富士フイルムの単焦点レンズ「XF23mm F2 R WR」は、Xマウントユーザーの中でも定番中の定番。
コンパクトで防塵防滴、しかも写りが良い。そんな評判を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は、実際に使用した感想を交えながら「XF23mm F2 R WR」の描写力や使い勝手を徹底的にレビューします。
スナップや旅行写真、日常撮影にぴったりな一本を探している人に向けて、作例付きでリアルな魅力をお伝えします。
XF23mm F2 R WRとは?軽量コンパクトな“常用単焦点”
XF23mm F2 R WRは、35mm換算で約35mm相当の画角を持つ広角単焦点レンズ。
2016年の発売以来、長く愛されているロングセラーモデルです。
サイズは非常にコンパクトで、重さはわずか180g台。
フィルター径43mmという小さな筐体ながら、F2という十分な明るさを確保しています。
また、防塵防滴・耐低温仕様なので、屋外撮影でも安心して使えるのが大きな強み。
「XF23mm F2 R WR」は、XF35mm F2やXF50mm F2と同じ“フジのF2シリーズ”に属し、どれも小型・高性能・静音AFを特徴としています。
手のひらに収まるサイズ感ながら、写りに妥協がない――それがこのレンズの魅力です。
外観と操作性:高い完成度と携帯性
レンズを手に取ってまず感じるのは、その「質感の良さ」と「軽さ」。
金属製の外装が放つ質感は価格以上の仕上がりで、ボディとのバランスも抜群です。
絞りリングはクリック感がしっかりあり、操作していて気持ちいい。
誤操作しにくい適度なトルク感で、撮影に集中できます。
フォーカスリングも滑らかに回り、MF時もストレスがありません。
全体のデザインはXF35mm F2と同系統で、コンパクトなXシリーズボディ(X-E4やX-S20など)との相性が抜群。
軽量なセットアップで街を歩くと、撮影そのものが楽しくなる一本です。
AF性能:静かで速い、スナップに最適
XF23mm F2 R WRのAFはステッピングモーターを採用しており、動作は非常に静かで高速。
Xシリーズのボディと組み合わせると、ピントがスッと合う感覚が心地いいです。
スナップ撮影のように一瞬を切り取る場面では、このレスポンスの良さが頼もしい。
しかも動作音がほぼ無音なので、街中や静かな場所での撮影でも気を使わずに済みます。
暗所ではややピントの迷いが出ることもありますが、全体としてAF性能は安定しており、特に静止画撮影では文句なしの使い勝手です。
描写力レビュー:シャープさと柔らかさの絶妙なバランス
絞り開放でもしっかり解像
XF23mm F2 R WRは、絞り開放(F2)から中心部は非常にシャープ。
細部の描写がしっかりしており、風景やスナップなど幅広い被写体に対応できます。
周辺部は開放ではやや柔らかい傾向ですが、F4〜F8あたりまで絞ると全体がカリッと引き締まります。
風景撮影ではF5.6前後が最もバランスが良く、線の細い描写が得られます。
自然で滑らかな色再現
富士フイルムのレンズらしく、色乗りとコントラストは自然で落ち着いたトーン。
人肌も風景もニュートラルに写し出し、派手すぎず地味すぎない絶妙な発色です。
フィルムシミュレーションとの相性も良く、「クラシッククローム」や「PROVIA」で撮るとレトロな雰囲気が一層引き立ちます。
ボケ味:上品で穏やか
F2という明るさのおかげで、被写体を浮かび上がらせる程度のボケは十分に楽しめます。
背景の溶け方はなめらかで、被写体を引き立てつつ自然に溶ける印象。
F1.4クラスのようなとろけるボケではありませんが、スナップやポートレートでちょうど良い“控えめなボケ味”です。
歪曲収差・フレア・逆光耐性
光学設計は6群10枚構成(非球面レンズ2枚)。
歪曲収差は極めて少なく、建築物など直線的な被写体を撮っても自然な印象に仕上がります。
