イギリス生まれの「ストーンズ ジンジャーワイン」。長年、独特の生姜の風味と甘みで多くのファンに愛されてきたこのお酒が、ついに日本国内で「終売」となりました。
ネットでは「もう買えないの?」「輸入元が取扱い終了ってどういうこと?」といった声が上がっています。今回は、その背景や現在の流通状況、代替品の情報までをまとめて解説します。
ストーンズ酒とは?英国の伝統を受け継ぐジンジャーワイン
まずは「ストーンズ酒」と呼ばれるこのお酒についておさらいしておきましょう。
ストーンズ ジンジャーワインは、1740年にロンドンで誕生した歴史あるフレーバードワインです。
粉砕したジンジャー(生姜)を使用して造られるのが特徴で、アルコール度数はおおむね13%前後。香りと辛みが絶妙に溶け合った味わいで、ロックやお湯割り、カクテルベースなど多彩な飲み方が楽しめます。
ラベルにはロンドン市の紋章が描かれ、英国の格式を感じさせる佇まい。
日本でもウイスキー愛好家や洋酒ファンの間で人気があり、冬場には「体が温まる酒」として知られていました。
そんなストーンズですが、近年、国内で姿を見かけなくなったと感じた人も多いはずです。
その理由こそが「終売」です。
なぜストーンズ酒が終売になったのか
今回の「終売」は、製造中止ではなく「日本国内での取扱終了」を意味します。
つまり、ストーンズ自体の生産はイギリスで続いているものの、国内正規ルートでの流通が止まったということです。
正規輸入を担っていたのはサントリー。
サントリーの取り扱いが終了したことが、国内での終売に直結しました。では、なぜ輸入が打ち切られたのでしょうか。考えられる要因はいくつかあります。
- 需要の減少:フレーバードワイン市場が縮小し、甘口酒を好む層が減っている
- 輸入コストの上昇:円安や物流コストの増加で採算が合わなくなった
- ブランド整理:輸入元がラインナップを見直し、採算性の低い製品を終了した
メーカーから正式な説明はありませんが、これら複数の要因が重なったと考えられます。
特に輸送費の高騰や円安の影響は、海外ブランドの輸入継続にとって大きな壁です。
現在の在庫と購入可能性
終売が発表されたとはいえ、完全に市場から消えたわけではありません。
一部のオンラインショップや酒販店では、在庫分の販売が続いている場合があります。
しかし、ヨドバシドットコムや楽天市場、Amazonなどの大手通販サイトでは「販売終了」「在庫なし」となっているケースがほとんど。
一部店舗では「再入荷未定」や「終売(98-0)」と表記されています。これは再販売の予定がないことを意味します。
SNSでは、愛飲者が「最後の一本を買い置きした」「見かけたら即購入」といった投稿をしています。
また、「イギリスではまだ普通に売っている」との声もあり、個人輸入を検討する人も増えています。
ただし、個人輸入には酒税法や関税などの制約があるため、購入時は注意が必要です。
また、長期保管品や並行輸入品では品質の劣化や味の変化が起こることもあります。信頼できる販売店からの購入をおすすめします。
終売が意味すること―国内市場の変化
ストーンズ酒の終売は、単なる一商品の消滅ではなく、日本の酒類市場が抱える構造変化の象徴でもあります。
ここ数年、国内の酒市場は「ストロング系RTD」「クラフト系」「健康志向」の三極化が進んでいます。
その中で、甘口で度数のある洋酒系フレーバードワインは、販売数を維持しにくいポジションにあります。
また、酒類業界全体では「お酒離れ」「輸入コストの上昇」「ブランド整理」が同時進行。
サントリーを含む大手各社が、販売量の少ない輸入ブランドを順次整理している現状があります。
つまり、ストーンズの終売は「ニッチな人気商品が維持できなくなった」という構造的な問題の一例でもあるのです。
海外では今も販売中―並行輸入の可能性
ストーンズ ジンジャーワインの製造元は、イギリスのマッキンレー社。
本国では今も製造・販売が続いており、現地スーパーやオンラインショップでは普通に入手できます。
そのため、完全な“消滅”ではなく、あくまで「日本での正規販売終了」と位置づけられます。
並行輸入や個人輸入で手に入れることは可能ですが、注意点もあります。
- 為替や送料の影響で価格が高騰することがある
- 海外配送には破損・温度管理リスクが伴う
- 輸入手続き・酒税法上の制限をクリアする必要がある
こうした点を考えると、一般消費者が気軽に手に入れるのは難しく、入手難易度は年々上がっています。
代替品として注目されるジンジャーワイン
ストーンズが姿を消した今、代替商品を探す動きも活発です。
特に注目されているのが「KALYSS ジンジャーワイン」。
SNS上では「ストーンズよりも生姜感が強い」「ホットで飲むと温まる」といった声があり、専門店でも代替品として紹介されています。
味の系統は似ていますが、ストーンズ特有のマイルドな甘みとは少し違い、よりスパイシーな印象です。
また、ジンジャーリキュールやクラフト系スパイスワインも人気が高まりつつあります。
ジンジャー風味のドリンクを探している人には、そうした選択肢も視野に入るでしょう。
消費者が気をつけたい点
終売品を購入・保管する際は、いくつかのポイントに注意が必要です。
- 長期保存による劣化
ワインやリキュールは保存状態によって風味が変化します。高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。 - 信頼できる販売店を選ぶ
終売品は並行輸入・中古販売が混在します。公式に輸入・販売許可を持つ店舗を選ぶのが安全です。 - 法令を遵守した購入
個人輸入や転売には酒税法の規制があります。ネットオークションなどでの購入には十分注意してください。
ストーンズのような終売品は希少性が高まり、転売市場で価格が上がる傾向があります。
ただし、「希少=価値」とは限りません。飲むためか、コレクション目的か、目的を明確にして手に入れることが大切です。
ストーンズ酒の終売をどう受け止めるか
ストーンズ酒の国内終売は、長く愛されてきた洋酒ファンにとって寂しいニュースです。
しかし、その背景には、輸入コストの上昇や市場構造の変化といった現実的な理由があります。
本国では今も生産が続いているため、希望すれば手に入る余地は残されています。
とはいえ、国内で気軽に手に取れる時代は一旦終わりを迎えたと言えるでしょう。
愛飲していた人にとっては、手元の一本が最後のストーンズになるかもしれません。
もし見かけたら、その1本を大切に味わうのもいいでしょう。
そして、代替品や新しいジンジャーワインを通じて、新たな味との出会いを楽しむのもまた一つの選択です。
ストーンズ酒 終売のまとめ
ストーンズ ジンジャーワインが日本国内で終売となった背景には、輸入元サントリーの取扱終了、需要減少、コスト上昇などがありました。
現在は在庫限りでの販売となり、入手は困難。代替としてKALYSS ジンジャーワインなどが登場しています。
この終売は単なる流通の問題ではなく、日本の洋酒市場の変化そのものを映し出しています。
時代とともに消えていく酒もあれば、新しく生まれる味もある。
そんな移り変わりの中で、自分にとっての“お気に入りの一杯”を見つけることこそ、今の時代の楽しみ方かもしれません。

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