Appleファンの間で長年愛されてきた「iPod touch」が、ついにその幕を閉じました。
2022年5月、Appleは公式サイトで「在庫がなくなり次第販売終了」と発表。
20年以上続いたiPodシリーズの歴史がここで一区切りとなりました。
ここでは、終売の背景や現時点での在庫状況、さらに代替となるおすすめ機種までを徹底解説します。
「今からでも買うべきか」「代わりに何を選ぶべきか」──その判断材料をしっかり押さえておきましょう。
iPod touch終売の背景と理由
まず気になるのは「なぜiPod touchが終売になったのか」という点。
Appleが公式発表で示したのは「音楽は生き続ける」というメッセージでした。
つまり、音楽体験そのものはiPodという形ではなく、iPhoneやiPadなど他の製品に引き継がれていくという意味です。
背景には、スマートフォンの普及が大きく関係しています。
iPhoneやAndroidスマホの登場により、音楽再生・動画視聴・ゲームなど、かつてiPodが担っていた役割はすでにスマホが完全に代替するようになりました。
特にiPod touchは「電話機能のないiPhone」と言われるほど仕様が近く、存在意義が薄れていたのです。
さらに、Appleのビジネスモデルがハードウェア販売から「サービス重視」に移行したことも理由の一つ。
Apple MusicやiCloudなど、サブスクリプション型のサービスに注力する中で、専用プレーヤーにリソースを割く意味が薄れたと考えられます。
第7世代iPod touchのスペックと特徴をおさらい
終売となったiPod touchの最終モデルは「第7世代（2019年発売）」です。
搭載されているチップはA10 Fusionで、これはiPhone 7と同じ世代。
当時としては十分な性能を持ち、ゲームや動画視聴、音楽再生など、日常的な用途には問題なく使える仕様でした。
ストレージ容量は32GB／128GB／256GBの3種類。
薄さ6.1mm、重量わずか88gという軽量ボディは、iPhoneよりも携帯性に優れていました。
小さな子ども用のエンタメ端末や、業務用のPOS端末としても利用されるなど、一般ユーザー以外の用途にも支持されていたモデルです。
しかし2025年現在、OSのサポートは事実上終了段階に入りつつあります。
最新のiOSには対応せず、アプリによっては動作対象外になるケースも出てきています。
それでも「最後のiPod」としての象徴的な価値は今も残っており、中古市場ではプレミア化が進んでいるようです。
終売後の在庫状況と入手難易度
Apple公式ストアではすでに販売が終了しており、家電量販店やオンラインショップでも在庫はほぼ枯渇状態です。
発表直後には駆け込み需要が発生し、一時的に中古価格が高騰。
新品未開封品に関しては、オークションサイトやフリマアプリで定価の2倍近い価格で取引されている例もあります。
もし今から購入を検討する場合は、信頼できる販売店やApple認定整備済製品を扱うショップを選びましょう。
中古品を買う場合は、バッテリー劣化や液晶の焼き付きなど、経年劣化をしっかり確認することが重要です。
また、法人向けに導入していた企業（レストランの注文端末や教育機関の教材用など）では、代替端末の確保が急務となっています。
既に保守部品の供給も減っており、長期利用を前提とする場合は注意が必要です。
iPod touchの代替候補を徹底比較
iPhone SE（第2世代・第3世代）
最も有力な代替候補は「iPhone SE」シリーズです。
見た目やサイズ感がiPod touchに近く、A13／A15 Bionicチップ搭載で性能も大幅に上。
音楽再生・アプリ利用・ゲームすべてにおいて快適です。
価格帯も比較的手ごろで、Wi-Fi環境下でのみ使用すれば「SIMなしiPod」として運用可能です。
iPad mini
もし「画面の広さ」を求めるなら「iPad mini」も選択肢に入ります。
6世代モデルはA15 Bionicチップ搭載で、Apple Pencilにも対応。
動画視聴や学習用、ゲーム用端末として優秀です。
持ち運びやすいサイズ感も魅力で、iPod touchユーザーが次に移行しやすい製品のひとつです。
Android系音楽プレーヤー（ウォークマン、Astell&Kernなど）
音楽再生専用として利用したいなら、ソニーの「ウォークマン」シリーズやAstell&Kernなどのハイレゾ対応プレーヤーもおすすめです。
特にApple MusicのAndroidアプリがあるため、サブスク音楽再生も問題なく可能。
ただし、iTunesとの同期やエコシステム連携が薄れる点はデメリットです。
今からiPod touchを買うべきか？
結論から言えば「実用目的で新品を探す価値はほぼない」と言えます。
理由は明確で、今後のOSサポート終了が避けられないからです。
アプリの互換性も徐々に失われ、数年以内に多くの機能が制限される見通しです。
ただし、コレクション目的や「最後のiPodを手元に置きたい」という感情的な価値を重視するなら話は別。
Appleの歴史を象徴するデバイスとして、限定的なプレミア価値は確実に存在します。
iPodが残した功績と文化的意義
2001年の初代iPod登場から約20年。
「1,000曲をポケットに」というキャッチコピーは、当時の音楽業界を大きく変えました。
CDからデジタル音楽へ、そしてiTunes StoreやApple Musicへ──その流れの起点にあったのがiPodシリーズです。
iPod touchは、その集大成でありながら、スマートフォン時代の中で静かにその役目を終えました。
しかし、音楽を自由に持ち歩くという文化を作った功績は、今も確実に生き続けています。
Apple Musicの「The music lives on（音楽は生き続ける）」という言葉は、その象徴的なメッセージなのです。
まとめ：iPod touch終売が意味するもの
「iPod touch 終売」というニュースは、単なる製品ラインの終了ではありません。
それは、音楽を“所有する時代”から“ストリーミングで楽しむ時代”への完全な移行を意味します。
iPodが切り拓いた音楽革命は、形を変えて今も私たちの手の中にあります。
もし今もiPod touchを使っているなら、大切に使い続けるのも一つの選択。
ただし、新しいデバイスを検討しているなら、iPhone SEやiPad miniといった選択肢を視野に入れるのがおすすめです。
そして、Apple Musicなどのサービスを通して「音楽は生き続ける」というメッセージを感じてみてください。
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