逆光時のフレアやゴーストもよく抑えられており、コントラストの低下が少ない。
強い光源を入れても破綻しにくく、撮影条件を選ばない万能さがあります。
ただし、太陽をフレームに直接入れるとわずかにゴーストが出ることがありますが、軽微なレベルです。
総じて、コンパクトな広角レンズとしては非常に優秀な光学性能といえます。
実写レビュー:スナップ・風景・旅行での使用感
街歩きスナップ
このレンズの真骨頂はやはりスナップ撮影。
35mm相当という画角は、人の視野に近く、街角の何気ないシーンを自然に切り取れます。
ファインダーを覗いた瞬間に「これだ」と感じる構図が多く、撮影テンポがどんどん上がっていくのが楽しい。
建物、人物、風景、どんな被写体でもスッと馴染むバランスの良さがあります。
旅行・日常シーン
軽くて持ち歩きやすいので、旅行との相性も抜群です。
カメラを首から下げても疲れず、レンズ交換の手間を感じない。
気になる瞬間をサッと撮るスタイルにぴったりです。
夜の街や屋内でもF2の明るさが活き、シャッタースピードを稼ぎやすいのも便利。
ISO感度を過度に上げずに撮影できるため、ノイズの少ない自然な写真を残せます。
近接撮影も意外と得意
最短撮影距離は約22cm。
料理や小物撮影でも、テーブルの上から自然な距離感で寄ることができます。
ボケを活かしたライフフォト的な撮影にも相性が良く、日常記録にも最適です。
XF23mm F1.4 R LM WRとの違い
よく比較されるのが「XF23mm F1.4 R LM WR」。
こちらはF1.4という大口径でボケ量が多く、解像力もさらに高いプレミアムモデルです。
一方、XF23mm F2 R WRはより軽量で、AFが速く静か。
価格も手頃で、気軽に持ち歩けるのが魅力です。
もし“描写力重視・作品撮り志向”ならF1.4、
“携帯性とバランス重視”ならF2がおすすめ。
実際には両者を使い分けるユーザーも多く、XF23mm F2 R WRは日常用レンズとして手放せない存在になっています。
弱点・注意点
万能に見えるXF23mm F2 R WRですが、いくつか気をつけたいポイントもあります。
- F2開放ではごく近距離でやや甘くなる傾向
- 動画撮影ではAFの追従がややカクつくことがある
- ボケ量を最重視するならF1.4モデルに劣る
ただ、これらはあくまで用途次第。
スチル中心でスナップや旅行写真がメインなら、気になるレベルではありません。
実際の使用感としては「非常にバランスが良く、弱点らしい弱点がない」と言ってもいいでしょう。
XF23mm F2 R WRを選ぶ理由
このレンズを一言で表すなら「持っていてストレスがないレンズ」。
軽くて速くて、写りがいい。
常にカメラにつけっぱなしで出かけたくなる一本です。
富士フイルムのフィルムシミュレーションとの相性も抜群で、JPEG撮って出しでも完成度が高い。
初心者が最初の単焦点として選んでも、ベテランがサブレンズとして使っても満足できる性能です。
防塵防滴仕様なので、天候を気にせず撮影できるのも嬉しいポイント。
「いつでも持ち歩ける万能レンズ」として、XF23mm F2 R WRは今なお根強い人気を誇っています。
XF23mm F2 R WRの描写力と使い勝手を実写レビュー!まとめ
XF23mm F2 R WRは、スナップから旅行、日常の何気ない瞬間まで幅広く対応できる万能レンズです。
高い描写力、優れたAF、防塵防滴の安心感、そしてコンパクトさ。
そのどれもが絶妙なバランスで成立しており、「軽快に撮り歩く楽しさ」を感じさせてくれます。
F1.4ほどのボケはないものの、写りの自然さと扱いやすさは格別。
カメラを持って外に出たくなる――そんな気持ちにさせてくれる一本です。
これからXシリーズを始める人も、日常用の相棒を探している人も、
ぜひ「XF23mm F2 R WR」の魅力を体感してみてください。
