプルな操作体系で初心者にも扱いやすい設計です。
X M5の画質 ― 富士フイルムらしい色再現が健在
X M5の画質は、上位モデル譲りの高い描写力が魅力です。
APS-CサイズのX-Trans CMOS 4センサーとX-Processor 5の組み合わせにより、階調表現が豊かで、
JPEG撮って出しでも「フィルムで撮ったような」味わいのある写真に仕上がります。
特に富士フイルム独自の「フィルムシミュレーション」は人気機能。
クラシッククロームやエテルナ、アスティアなど、さまざまな色調をワンタッチで選べます。
これによって、シーンや気分に合わせて柔らかい色味やシネマ風の質感を再現できるのです。
高感度撮影にも強く、ISO6400あたりでもノイズが少なくディテールを保てます。
暗所でのスナップや夜景撮影でも、ノイズ処理が自然で立体感のある仕上がりになる印象です。
動画性能 ― Vlogにも対応する軽快な撮影体験
X M5は静止画だけでなく動画性能にも力を入れたモデルです。
最大6.2K/30p、4K/60p撮影が可能で、画質の高い映像制作にも対応。
HDR動画や縦位置撮影にも対応しているため、SNS投稿やVlog用途にも適しています。
内蔵マイクは3方向指向性を持ち、音声もクリアに録音可能。
マイク端子・USB給電にも対応しており、長時間の撮影にも柔軟に使えます。
ただし、4K/60p撮影では発熱によって録画が40分程度で制限されることもあり、
本格的な映像制作では注意が必要です。
オートフォーカスは被写体認識AFを搭載しており、人や動物の目を自動追従。
静止画では高精度ですが、動画ではシーンによってはピントの移動が少し遅れることもあります。
それでも軽快な撮影体験と高画質のバランスは、このクラスとしては十分満足できる仕上がりです。
バッテリーと携行性 ― 軽快なスナップに最適
バッテリーはNP-W126Sを採用し、撮影枚数は約330枚。
USB-C経由での給電にも対応しているため、モバイルバッテリーをつなげば長時間の撮影も可能です。
旅先でのスナップや動画撮影など、モバイル運用に強いのがX M5の魅力の一つ。
軽量ボディと合わせて、どこにでも気軽に持ち出せるカメラ。
「今日は撮影目的ではないけれど、つい持って行きたくなる」――
そんな気持ちにさせるのがX M5の良さです。
競合機との違い ― 価格と性能のバランスが魅力
同価格帯では、Sony ZV-E10 II や Nikon Z50 II、そして同社の X-T30 II がライバルにあたります。
それぞれEVFやAF性能、操作性などに個性がありますが、X M5は「軽さ」と「富士フイルムらしさ」で差別化されています。
特にJPEGの色味や質感は他ブランドにはない魅力で、
「撮って出しで満足できる画を出したい」という人には最適。
一方で、EVFが欲しい、より精密なAFを求めるユーザーには上位機種のX-T5などが向いています。
X M5は「小型軽量」「高画質」「動画にも強い」という三拍子が揃った万能機。
コストパフォーマンスの面でも評価が高く、エントリーモデルからのステップアップにも最適な選択肢です。
実際の使い心地 ― 写す楽しさを思い出させるカメラ
実際に使ってみると、X M5は“撮る楽しさ”を再確認させてくれるカメラです。
シャッター音やダイヤルの感触、フィルムシミュレーションで色を選ぶワクワク感。
こうしたアナログ的な手触りが、デジタルの便利さと共存している点が富士フイルム機の魅力です。
初心者でも扱いやすく、上級者にとってはサブ機やスナップ専用機としても十分実用的。
軽量で持ち出しやすく、操作も直感的。
まさに「日常に寄り添う高画質カメラ」といえるでしょう。
X M5の使い心地を総括 ― コンパクトに詰め込まれた富士フイルムの魅力
X M5は、富士フイルムの哲学を小さなボディに凝縮したような存在です。
クラシカルなデザイン、心地よい色再現、直感的な操作感。
そのどれもが、カメラを「使う楽しさ」と「表現する自由」を両立させています。
もちろん、EVFの非搭載やグリップの浅さといった弱点もあります。
しかしそれ以上に、「軽くて高画質」「持ち歩きたくなるデザイン」という魅力が勝るモデルです。
スナップや旅行、日常のワンシーンを切り取るには、これ以上ない相棒になるでしょう。
X M5は、カメラを持つ喜びをもう一度思い出させてくれる存在です。
手軽さと本格性能を兼ね備えた一台を探しているなら、きっと満足できるはずです。
