お菓子作りや料理をしていて、「生クリームってたくさん種類があるけど、どれを選べばいいの?」と思ったこと、ありませんか?
スーパーに行くと「純生クリーム」「ホイップ」「フレッシュ」「乳脂肪◯%」など、似たようで違うパッケージが並んでいて、迷ってしまう人も多いはず。
この記事では、生クリームの種類や違い、そしてお菓子や料理別にどんなクリームを選ぶと失敗しにくいかを分かりやすく解説していきます。
生クリームとは?まず知っておきたい基本
まず大前提として、「生クリーム」という言葉の定義を理解しておきましょう。
実は日本では「生クリーム」と呼べるものは法律で決まっています。
「種類別:クリーム」と表記されている製品だけが、本来の“生クリーム”です。
原料は生乳や牛乳のみで作られ、乳脂肪以外の脂肪(植物油脂など)は一切使われていません。
乳脂肪分は18%以上と定められており、風味が豊かでミルクのコクがしっかり感じられます。
一方、パッケージに「ホイップ」や「乳等を主要原料とする食品」と書かれているものは、植物性油脂を混ぜた「ホイップクリーム」などです。
見た目は似ていますが、風味や扱いやすさが異なります。
簡単に言うと──
- 動物性(生クリーム):濃厚でコクがある、風味重視。
- 植物性(ホイップ):あっさりで軽い、コスパ・扱いやすさ重視。
- 混合タイプ(コンパウンド):両者のいいとこ取り。
どれが正解というわけではなく、「何を作るか」「どんな味にしたいか」で選び分けるのがポイントです。
生クリームの種類と見分け方
スーパーで手に取ったときに、すぐ判別できるポイントを覚えておくと便利です。
1. 種類別表示を見る
パッケージに「種類別:クリーム」と書いてあれば動物性(生クリーム)です。
「乳等を主要原料とする食品」と書かれているものは植物性や混合タイプ。
2. 乳脂肪分の数値に注目
生クリームには「乳脂肪35%」「40%」「45%」などと表示されています。
この数字が高いほどコクが増し、濃厚でしっかりした口当たりになります。
3. 成分表示を確認
「植物油脂」「乳化剤」「安定剤」などの記載があるものは、純粋な生クリームではありません。
ホイップタイプやコンパウンドタイプの目印になります。
お菓子作りにおすすめの生クリーム
デコレーションケーキ・ホイップクリームに
ケーキを美しく仕上げたいなら、乳脂肪分40〜45%の生クリームが理想です。
コクがあり、しっかりした泡が立ち、形を保ちやすいのが特徴。
ただし泡立ちが早い分、立てすぎるとボソボソになってしまうので注意しましょう。
初心者の方や長時間作業する場合は、「純乳脂肪タイプ(安定剤入り)」を選ぶと失敗しにくいです。
分離しにくく、絞った形もきれいに保てます。
こんな人におすすめ
- 生クリームの風味やコクを重視したい
- ホールケーキやショートケーキを作りたい
- ナッペや絞り作業をする予定がある
ムースや軽いデザートに
ムースやティラミス、フルーツパフェなどに使う場合は、乳脂肪分30〜38%程度がおすすめ。
軽やかな口あたりで、素材の味を邪魔しません。
乳脂肪が高いと濃厚で重くなりがちなので、バランス重視ならこの中間層を選びましょう。
植物性ホイップを少し混ぜて軽さを出す方法もあります。
こんな人におすすめ
- フルーツ系スイーツをさっぱり仕上げたい
- ふんわりしたムースやプリンにしたい
- 泡立ての安定感を重視したい
料理に使うならどの生クリームがいい?
