もうすぐ2026年の4月を迎えるにあたって、気になるニュースが飛び込んできましたね。四国電力が、2026年4月から時間帯別の料金プランを大幅に見直すと発表したのです。「値上げ」という言葉を聞くと、どうしても家計への影響が心配になってしまいます。でも、今回の改定は「昼間は安く、夜間は高くなる」という、これまでの常識を少し変えるような内容になっています。
いったい何がどう変わるのか、なぜ今このような変更が必要なのか。今回は、この四国電力の電気料金改定について、その背景からあなたの家計への具体的な影響、そしてどう対策すればいいのかまで、わかりやすく解説していきたいと思います。
電気料金が変わる!対象はどんな人?
まずは、今回の料金改定が誰に関係するのか、具体的に見ていきましょう。
今回の料金見直しの対象となるのは、主に時間帯によって料金単価が変わるプランを契約している方々です。具体的には、『季節別時間帯別電灯』、『時間帯別電灯』、各『スマートeプラン』、『深夜電力A・B』、『でんかeプラン』などが挙げられます。
逆に、『従量電灯A・B』という最も基本的なプランや、『おトクeプラン』、比較的新しい『昼トクeプラン』は、今回の単価見直しの対象にはなりません。契約しているプランがわからないときは、毎月届く検針票や、四国電力の公式ホームページで確認してみてください。
どこがどう変わる? 「昼間安、夜間高」の時代へ
今回の改定の最大のポイントは、その方向性にあります。一言で言うと、昼間の電気代を安くし、夜間の電気代を高くする変更です。
例えば、多くの家庭で採用されている『季節別時間帯別電灯』プランで見てみましょう。
- これまで、夏の昼間は1kWhあたり約42.76円(税込)だったのが、約41.26円に1.5円引き下げられます。
- 一方、夏の夜間は26.00円だったのが、29.00円に3円引き上げられます。
昼間は少し嬉しいのですが、夜間の値上げ幅の方が大きいことがわかりますね。この変化は、『でんかeプラン』など他の対象プランでも同様の傾向です。
つまり、これまで「夜のうちに電気を使うとお得」だった感覚が、大きく変わる可能性があるということです。この変更は、2026年4月1日から適用され、実際に反映されるのは5月分の請求からとなります。四国電力では、2025年11月以降、対象となるお客様に順次、ダイレクトメールなどでお知らせをする予定です。
なぜ今、料金体系を変えるの? その背景にあるエネルギー事情
では、なぜ四国電力はこのような大胆な料金体系の転換に踏み切ったのでしょうか? 背景には、四国地方を取り巻くエネルギー事情の大きな変化があります。
第一の理由は、電気の使われ方そのものが変わってきたことです。太陽光発電のパネルが家の屋根や空き地に増えてきたのは、皆さんも実感があるでしょう。この太陽光発電が活発に動くのは、もちろん「昼間」です。そのため、昼間は太陽光で十分まかなえる電気が増え、電力会社から供給される電力(系統電力)への需要が以前より減ってきています。
一方で、夜間の電力需要はむしろ増える傾向にあります。その一因が、省エネ家電として普及した「エコキュート」です。エコキュートは、電気代が安い深夜に効率よくお湯を沸かすため、夜間の電力需要を底上げしています。また、生活スタイルの多様化で、夜遅くまで活動する家庭も増えています。
大きな目的は「負荷シフト」
この「昼間の需要減」と「夜間の需要増」のアンバランスが、電力システム全体の効率を下げる課題となっていました。せっかく太陽の光で作ったクリーンな電気を、昼間にうまく使い切れない可能性もあるからです。
そこで四国電力が考えたのが、料金という経済的なインセンティブを使って、電気を使う時間帯をずらしてもらうこと。これを「負荷シフト」と呼びます。具体的には、料金を調整することで、
- 昼間に電気を使うメリットを大きくし、太陽光発電の電気を無駄なく使うことを促す。
- 夜間に集中する需要を少しでも分散させ、電力供給の安定化を図る。
これが、今回「昼間安、夜間高」という新たな料金体系を導入する根本的な理由なのです。単に会社の収入を増やすためではなく、エネルギーを有効活用する社会の仕組みづくりの一環と言えるでしょう。
気になる家計への影響は? シミュレーションで検証
さて、一番気になるのは、「我が家の電気代は結局どうなるの?」ということだと思います。結論から言うと、あなたの家の電気の使い方次第で、影響はまったく違います。
ここでは、『季節別時間帯別電灯』に加入している標準的な家庭を想定して、2つのパターンでシミュレーションしてみましょう。
パターン1:昼間に電気を使うことが多いご家庭(在宅ワークや子育て世帯など)
- 例えば、月に昼間300kWh、夜間100kWhを使うとします。
- 改定前の電気料金は、およそ14,000円でした。
- 改定後は、昼間が安くなるため、およそ13,700円と計算できます。
- 結果:月々約300円の節約に!
