ヘアカラーを繰り返すと、どうしても気になるのが「髪のダメージ」。
そんな中で注目を集めているのが、塩基性カラーです。
「ブリーチせずに発色がいい」「髪が傷みにくい」とSNSでも話題ですが、実際どんなカラーなのか、そしてどの製品が人気なのかを知りたい人も多いはず。
この記事では、塩基性カラーの仕組みやメリット・注意点、そして美容師にも支持される代表的な人気商品をわかりやすく紹介します。
塩基性カラーとは？アルカリカラーとの違い
まず、塩基性カラーは「髪を脱色せずに色をのせる」タイプのカラー剤です。
一般的なアルカリカラー（酸化染毛料）は、髪のキューティクルを開いて内部に染料を浸透させ、メラニンを分解して明るくします。その分、どうしても髪や頭皮への負担が大きくなります。
一方、塩基性カラーはキューティクルを開かず、髪表面に色素を吸着させる仕組み。
染料がプラスイオンを帯びているため、マイナスイオン化したダメージ毛に吸着しやすく、しっかり発色します。
そのため「ダメージを抑えたい」「ブリーチ後のカラーチェンジを楽しみたい」という人にぴったりです。
ただし、明るくする（トーンアップ）作用はなく、黒髪のままでは色が見えにくいこともあります。ブリーチやライトナーでベースを明るくしてから使うと、よりきれいに発色します。
塩基性カラーのメリットとデメリット
メリット
- ダメージが少ない
アルカリ剤を使わず、キューティクルを開かないため髪の内部成分が流出しにくいです。繰り返しても傷みにくいのが魅力。 - 発色が鮮やか
塩基性染料はビビッドな色味が得意。ピンク・パープル・ブルーなど、通常のカラーでは出にくい鮮やかなトーンを表現できます。 - 頭皮への刺激が少ない
ジアミン系染料を含まない製品が多く、アレルギーが心配な人にも比較的使いやすいとされています。 - カラーチェンジがしやすい
表面染色なので、次のカラーを入れるときに影響しにくく、短期間で色を変えたい人に向いています。
デメリット
- 明るくできない
脱色作用がないため、黒髪や暗い髪では発色が控えめ。明るいベースが必要です。 - 色落ちが早い
内部まで染料が入らないため、シャンプーや摩擦で徐々に色が抜けます。1〜2週間程度で落ち始めるケースも。 - 髪質によって染まり方が違う
ダメージ毛は染まりやすく、健康毛は染まりにくい傾向があります。仕上がりにムラが出ることもあります。
こうした特性を理解したうえで、自分の髪に合ったカラーを選ぶことが大切です。
ダメージレスで発色が良い理由
塩基性カラーが「ダメージレス」と言われる理由は、アルカリ剤を使わずキューティクルをほとんど開かない点にあります。
アルカリカラーのように髪内部のタンパク質を壊すことがないため、ハリやコシを失いにくいのです。
また、染料自体が色を持っており、髪の表面に直接吸着するため、塗布後すぐに発色します。これが「塩基性カラーは発色が良い」と言われる理由です。
特にブリーチ後の髪では、マイナスイオン化した部分にプラスイオンの染料が強く吸着し、非常に高発色な仕上がりになります。
ただし、「ダメージゼロ」ではありません。ベース作りのブリーチや頻繁なカラー変更での摩擦など、別の要因でダメージが出ることもあるので注意しましょう。
塩基性カラーを選ぶときのポイント
- 髪のベース明度をチェック
暗い髪では色が沈みやすいため、発色を重視するならブリーチまたはライトナーでベースを明るくしておきましょう。 - 色味と目的を明確にする
ビビッドカラーで個性を出したいのか、やわらかいニュアンスカラーで透明感を出したいのかで、選ぶシリーズが変わります。 - 色持ちとメンテナンスを考える
塩基性カラーは色落ちが早めなので、カラートリートメントでの補色ケアや、シャンプー回数を減らす工夫も大切です。 - 頭皮や肌への刺激を確認
ジアミン無配合の製品が多いですが、敏感肌の方は念のためパッチテストを行いましょう。 - サロンかセルフかを決める
美容室ならプロが髪の状態を見て最適な色味を調整してくれます。セルフの場合は、放置時間や塗布量に注意が必要です。
人気の塩基性カラー商品を比較
カラーミューズ バイ プリミエンス（資生堂プロフェッショナル）
美容師の使用率も高い代表的な塩基性カラー。
発色の良さ、色持ち、操作性のバランスが取れており、カラーバリエーションも豊富。
特にピンク系やバイオレット系の発色が強く、ブリーチベースとの相性が抜群です。専用リムーバーもあり、カラーチェンジがしやすい点も魅力。
ミルボン エノグ
アルカリカラーとのミックス使用も可能なハイブリッドタイプ。
濃厚な発色と滑らかな質感で、トリートメント感覚で仕上がると人気。
色の重なりによるくすみが少なく、透明感のある仕上がりを求める人におすすめです。
ルベル エドル ヨヨ
2023年登場の新しい塩基性カラー。
褪色後の濁りが少なく、カラーチェンジしやすいのが特徴です。
ピュアな発色で、鮮やかな色を繰り返し楽しみたい人に向いています。
RENBOW クレイジーカラー
海外発のセルフ用塩基性カラー。
ライムグリーンやパープルなど派手色ラインナップが豊富で、個性派ファッションカラーにぴったり。
トリートメント感覚で使えるため、セルフでも扱いやすい製品です。
どんな人に塩基性カラーが向いている？
- 髪のダメージを抑えながらカラーを楽しみたい人
- ブリーチベースで発色を重視する人
- 頻繁に色を変えたい・短期間で印象を変えたい人
- 頭皮や肌が敏感で、刺激の少ない製品を探している人
逆に、
- 黒髪のまま明るくしたい
- 白髪をしっかり染めたい
という目的の場合は、塩基性カラー単独では満足できないこともあります。アルカリカラーや酸化染料との併用を検討するのが現実的です。
安全に使うための注意点
- 使用前には必ずパッチテストを行う
- 髪や頭皮に傷・湿疹などがあるときは使用しない
- カラー後は保湿ケアを忘れずに
- 紫外線・摩擦・熱による色落ちを防ぐため、日常ケアも意識する
また、「ダメージレス」「永久色」など誇張した表現をうのみにせず、製品の使用説明や成分表示を確認することが大切です。
塩基性カラーはあくまで“ダメージを最小限に抑えられるタイプ”のカラーとして理解しましょう。
まとめ：塩基性カラーはどれがいい？
塩基性カラーは、髪への負担を抑えながら鮮やかな発色を楽しめる新しい選択肢です。
ブリーチベースや明るい髪なら、カラーミューズ バイ プリミエンスやミルボン エノグ、ルベル エドル ヨヨなどプロ向けの製品が高い人気を誇ります。
セルフで気軽に楽しみたい人にはRENBOW クレイジーカラーのようなトリートメントタイプもおすすめ。
ただし、「髪を明るくしたい」「長期間色をキープしたい」といった目的には向かないため、用途に合わせた使い分けが大切です。
自分の髪質や目的に合った塩基性カラーを選べば、ダメージを抑えながら理想の髪色を楽しむことができます。
カラーを変えるたびに傷みを気にしていた人も、塩基性カラーで“髪をいたわりながら色を楽しむ”新しいスタイルをぜひ体験してみてください。
