「チョーヤ クラフト フルーツ」が店頭から姿を消している——そんな声がSNSや口コミで少しずつ広がっています。
チョーヤ梅酒といえば日本を代表する梅酒ブランドですが、このクラフトフルーツは“果実感あふれるプレミアム梅酒”として多くのファンを獲得してきた商品でした。
では、なぜ終売(販売終了)とされているのでしょうか。再販の可能性や、代わりに楽しめる商品についても掘り下げていきます。
チョーヤ クラフト フルーツとはどんな梅酒だったのか
まずは、「チョーヤ クラフト フルーツ」という商品そのものを簡単に振り返りましょう。
この梅酒の最大の特徴は、完熟した紀州南高梅をピューレ状にしてブレンドしている点です。通常の梅酒は果実を漬け込むだけのものが多いですが、クラフトフルーツは“果肉感”と“フレッシュな酸味”の両立を狙った一品でした。
アルコール度数は15%。ラインナップは700mlと200mlの2種類で、家庭でもギフトでも扱いやすいサイズ感。
さらに、世界的な品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」でリキュール部門の最高賞「Best in Show Liqueur」を受賞した実績もあり、味の完成度は折り紙つきでした。
口に含むと、濃厚な梅ピューレのとろみと酸味が広がり、甘さは控えめ。氷を入れてロックで飲んでも、ソーダ割りでも香りが立つ——まさに“果実を食べるような梅酒”として人気を集めていたのです。
終売情報はどこから出ているのか
チョーヤ公式サイトには「クラフトフルーツ販売終了」という正式な発表は見当たりません。
しかし、酒販店や流通サイトではすでに「メーカー終売予定」「終売品を除く」といった表記が出ています。これは、製造が終了し在庫限りでの販売になっていることを示唆するサインです。
特に大手の酒類小売サイト「Kaku-Navi」では、明確に「The CHOYA クラフトフルーツ【メーカー終売予定】」と記載されています。こうした流通情報が出ている以上、メーカー側で製造・出荷を止めた可能性は高いといえます。
さらに、楽天市場やAmazonでも在庫が減少傾向にあり、「入荷未定」「販売終了」「お取り寄せ不可」といった文言を見かけるようになりました。
つまり、公式のリリースはなくとも、市場の動きとしては“終売状態”と考えられるのが現実です。
なぜチョーヤ クラフト フルーツは終売になったのか
1. プレミアム仕様ゆえのコスト問題
クラフトフルーツは、通常の梅酒よりもはるかに手間とコストがかかる商品でした。
「完熟南高梅を急速冷凍し、ピューレ状に加工」「梅の実使用量は700mlで約16個分」など、原料も工程も贅沢仕様。
こうしたこだわりは商品の魅力である一方で、原価高騰や製造効率の面では大きな負担になっていたと考えられます。
原材料価格や物流コストの上昇が続く中で、採算を維持するのが難しくなった——これが終売の大きな要因のひとつと見られます。
2. 市場トレンドの変化
梅酒市場はここ数年で大きく変化しています。低アルコールやRTD(缶タイプ)のお酒が人気を集め、若年層を中心に「気軽に飲めるお酒」への需要が高まっています。
その一方で、瓶タイプの本格梅酒はややニッチ化しており、特にプレミアム系は棚から消えるスピードが速くなっています。
チョーヤ自身も「ウメッシュ」や「The CHOYA」シリーズのリニューアルを進めており、ブランド整理の中でクラフトフルーツのような小規模アイテムが優先順位を下げられた可能性があります。
3. 原材料の安定供給リスク
南高梅は和歌山県を中心に栽培されていますが、近年は天候不順や収穫量の変動が続いています。完熟梅をピューレ化して使うクラフトフルーツのような商品は、原料の品質と供給量に左右されやすいという弱点があります。
そのため、製造の安定性という点でもリスクが大きく、ブランド全体の供給体制を優先した結果、クラフトフルーツが整理対象になったと見ることもできます。
再販の可能性はあるのか?