このように、昼間の活動が中心のご家庭では、むしろ電気代が下がる可能性があります。
パターン2:夜間に電気をたくさん使うご家庭(エコキュート・深夜の洗濯・EV充電など)
- 例えば、月に昼間100kWh、夜間300kWhを使うとします。
- 改定前の電気料金は、およそ11,500円でした。
- 改定後は、夜間単価が大きく上がるため、およそ13,900円と計算できます。
- 結果:月々約2,400円の負担増に…。
特に、エコキュートで深夜にお湯を沸かしたり、電気自動車を夜中に充電したりする習慣があるご家庭は、影響が大きくなることが予想されます。
この差は歴然ですよね。今回の改定は、単純な「値上げ」ではなく、電気の使い方によってメリットにもデメリットにもなる「構造改革」 だということがお分かりいただけると思います。
電気代の増加を防ぐ!今からできる4つの対策
もし、あなたのご家庭が「夜間電力依存型」で、電気代の増加が心配だと感じたなら、安心してください。今から準備すれば、影響を最小限に抑え、場合によってはさらに節約することも可能です。具体的な対策を4つご紹介します。
対策1:今のプランを見直してみる
まずは、今契約している料金プランがあなたの生活に最適かどうか、振り返ってみましょう。
- 四国電力内でプラン変更する:現在『季節別時間帯別電灯』など対象プランに入っているなら、時間帯によって単価が変わらない『おトクeプラン』への切り替えを検討できます。もし昼間の使用が多いなら、新しく登場した『昼トクeプラン』がとても有利になるかもしれません。四国電力の「よんでんコンシェルジュ」サービスを利用すれば、あなたの使用データに基づいて最適なプランを提案してもらえます。
- 他の電力会社(新電力)も検討する:電力小売りは自由化されていますので、四国電力以外の会社に切り替える選択肢もあります。各社さまざまなプランを用意しているので、比較サイトなどを活用して、あなたの使用パターンにぴったり合う会社を探してみる価値は大いにあります。
対策2:電気を使う時間帯を少しずらす「ライフスタイル微調整」
料金改定の目的が「負荷シフト」なら、私たち消費者もそれに応じて「シフト」すればいいのです。無理のない範囲で、電気を使う時間を昼間に寄せてみましょう。
- 夜間に回していた洗濯機や食器洗い乾燥機を、朝や昼間に回す。
- エコキュートの沸き上げタイマー設定を、可能であれば深夜から昼間の時間帯に変更できないか確認する(機種によるので取扱説明書をチェック!)。
- 電気自動車の充電を、深夜ではなく、太陽光発電が活発な昼間や夕方に行う。
ほんの少しの意識改革が、大きな節約につながります。
対策3:根本的な省エネ・節電を心がける
どんなプランにしても、無駄な電気を使わないことに越したことはありません。
- 使っていない部屋の照明はこまめに消す。
- エアコンのフィルターを定期的に掃除して効率アップ。
- 冷蔵庫の詰め込みすぎをやめ、設定温度を見直す。
- テレビやゲーム機など、待機電力(スタンバイ電力)のかかる機器はコンセントから抜く。
基本的なことですが、塵も積もれば山となります。家族みんなで省エネを意識してみてください。
対策4:公的な支援制度をチェックする
国や自治体では、エネルギー価格の高騰に対する家計支援策を実施している場合があります。例えば、過去には「電気・ガス料金軽減支援事業」のような制度がありました。これらの制度は随時更新されるので、内閣府や経済産業省、お住まいの自治体のホームページなどで最新情報を確認することをおすすめします。
まとめ:変化の時代を乗り切るための、賢い電気との付き合い方
いかがでしたか? 今回は、四国電力が値上げを発表した背景と、その実態について詳しく見てきました。
繰り返しになりますが、今回の変更は、単に料金が上がるというものではありません。太陽光発電が普及し、エネルギーを取り巻く環境が大きく変化している中で、電気の「作り時」と「使い時」をできるだけ一致させ、社会全体でエネルギーを有効活用していくための仕組みづくりの一環なのです。
このような料金体系の変化は、おそらく今後も続いていく流れでしょう。燃料費の変動、再生可能エネルギー普及に伴うコスト、そして電力の安定供給を維持するための投資など、電気料金を形成する要素は複雑です。
私たちにできる最も賢い対応は、今回のような変化を「ただ嫌なこと」として受け流すのではなく、自分たちのライフスタイルや契約内容を一度見直すきっかけにすることだと思います。この記事が、あなたがご家庭の電気との付き合い方を見つめ直し、より快適で経済的な選択をするための一助となれば幸いです。
電気は私たちの生活に欠かせないものです。その電気の未来が少しずつ形を変えようとしている今、正しい知識を持って、上手に付き合っていきたいですね。
