「昔、喫茶店で飲んだあの瓶のペプシコーラが懐かしい」と思う方、きっと多いはずです。手にずっしりと感じるガラス瓶の重み、王冠を開けた瞬間に立ちのぼる炭酸の香り──あの感覚は、缶やペットボトルではなかなか味わえませんよね。ところが近年、「ペプシコーラの瓶入りがもう売っていない」という声が増えています。果たして本当に終売になってしまったのでしょうか?今回は、その真相と理由、そして今でも買える可能性について詳しく探っていきます。
ペプシコーラ瓶入りは本当に終売?まずは事実確認から
結論から言うと、ペプシコーラの瓶入り(特に200mlリターナブル瓶)は**2021年2月に製造終了(終売)**となっています。これはWikipediaにも明記されており、ペプシコーラ瓶の製造元であるサントリー食品インターナショナルの製造終了商品一覧にも該当製品が掲載されています。
実際、飲食店のSNSでも「瓶ペプシ終売のお知らせ」といった投稿が相次ぎました。中には「2021年1月中旬をもって生産終了」「回収と洗浄コストが理由」と具体的に説明しているお店もあり、現場でも“突然の別れ”に惜しむ声が多く見られました。
つまり、「もう製造されていない」という点は確かなようです。
終売の理由① 瓶ならではのコストと手間
ペプシコーラの瓶入りは、リターナブル(再使用可能)なガラス瓶を採用していました。飲み終わった瓶を回収し、洗浄・消毒して再び使う仕組みです。一見すると環境に優しいようにも思えますが、実はこれが大きな負担になっていたと考えられます。
瓶を回収するための物流、人手、洗浄設備の維持、割れた瓶の管理──こうした工程すべてにコストがかかります。ペットボトルや缶のように「使い捨てで完結」する容器と比べると、どうしても効率が悪くなってしまうのです。
さらに、瓶の製造自体もコストが高く、軽量化・省エネ化が進む現代の飲料市場では徐々に淘汰される傾向にありました。こうした背景が、ペプシコーラ瓶終売の一因になったのは間違いありません。
終売の理由② 物流・販売の現実
瓶飲料を維持するためには、単に“作る”だけではなく“運ぶ”ことにもコストが発生します。ガラス瓶は重く、割れやすい。運搬には専用ケースが必要で、ペットボトルのように大量に積むことが難しいのです。
また、取り扱い店舗も限られていました。かつては喫茶店やレトロな居酒屋でよく見かけましたが、今ではそうした業態自体が減少傾向。結果的に瓶ペプシの需要が少なくなり、流通コストに見合わなくなったと考えられます。
終売の理由③ 消費者ニーズの変化
もうひとつ見逃せないのが、消費者の生活スタイルの変化です。ペットボトルは持ち歩きやすく、再栓もできる。缶も自販機やコンビニで簡単に手に入る。こうした利便性が重視される時代に、瓶入りの飲料を選ぶ理由が少なくなってきました。
特に若い世代にとっては「瓶で飲む」という文化そのものが希薄になりつつあります。昭和・平成初期の“瓶コーラ体験”を知る層が減り、需要構造そのものが変化しているのです。
「瓶ペプシが見つからない」=完全に消滅ではない?
とはいえ、「もうどこにもない」というわけではありません。終売から数年経った今でも、わずかに在庫を扱う店舗や飲食店が存在します。特に、レトロ喫茶や老舗の洋食店などでは、在庫分を最後まで大切に販売しているケースがあります。
また、ネット通販やオークションサイトでも、旧在庫品や未開封ボトルが出品されていることがあります。価格は定価より高めですが、記念やコレクションとして購入する人も多いようです。
ただし、これらはすべて「製造終了後の在庫」であり、メーカーが新しく出荷しているものではありません。飲料として楽しむ場合は、賞味期限や保存状態に注意が必要です。
今でも瓶のペプシコーラを楽しめる場所がある?
調べていくと、「ペプシ瓶」をまだ提供している特別な店舗もあります。たとえば、一部の飲食店では「在庫がある限り提供中」というスタイルをとっています。SNS上では、「まだ瓶ペプシコーラが飲めた!」という報告もちらほら。
また、テーマパークや観光地の売店では、限定仕様の瓶コーラ(他ブランド含む)が販売されていることもあります。完全なペプシコーラ瓶とは異なる場合もありますが、“瓶で飲む体験”を味わえる貴重な場所といえるでしょう。
代わりに楽しめるペプシコーラ製品
「もう瓶は買えないのか…」と残念に思う方もいるかもしれませんが、ペプシコーラブランド自体は今も元気です。缶やペットボトルでの展開は幅広く、ペプシコーラ、ペプシゼロ、ペプシNEX、ペプシスペシャルなど、多彩なラインナップが継続しています。
特に近年は、糖質オフ・カロリーゼロ志向の流れから、ペプシゼロシリーズが人気。さらに、季節限定フレーバー(ペプシソーダレモン、ペプシ生など)も頻繁に登場しており、常に新しい味わいを提案しています。
瓶こそ姿を消しましたが、「ペプシコーラ」というブランドの多様性はむしろ広がっているのです。
瓶ペプシコーラが愛された理由と“特別感”
瓶入りのペプシコーラがこれほど惜しまれるのは、単なる「飲み物」としてではなく、体験の一部だったからです。
王冠を栓抜きで開ける瞬間の音。冷えたガラス越しに見える気泡。手の中に感じる重みと、口に広がる懐かしい甘さ。
それらすべてが、あの“瓶ペプシコーラ”という存在の魅力でした。
この体験を懐かしむ声が絶えないのは、単に味ではなく「時間の記憶」に触れるからでしょう。瓶ペプシコーラは、昭和から平成にかけての日本の喫茶文化や自販機文化の象徴でもありました。
今後、再販の可能性はある?
現時点で、瓶ペプシコーラの再販について公式な情報は出ていません。しかし、レトロブームや環境意識の高まりから、限定復刻やコレクター向け復刻版が登場する可能性はゼロではないでしょう。
実際、他ブランドでは「瓶入りリバイバル」「復刻ラベル版」などの期間限定販売が過去に実現しています。ペプシコーラも世界的ブランドとしてファンが多いだけに、記念企画などで“瓶の復活”が期待されています。
ペプシコーラ瓶終売から見える、時代の流れ
ペプシコーラ瓶の終売は、単なる「商品の入れ替え」ではなく、日本の飲料文化が大きく転換した象徴でもあります。
リユースからリサイクルへ。重厚感よりも利便性へ。昭和の香りを残すガラス瓶が姿を消していくのは、少し寂しくもありますが、それも時代の流れです。
ただ、ペプシコーラの“スピリット”──自由で挑戦的なブランド姿勢──は今も変わりません。瓶がなくなっても、あの爽快な炭酸の刺激と独特の甘みは、今でも缶やペットで健在です。
まとめ:ペプシコーラの瓶入りが終売?それでも愛され続ける理由
ペプシコーラの瓶入りは確かに終売となりました。理由は、生産や回収コスト、物流効率、時代のニーズなど、さまざまな要因が重なった結果です。
けれど、多くの人がその“味と記憶”を懐かしみ、今でも探し求めている──それ自体が、ペプシコーラ瓶がいかに愛されてきたかを物語っています。
もしあなたも「もう一度、瓶ペプシコーラを飲みたい」と感じたなら、在庫の残るお店やネットショップを探してみてください。そして、今あるペプシコーラを片手に、あの頃の思い出を少しだけ重ねてみるのも素敵です。
ペプシコーラの瓶入りが終売した今も、その存在は多くの人の心の中で、確かに“生き続けている”のです。

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