愛媛県松山市の名湯・道後温泉。日本最古の温泉ともいわれ、古くは聖徳太子や夏目漱石など多くの文化人が愛した場所として知られています。
ただ一口に「道後温泉」といっても、入れる施設や宿泊できる旅館・ホテルは数多くあり、初めて訪れる人にとっては「どこがいいの？」と迷ってしまうもの。
この記事では、道後温泉の主要な公衆浴場から人気旅館までをわかりやすく比較し、目的別におすすめの選び方を解説します。
道後温泉の基本情報と魅力
道後温泉は、約3000年の歴史を誇る日本最古級の温泉。松山市の中心部から路面電車で約20分とアクセスも良く、観光と温泉を同時に楽しめるエリアです。
泉質は「アルカリ性単純温泉」で、刺激が少なく肌にやさしい“美肌の湯”としても人気。湯上がりはすべすべとした感触で、老若男女問わず楽しめます。
温泉街には昔ながらの商店や足湯、カフェ、アートスポットなどが立ち並び、昼も夜も散策が楽しいのが魅力です。
公衆浴場は3つ！それぞれの違いを比較
道後温泉には、観光客でも日帰りで入浴できる3つの公衆浴場があります。
それぞれ雰囲気・料金・設備が異なり、目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
道後温泉本館
道後温泉の象徴といえば、明治時代に建てられた木造3層建築の「道後温泉本館」。国の重要文化財にも指定されており、まさに“入れる文化財”です。
館内には「神の湯」「霊の湯」と呼ばれる2つの浴室があり、休憩室や個室利用など複数のコースから選べます。
歴史ある建築の中で湯に浸かる体験はまさに格別。観光で一度は訪れたい名所です。
ただし、人気が高いため混雑しやすく、整理券が配られることもあります。ゆっくり入りたい人は平日や朝の時間帯が狙い目です。
おすすめタイプ：歴史・文化・風情を味わいたい人
飛鳥乃湯泉
2017年にオープンした「飛鳥乃湯泉」は、アートと伝統を融合させた新しいタイプの温泉施設。館内はプロジェクションマッピングなどを取り入れた幻想的な空間で、現代的な演出が魅力です。
個室休憩室では、愛媛県の伝統工芸をモチーフにした装飾が施されており、観光目的で訪れる人にもぴったり。
料金は本館より少し安く、清潔で快適な設備も整っています。
おすすめタイプ：新しさ・デザイン性・快適さを重視する人
椿の湯
地元の人にも親しまれる庶民的な公衆浴場。シンプルで広々とした内湯のみの施設で、料金は3施設中もっとも安い設定です。
観光客だけでなく、松山市民が日常的に利用する場所でもあり、地元の空気を感じたい人におすすめです。
館内は素朴ながら清潔で、湯質は他の施設と同じ源泉を使用。肩肘張らずに温泉を楽しみたい人にはぴったり。
おすすめタイプ：気軽に入りたい・コスパ重視の人
宿泊するならここ！人気旅館・ホテルの特徴と選び方
道後温泉に来たなら、やはり宿泊してゆっくり湯を楽しみたいところ。
ここでは評価の高い人気宿を紹介します。
道後温泉 八千代
全客室に道後温泉の源泉かけ流し露天風呂を備えた高級旅館。
客室は和モダンで広く、料理は地元食材を使った懐石が好評。
「部屋で静かに過ごしながら何度でも温泉を楽しみたい」という方に最適です。
料金はやや高めですが、滞在そのものが贅沢な体験になります。
おすすめタイプ：カップル・記念日・ラグジュアリー志向の人
ホテル古湧園 遥
2019年に全面リニューアルしたホテルで、モダンなデザインと高台からの絶景が魅力。
最上階の展望露天風呂からは松山市街を一望でき、夜景も美しいと評判です。
館内設備も新しく快適で、観光拠点としても便利。
温泉街中心の喧騒から少し離れ、静かに過ごしたい人にぴったりです。
おすすめタイプ：景色・清潔感・現代的ホテルを重視する人
ふなや
寛永年間創業という、道後でも屈指の老舗旅館。
広大な日本庭園「詠風庭」を有し、風格のある和の空間で静かに過ごせます。
文人にも愛されてきた宿で、夏目漱石や正岡子規ゆかりの部屋も。
歴史と伝統、落ち着きある時間を求める人におすすめです。
おすすめタイプ：老舗の雰囲気・和のしつらえを楽しみたい人
道後プリンスホテル
22種類の湯めぐりが楽しめる大型旅館。貸切風呂や露天風呂、足湯など種類豊富で、ファミリーやグループ旅行に人気です。
送迎バスやラウンジサービスなども充実しており、温泉を満喫したい人には理想的な宿。
カジュアルに楽しみたい人にもおすすめできます。
おすすめタイプ：家族旅行・グループ旅行・湯めぐり重視派
目的別・道後温泉の選び方
ここからは、「どれがいい？」と迷ったときの選び方を目的別に整理します。
1. 観光と雰囲気を楽しみたいなら
→ 道後温泉本館＋ふなや
歴史と文化の香りに包まれた時間を楽しめます。建物見学や温泉街散策もセットで味わうのがおすすめ。
2. 写真映え・モダンな空間を求めるなら
→ 飛鳥乃湯泉＋ホテル古湧園 遥
新しく洗練された空間で、アートと温泉を一度に堪能。SNS映えを狙うならこの組み合わせ。
3. コスパ重視・気軽に楽しみたいなら
→ 椿の湯＋リーズナブルな宿
短時間で手軽に温泉を楽しみたい人向け。日帰り旅や週末リフレッシュにぴったりです。
4. 贅沢に温泉を満喫したいなら
→ 道後温泉 八千代や大和屋別荘
露天風呂付き客室で静かに過ごす時間は特別。料理・サービス・空間すべてに満足できます。
5. 家族・グループでにぎやかに楽しみたいなら
→ **道後プリンスホテル**など大型宿泊施設
大浴場・貸切風呂・湯めぐりプランなど、アクティブに楽しめる宿が◎。
道後温泉をさらに楽しむコツ
・朝と夜で雰囲気が変わる
夜の本館はライトアップされ幻想的。朝は人が少なく静かな湯を楽しめます。
・足湯や商店街めぐりも外せない
無料の足湯スポットや道後ハイカラ通りのカフェ巡りもおすすめ。
・アート×温泉の融合も注目
道後オンセナートなど、現代アートと温泉文化を融合した企画も開催されています。
道後温泉はどれがいい？まとめ
結論として、「どれがいいか」は旅の目的によって異なります。
どの施設も道後の源泉を引いた良質な湯を楽しめる点は共通です。
大切なのは、自分がどんな旅をしたいかを明確にすること。
静かに癒やされたい、写真を撮りたい、グループでにぎやかに過ごしたい――
その目的に合わせて選べば、きっと「ここにしてよかった」と思える道後温泉の旅になるはずです。