現時点で、チョーヤから「クラフトフルーツを再販する」といった公式発表はありません。
ただし、ブランドの公式商品ページはまだ残されており、完全な削除ではなくアーカイブ的に扱われています。これは、商品自体を完全に封印するつもりがないことの表れかもしれません。
また、チョーヤは定期的に限定復刻や新シリーズを発表しており、「The CHOYA AGED 3 YEARS EXTRA FRUIT」「The CHOYA 至極の梅」など、熟成・果実感をテーマにした派生商品も出しています。
こうした動きを見る限り、クラフトフルーツと似たコンセプトの商品が形を変えて再登場する可能性はあります。
ただし、現在の時点では「再販時期未定」「在庫限り流通」の状態。確実に手に入れたい場合は、早めに在庫を探すのが賢明です。
今買える在庫状況と注意点
各通販サイトでは、2024年以降、在庫数が急減しています。
特に700mlボトルは完売している店舗が多く、残っているのは小容量やギフトセット中心。価格も一部で定価を上回るケースが出ています。
もし購入を検討する場合は、以下の点に注意してください。
- 「終売予定」「在庫限り」と明記している販売店を優先する
- あまりに高額な転売品には注意する
- 購入後は直射日光を避け、冷暗所で保管する(味わい劣化を防ぐため)
終売品は再入荷が難しいため、気になっている人は今のうちにチェックしておくのがおすすめです。
チョーヤ クラフト フルーツの代わりに楽しめるおすすめ商品
クラフトフルーツの魅力は「果肉感」と「梅の熟成感」のバランスにありました。
これに近い味わいを求めるなら、次のような商品が候補になります。
- The CHOYA AGED 3 YEARS EXTRA FRUIT
3年熟成の原酒を使ったプレミアムライン。梅のコクと果実味を重視した味わいで、クラフトフルーツの後継的存在といえる一本。 - The CHOYA 至極の梅
甘さ控えめで飲みごたえのある定番梅酒。酸味と香りのバランスが良く、ロックでもソーダ割りでも楽しめます。 - The CHOYA 黒糖梅酒
果実の深みとコクを味わいたい人におすすめ。クラフトフルーツほど果肉感はありませんが、熟成感のある甘みが魅力。
また、他社製品であれば「中野梅酒」「南高梅原酒」なども果実感が強く、飲み比べにも向いています。
“クラフト”という名の通り、素材と製法にこだわった梅酒を探すのがポイントです。
チョーヤ クラフト フルーツが教えてくれたこと
クラフトフルーツは、単なる梅酒ではなく「果実を味わう梅酒」という新しいカテゴリーを切り開いた存在でした。
梅酒ファンの中には、この商品を通じて初めて“梅の酸味や香りの奥深さ”を知った人も多いでしょう。
終売は残念ですが、チョーヤが長年培ってきた梅へのこだわりは、今も他のシリーズに受け継がれています。
もしかすると、今後「クラフトフルーツ」のDNAを引き継いだ新ブランドが登場するかもしれません。
それまでの間は、手に入るうちに最後の一本を味わいながら、梅酒の多様性を楽しむのも良いでしょう。
チョーヤ クラフト フルーツ終売の理由まとめ
・製造コストや原材料調達の負担が大きかった
・市場トレンドが低アルコール・缶商品へ移行
・ブランド再編によるライン整理の一環
・現時点で再販予定はなく、在庫限りで流通終了見込み
「チョーヤ クラフト フルーツ 終売」というニュースは寂しいものの、その品質とコンセプトは確実に記憶に残る存在でした。
もし見つけたら、最後の一杯をゆっくり味わってみてください。
そして、チョーヤが次に生み出す“新しいクラフト梅酒”に期待を込めて、これからの梅酒文化を見守っていきましょう。

コメント