最近、「パモキサン錠がどこにも売ってない」「ドラッグストアでも見かけない」と感じた方が増えています。ぎょう虫の駆除薬として長年販売されてきたこの薬に、いったい何が起きているのでしょうか。今回は、販売中止や回収の背景、そして今後の再販の見通しについて詳しくまとめます。
パモキサン錠とはどんな薬?
「パモキサン錠」は、佐藤製薬が販売している一般用医薬品(第二類医薬品)で、成分は「パモ酸ピルビニウム」。
効能はずばり「ぎょう虫の駆除」です。体内に入った虫を直接作用で駆除し、体外へ排出する仕組みの薬で、腸からはほとんど吸収されないため、全身への影響が少ないのが特徴とされています。
大人から子どもまで服用可能で、6錠入りのパッケージが一般的。1回服用で効果を発揮するタイプのため、家庭で常備していた人も多い商品でした。
ところが、2025年春ごろから急に店頭やネット通販で姿を消し、「販売中止なの?」「廃盤なの?」と話題に。実際のところ、流通が止まっているのはある理由があるのです。
売ってない理由① 自主回収が行われたため
「パモキサン錠が売ってない」最大の理由は、2025年4月に発表された自主回収です。
佐藤製薬は4月3日付で「パモキサン錠(6錠入り)」の特定ロットについて回収を行うと公表しました。原因は、有効成分のパモ酸ピルビニウムの含量が経時的に低下し、使用期限内でも承認規格を下回ったこと。
つまり、時間の経過によって成分量が減り、製造当初の規格を満たさなくなる可能性が判明したのです。安全上の重大なリスクは報告されていませんが、品質の安定性に疑問が出たため、予防的措置として回収に踏み切った形です。
対象は、2021年から2024年にかけて出荷された複数ロット。薬局や通販サイトでは、この発表を受けて販売停止や在庫の回収対応が行われました。その結果、現在は店頭・ネットともに「在庫なし」「販売休止中」という状態になっています。
売ってない理由② 店頭・ネットで流通が止まっている
自主回収の発表以降、ドラッグストアやオンライン薬局では販売を控える動きが広がりました。
たとえば、大手チェーンでは「回収対象商品につき販売を中止しています」といったお知らせを掲示。ネット通販でも「在庫切れ」「入荷未定」という表示が目立ちます。
製品自体が危険なわけではなく、品質管理上の問題による一時的な回収です。しかし、製造元からの出荷が止まっているため、各販売店が再入荷できない状況が続いています。
また、パモキサン錠はぎょう虫駆除薬としてほぼ唯一の市販品という事情もあり、代替品が少ないことから「どこにも売ってない」と感じる人が多いようです。
売ってない理由③ 誤情報や誤用への懸念も
実はパモキサン錠には、過去にも話題になった出来事があります。
2021年ごろ、一部SNSで「パモキサン錠がコロナに効く」といった根拠のない情報が拡散。メーカーはすぐに「新型コロナウイルスへの有効性は認められていない」と正式に注意喚起を出しました。
こうした誤情報によって一時的に需要が急増した時期もあり、販売店が取り扱いに慎重になる要因となりました。誤った用途や不適切な服用を防ぐため、販売側が供給制限を行っている可能性も指摘されています。
現在の販売状況
2025年11月現在、メーカー公式サイトではパモキサン錠の製品ページが残っており、「販売終了」や「廃盤」とは明言されていません。
ただし、実際の店頭やECサイトでは「取り扱い停止中」「在庫なし」の表示が多く、実質的には販売休止状態です。
薬局によっては「取り寄せ不可」「次回入荷未定」と説明されることもあり、今のところ一般消費者が容易に入手できる状況ではありません。
再販の可能性と見通し
では、このまま販売中止になってしまうのでしょうか。
現時点では、メーカーから「再販時期」や「製造再開」に関する公式な発表は出ていません。しかし、回収理由が品質の安定性に関するものであり、安全性の問題ではないことを考えると、改良後の再販の可能性は十分あります。
再販に向けては以下のプロセスが想定されます。
- 成分の安定性を改善した製造方法の確立
- 製造ロットの品質確認・再試験
- 保管・流通過程の見直し
- 新ロットの製造と販売店への出荷再開
こうした工程には数か月から1年程度かかることもあり、再販がすぐに実現するとは限りません。
ただ、医療現場でも使用される有効成分であるため、完全廃止よりは改良再販の方が現実的と見る声が多いです。
代替手段はある?
市販のぎょう虫駆除薬は、現状パモキサン錠がほぼ唯一の存在でした。
そのため、代替薬を探す場合は医療機関で処方される「医療用駆虫薬」を検討するのが確実です。症状が疑われる場合や、家庭内で感染が広がっているケースでは、医師や薬剤師に相談して適切な薬を処方してもらいましょう。
また、駆虫薬を使用しても再感染することが多いため、次のような生活習慣の改善も重要です。
- 手洗い・うがいを徹底する
- 下着・寝具をこまめに洗濯する
- 爪を短く保つ
- 家族全員で対策を取る
薬の再販を待つ間も、こうした日常的な予防策を継続することが大切です。
購入時の注意点
仮に再販や在庫再開が発表された場合でも、すぐに買い占めるのは避けましょう。
医薬品は用法・用量を守って正しく使用することが前提です。ネット上には未確認ルートで販売される並行品・旧ロット品も出回る可能性がありますが、回収対象ロットの可能性もあるため注意が必要です。
購入時は次の点を確認してください。
- 外箱に「佐藤製薬」の表記があるか
- 製造記号・使用期限が回収対象ロットに該当しないか
- 第二類医薬品として薬剤師または登録販売者の説明を受けて購入するか
また、SNSや個人間売買での購入は避け、正規の薬局や公認通販サイトを利用することをおすすめします。
今後の情報の追い方
再販や販売再開の情報は、佐藤製薬の公式サイトやプレスリリースで随時更新される見込みです。
医薬品の回収情報は消費者庁やPMDA(医薬品医療機器総合機構)のサイトにも掲載されるため、定期的にチェックしておくと安心です。
薬局・ドラッグストアでも、再入荷の見込みが立ち次第、店頭掲示や店員の案内で知らせてくれることがあります。再販のニュースが出た際は、早めに薬局へ問い合わせておくと良いでしょう。
パモキサン錠が売ってない今、どうする?
ここまで見てきたように、パモキサン錠が売ってないのは「販売終了」ではなく、「自主回収による一時的な流通停止」が原因です。
製品の安全性や有効性を確保するための対応であり、現時点では再販の可能性が残されています。
とはいえ、再入荷の時期は未定。ぎょう虫の疑いがある場合は、市販薬に頼らず医師や薬剤師に相談し、処方薬や適切な対処を受けるのが確実です。
また、予防のための生活習慣を整えることが、再発や家庭内感染を防ぐ第一歩になります。
「パモキサン錠が売ってない理由を調査!販売中止や再販時期の最新情報も」というテーマでお伝えした内容を参考に、今後の情報にも注目していきましょう。

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