「フェイマス グラウス スモーキー ブラックが終売になったらしい」と耳にした方も多いのではないでしょうか。ウイスキー好きの間で根強い人気を誇ったスモーキーなこのボトル、いつの間にか店頭から姿を消しています。
この記事では、終売の背景や今どこで買えるのか、そして似た味わいを楽しめる代替品まで、実際の流通状況を踏まえて詳しく紹介します。
フェイマス グラウス スモーキー ブラックとは?
まずはこのボトルの正体を簡単におさらいしましょう。
「フェイマス グラウス」はスコットランドの老舗ブランドで、1896年に誕生したブレンデッド・スコッチウイスキー。
“グラウス”とはスコットランドの国鳥「雷鳥」を意味し、ラベルにもその姿が描かれています。
スモーキー ブラックは、そんなフェイマス グラウスの中でも異色の存在。
通常版の「ファイネスト」よりもピート香(燻製香)を強調した、いわば“スモーキー担当”のバリエーションです。
元々は「ブラック グラウス」という名称で販売されていましたが、2015年頃のリブランディングで「フェイマス グラウス スモーキー ブラック」に変更されました。
ブレンドの中には、グレンタレット蒸留所などのピーテッドモルトが使われ、ほんのりシェリー樽の甘みとフルーティーさが加わるのが特徴です。
飲み口は、レーズンやクランベリーのような果実香にスパイスや煙の余韻が続き、40度のアルコールながらバランスが取れた仕上がり。
初心者でも飲みやすく、それでいて上品なスモークが楽しめる一本でした。
終売といわれる理由
では、なぜフェイマス グラウス スモーキー ブラックは「終売」と言われるのでしょうか。
公式から明確な「生産終了」発表は確認されていませんが、日本市場における“正規輸入品の流通終了”が事実上の終売と受け取られています。
背景にはいくつかの要因が考えられます。
- 正規代理店による輸入終了
フェイマス グラウス全体として、日本での正規輸入品は2019年頃に販売を終了しています。現在は並行輸入品が細々と流通するのみです。 - ブランド再編・ラインナップ整理
海外では「ブラック グラウス」を「フェイマス グラウス スモーキー ブラック」に切り替えた経緯があり、さらにその後のライン整理によって一部バリエーションが縮小された可能性があります。 - 原酒確保とコスト上昇
ピーテッドモルトの供給は限られており、原酒の確保が難しい年もあります。需要に対して供給が追いつかず、採算面からライン終了を判断した可能性も。 - 市場動向の変化
日本では近年、ジャパニーズウイスキーやクラフト系に注目が集まり、ブレンデッドスコッチの売上シェアが低下傾向にあります。限られた輸入枠の中で優先順位を下げざるを得なかったとも言えます。
こうした要素が重なり、結果として「正規ルートから姿を消した=終売」と捉えられているのが現状です。
現在の流通状況と在庫の有無
実際のところ、フェイマス グラウス スモーキー ブラックは完全に手に入らないわけではありません。
現在は主に「並行輸入品」として流通しており、以下のようなショップで見かけることができます。
- 一部の酒販店(並行輸入・海外在庫品)
- Amazonや楽天市場などのオンラインショップ(在庫限り)
- オークション・古酒販売サイト
価格帯は以前よりやや上昇しており、700mlボトルで2,000円台後半〜4,000円台が相場です。
ただし在庫変動が激しく、在庫切れや再入荷未定のケースも少なくありません。
また、海外の通販サイト(例:英国・フィリピン系)ではまだ販売されている場合もありますが、送料や輸入手続きのハードルが高い点に注意が必要です。
購入時の注意点
終売品や並行輸入品を購入する際は、次の点を確認しておくと安心です。
- 正規輸入品との違い
並行輸入品はラベル・容量・裏面表示が異なる場合があります。
特に輸入元の記載が異なる場合は、ボトルデザインや表記違いを確認しましょう。 - 価格の妥当性
終売品はプレミア価格で取引されることもあります。
定価の倍以上の値付けをしている販売者もいるため、複数サイトで比較するのがおすすめです。 - 保管状態の確認
長期在庫品の場合、液面低下やキャップの緩みが起きている可能性があります。
信頼できる販売店やオークション評価を確認し、品質面に注意しましょう。 - 法令遵守の販売店を選ぶ
酒類販売業免許を持つ店舗で購入することが大切です。
無許可販売や転売品を避け、安心できるルートを選びましょう。
フェイマス グラウス スモーキー ブラックに近い代替ウイスキー
「もう買えないなら似た味を楽しみたい」という方に向けて、フェイマス グラウス スモーキー ブラックの代替候補をいくつか紹介します。
- ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
定番のスモーキー・ブレンデッド。しっかりしたピート感とシェリー樽の甘みが楽しめます。 - カティサーク プロヒビション
フェイマス グラウス同様、飲みやすいスコッチ。軽いスモークとバニラのバランスが絶妙。 - ティーチャーズ ハイランドクリーム
お手頃価格ながらピーティーな香りがしっかり。ストレートでもハイボールでも◎。 - モンキーショルダー スモーキーモンキー
同じくブレンデッドで、スモークフレーバーを際立たせたモデル。再販時は要チェックです。
どの銘柄もフェイマス グラウス スモーキー ブラックの“程よいスモークと甘み”に近い傾向を持っています。
終売を機に、他のスモーキー系ウイスキーを試してみるのも楽しみ方のひとつです。
フェイマス グラウス スモーキー ブラックが愛された理由
多くのファンが口を揃えて言うのは、「ちょうどいいスモーキー感」。
アイラ系のように強烈ではなく、食後や夜の一杯にちょうど良い香ばしさがありました。
さらに、手頃な価格で日常的に楽しめる点も魅力でした。
フェイマス グラウスの柔らかなブレンド感を保ちつつ、ピート香を加えることで“クラシックと冒険の中間”を狙った仕上がり。
そのバランスの良さが、ウイスキー初心者から愛好家まで幅広く支持されていた理由です。
フェイマス グラウス スモーキー ブラック終売のまとめ
フェイマス グラウス スモーキー ブラックは、
・正規輸入の終了
・ブランド再編
・原酒供給の制約
といった複合的な要因によって、日本ではほぼ流通が途絶えています。
それでも、並行輸入品や海外在庫を通じて入手できる可能性はまだあります。
ただし在庫は減少傾向にあり、価格も上昇中。気になる方は、信頼できる販売店で早めのチェックがおすすめです。
ウイスキーの世界では、終売が“本当の終わり”ではありません。
新しいボトルとの出会いや、再発見のきっかけになることもあります。
フェイマス グラウス スモーキー ブラックが好きだった方は、ぜひ今のうちに一本確保しておくか、次の「お気に入りのスモーキー」を探す旅に出てみてください。

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