意外と知られていませんが、料理用にも生クリームの選び方があります。
クリームパスタ、シチュー、グラタン、リゾット、スープなど、コクを出したい料理には乳脂肪35〜40%前後の動物性クリームがぴったり。
乳脂肪だけで作られた純生クリームなら、温めても分離しにくく、ソース全体にまろやかさを加えます。
「料理用」「無糖タイプ」などの記載がある製品も安心して使えます。
もしコスパを重視したい場合や大量に使うなら、植物性脂肪を含むコンパウンドタイプでも問題ありません。
ただし味わいはややあっさりになるため、チーズやバターなど他の乳製品でコクを補うとバランスが取れます。
こんな料理におすすめ
- クリームパスタやカルボナーラ
- ポタージュスープ、グラタンソース
- きのこや魚介を使った濃厚ソース料理
飲み物・トッピングに使うなら?
コーヒーや紅茶、デザートのトッピングなど、ふんわり軽く仕上げたいときは乳脂肪分18〜30%程度のクリームや植物性ホイップが便利です。
脂肪分が低いほどさっぱりしており、甘さや飲み物の香りを引き立ててくれます。
また、コストも抑えられるため、普段使いには最適。
「軽めのホイップ」や「スプレータイプ」を使うと手軽にデザートを飾れます。
生クリーム選びで失敗しないためのコツ
- 用途を決めてから選ぶ
まず「お菓子用」「料理用」「トッピング用」など、目的をはっきりさせましょう。
同じ“生クリーム”でも向き不向きがあります。 - 冷やしてから泡立てる
クリーム・ボウル・泡立て器をしっかり冷やすと、安定したホイップが作れます。
温度が高いと分離しやすいので注意。 - 脂肪分の高さ=濃厚さ
コクを出したいなら高脂肪、軽さを出したいなら低脂肪。
この違いを理解しておくと、レシピ選びが格段に楽になります。 - 開封後は早めに使い切る
無添加タイプは特に鮮度が落ちやすく、酸化や分離の原因になります。
使い切れない場合は、アイスやスープに活用してムダなく使い切りましょう。
代表的な生クリームブランド例(参考)
※以下は一般的な例であり、特定製品の優劣を示すものではありません。
- タカナシ乳業 純生クリーム35
国産生乳100%使用で、お菓子・料理の両方に対応。脂肪分別で使い分けやすい。 - タカナシ乳業 純生クリーム40
濃厚さと軽やかさのバランスがよく、デザートにも料理にも万能。 - タカナシ乳業 純生クリーム47
コクと保形性を両立した高脂肪タイプ。デコレーションケーキにもおすすめ。 - 中沢乳業 フレッシュクリーム36
洋菓子店でも使用される定番ブランド。香り高く泡立てやすい。 - 中沢乳業 フレッシュクリーム45
コク深く、しっかりとしたホイップを作りたい人に最適。 - 森永乳業 純生クリーム35
比較的マイルドで軽め。家庭のデザートや料理向き。 - 明治 十勝フレッシュクリーム
北海道産生乳使用。滑らかで自然なミルク感が特徴。
これらの乳脂肪値を見比べると、作りたいものの方向性が見えてきます。
たとえば「濃厚なケーキ」なら脂肪分45%、「軽いデザート」なら35%といった具合です。
よくある疑問Q&A
Q:ホイップと生クリームの違いは?
A:ホイップは植物性油脂入りで、軽くて価格が安め。生クリームは乳脂肪だけで、風味とコクが段違いです。
Q:料理にホイップを使ってもいい?
A:問題はありませんが、風味があっさりする傾向があります。濃厚さを出したい場合は動物性を選びましょう。
Q:泡立てすぎて分離したらどうする?
A:少量の未泡立てクリームを加えてやさしく混ぜると、ある程度なめらかに戻せます。
生クリームはどれがいい?まとめと選び方の結論
「生クリームはどれがいい?」という疑問の答えは、目的によって変わるです。
- ケーキ・ホイップ用:乳脂肪40〜45%の動物性クリーム
- ムース・軽いスイーツ用:乳脂肪30〜38%前後
- 料理用:乳脂肪35〜40%の純クリーム
- トッピングや飲み物用:乳脂肪18〜30%または植物性ホイップ
このように、脂肪分の違いと原料の種類を理解すれば、もうスーパーで迷うことはありません。
あなたの作りたいお菓子や料理にぴったりの生クリームを選んで、風味も仕上がりもワンランクアップさせてみてください。

