「ハイランドパーク12年が終売したらしい」という噂を耳にして、不安になった人も多いのではないでしょうか。
スコットランド・オークニー諸島で生まれたこのシングルモルトは、世界的にも愛される銘柄。初心者からウイスキー通まで、幅広い層に支持されてきました。
しかし最近、「店頭から姿を消した」「ラベルが違う」「味が変わった」と話題に。果たして、本当に終売なのでしょうか?それともリニューアル?
この記事では、ハイランドパーク12年の販売終了の真相や背景、そして現行モデルや後継品について、わかりやすく解説していきます。
旧「ハイランドパーク12年」は出荷終了していた
まず結論から言うと、旧デザインのハイランドパーク12年はすでに出荷終了しています。
日本市場向けの公式発表によると、2017年9月をもって従来ボトルの出荷が終了。
ただし「終売=中身がなくなる」というわけではなく、パッケージと名称を刷新して再登場しました。
このときに登場したのが、現在販売されている**「ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー(VIKING HONOUR)」**です。
中身のウイスキー自体は以前と変わらず12年熟成で、アルコール度数40%、容量700ml。価格帯も据え置きのまま。つまり実質的なリニューアルだったのです。
なぜ「終売」と言われたのか?その背景を探る
では、なぜ多くの人が「終売」と感じたのでしょうか。理由はいくつかあります。
1. パッケージが大幅に変更された
リニューアル後のボトルは、ヴァイキング文化をイメージした大胆なデザインに一新。
ボトル表面には北欧の文様を模した立体的な模様が施され、ラベルには「Viking Honour」の文字。
これまでのクラシックで控えめな印象から、アート性の高い力強いデザインへと生まれ変わりました。
見た目の変化が大きかったため、「別のウイスキーになった」と誤解されたわけです。
2. 旧ボトルの在庫が急減した
リニューアル直後は、酒販店やECサイトから旧ボトルが一斉に姿を消しました。
在庫が尽きると同時に「売っていない=終売」と認識され、SNSでも話題に。
一部のウイスキー愛好家の間では「旧ボトルの味のほうが好みだった」という声もあり、
“旧12年=終売・希少品”というイメージが強く残りました。
3. 味の印象が微妙に変わったという声
公式には「中身は同じ」とされていますが、ファンの間では「新ボトルは少し軽い」「スモーキーさが強まった」といった意見もあります。
これは、熟成樽の違いや原酒のロット差によるものと考えられます。
つまり大きな改良ではなく、自然なブレンド変化の範囲。
それでも繊細な味の違いを感じ取る愛好家ほど、「旧ボトルの方が好きだった」と語る傾向があるようです。
ブランド刷新の狙い ― ヴァイキング・オナーの意味
ハイランドパーク蒸溜所は、スコットランド最北のオークニー諸島に位置します。
この島は古くからヴァイキングの文化が根付いた土地。
蒸溜所はその歴史と精神をブランドアイデンティティとして再構築し、世界観を統一させる方向に舵を切りました。
その象徴こそが「ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー」という名です。
「誇り高きヴァイキングの魂を受け継ぐ」という意味が込められ、
ボトルデザインにも北欧の神話的モチーフが取り入れられています。
ブランド全体がこのストーリーを軸に展開されることで、世界市場での統一感と高級感を演出しています。
ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナーの味わい ― リニューアル後の印象
リニューアル後の「ヴァイキング・オナー」も、ハイランドパークらしさは健在です。
オークニー特有のピート香が心地よく、バランスの取れたフルーティーさとスモーキーさが共存しています。
- 香り:ハチミツ、シトラス、微かなスモーク、トフィー
- 味わい:バニラとオレンジピール、軽いシェリー樽の甘み
- 余韻:ソフトなスモークが長く残る
以前よりスッキリとした印象があり、どんなシーンでも飲みやすい仕上がりです。
そのため、初心者にも手に取りやすく、ウイスキー入門にもぴったりな一本と言えるでしょう。
「終売」となった旧ボトルの価値は上昇中
一方、出荷終了となった旧ボトルは市場で希少化が進んでいます。
オークションサイトや一部の専門店では、価格が倍近くに上昇しているケースも。
特にラベルやキャップが旧仕様のものはコレクター人気が高く、
「終売モデル」としてプレミアム扱いされているのが現状です。
ただし、中身のウイスキー自体は現行品と同一仕様。
プレミア価格で購入するよりも、現行版のハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナーを楽しむ方がコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
コレクション目的でなければ、リニューアル版のヴァイキング・オナーを選ぶのが賢明です。
現行モデルと後継ラインナップ
現在、日本国内で公式流通しているラインナップは以下の通りです。
いずれも「ヴァイキングシリーズ」としてブランド統一が図られています。
2024年にはパッケージデザインの刷新も行われ、より洗練された印象へ進化。
これからもハイランドパークは、ヴァイキングの精神を軸に世界市場での存在感を強めていくでしょう。
旧12年モデルの再販はあるのか?
現時点では、旧ボトルそのものの再販予定は発表されていません。
ただし、ハイランドパーク蒸溜所は限定シリーズを頻繁にリリースしており、
過去のデザインをモチーフにした特別版が登場する可能性はあります。
また、並行輸入ルートでは海外在庫が稀に流通しており、タイミング次第では旧ボトルを入手できることも。
どうしても旧仕様を探したい場合は、信頼できる専門店やオークションサイトを活用するのがおすすめです。
代替候補としてのハイランドパーク15年 ヴァイキング・ハート・ハイランドパーク18年 ヴァイキング・プライド
もし「より深みのある味を楽しみたい」と思うなら、上位モデルの15年や18年もチェックしてみましょう。
15年は熟成感とシェリー樽の香ばしさが増し、よりリッチな味わい。
18年はチョコレートやドライフルーツのような濃厚さが際立ち、ゆったりとした余韻が魅力です。
12年を入り口に、徐々にステップアップしていく楽しみ方もおすすめです。
まとめ:ハイランドパーク12年は「終売」ではなく進化した
ここまでのポイントを整理します。
- 旧「ハイランドパーク12年」は2017年で出荷終了
- 後継として「ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー」が登場
- 中身は同じ12年熟成、リニューアルによるデザイン変更が中心
- 味の印象に微妙な変化を感じる声はあるが、公式には同仕様
- 旧ボトルは希少化しており、プレミア価格で取引されている
- 現行モデルは引き続き購入可能で、シリーズとして拡充中
つまり、「ハイランドパーク12年は終売ではない」。
むしろ、ブランドが新たな物語をまとうことで進化した一本なのです。
もしまだ飲んだことがないなら、ぜひ現行のハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナーを手に取ってみてください。
古き良きスコッチの魂と、現代的なデザインが見事に融合した、ハイランドパークらしい一本に出会えるはずです。
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