「IKEAのIKEAアルゴートが売ってない…」と感じた人、多いのではないでしょうか。かつて人気だったモジュール収納システム「ALGOT（アルゴート）」は、IKEAの定番アイテムとして長く愛されていました。しかし、現在は公式サイトでもほとんど姿を見かけません。
この記事では、なぜアルゴートが販売終了になったのか、その理由と代わりになる収納システム、さらに再入荷や入手方法についてわかりやすく解説していきます。
アルゴートとはどんな収納シリーズだったのか
アルゴートは、IKEAが展開していた自由度の高い収納システムです。棚板、ワイヤーバスケット、支柱、ブラケットなどのパーツを組み合わせて、自分の部屋や収納スペースに合わせたカスタマイズができました。
壁掛けにも床置きにも対応し、クローゼットや洗面所、玄関、パントリーなど、どんな空間にもなじむシンプルなデザインが人気の理由でした。
アルゴートの特徴は、次のような点です。
- 壁面や床面に自由に設置できる柔軟性
- 支柱とブラケットの組み合わせで、好みの高さに棚を調整できる
- バスケットやハンガーバーを追加して収納力を強化できる
- 白を基調とした清潔感あるデザイン
とくにIKEAらしい「自分で構築する楽しさ」を感じられるシリーズで、DIY好きや整理収納の上級者にもファンが多かったのです。
IKEAアルゴートが販売終了になった理由
1. 新シリーズへの移行
IKEA公式のサポート情報によると、アルゴートは2018年ごろに生産終了となりました。現在は「BOAXEL（ボーアクセル）」や「ELVARLI（エルヴァリ）」といった新しい収納システムが登場しており、これらがアルゴートの後継として位置づけられています。
つまり、アルゴートの終了は「IKEAの収納ラインアップの世代交代」として行われたものと考えられます。
BOAXELやELVARLIは、アルゴートと同様にカスタマイズ性が高いシステムですが、デザインや構造がよりシンプルで、組み立てや設置がしやすくなっています。IKEAの方向性として「より幅広い住環境で使える」ことを重視した結果、旧モデルのアルゴートがフェードアウトしたのでしょう。
2. 部品の互換性と在庫問題
アルゴートの販売終了後、IKEAではスペアパーツの取り扱いも順次終了しました。公式サイトでも「現在の収納システムとは互換性がありません」と明記されています。
つまり、ブラケットや支柱などを追加購入して拡張することができなくなったわけです。
また、部品ごとの在庫管理が難しくなったことも背景にあると見られます。アルゴートはパーツの種類が非常に多く、棚のサイズや取り付け方法によって組み合わせが複雑でした。これを長期的に在庫・管理することはコスト面でも非効率だったと考えられます。
3. 設置仕様の課題
アルゴートは壁に直接取り付ける仕様が多く、設置には石膏ボードやコンクリート用のアンカー固定が必要でした。
そのため、賃貸住宅では「壁に穴を開けられない」「重いものを載せると外れそうで不安」という声も少なくありませんでした。
一方で、BOAXELやJONAXEL（ヨーナクセル）などの新シリーズは、より簡易的に設置できる構造へと進化しています。特にJONAXELは床置き前提のデザインで、工具不要の組み立てを重視しています。
時代の流れとしても、“壁に傷をつけない収納”の需要が高まっており、こうしたユーザーのニーズ変化がアルゴート終了の一因になったといえるでしょう。
4. IKEAの製品サイクルと戦略
IKEAはグローバル展開の中で、商品ラインナップを定期的に見直しています。
人気商品であっても、製造コスト・物流効率・環境負荷・トレンド変化などの要素を考慮し、一定周期でモデルチェンジを行うのがIKEAの特徴です。
アルゴートも例外ではなく、次世代の収納システムに置き換えられたと見るのが自然です。
現在アルゴートはどこで手に入る？
すでにIKEA公式では販売終了となっており、店頭やオンラインショップで新品を購入することはできません。
ただし、一部の中古市場では今も流通しています。
中古・リユース市場
メルカリやヤフオク、ジモティーなどでは、支柱や棚板、ブラケットなどが出品されています。特に「ALGOTフレーム」「ALGOTバスケット」といった部品単位で販売されていることもあります。
ただし、長期間使用されたものが多いため、塗装のはがれや金具の歪みがある場合も。中古品を購入する際は、状態や寸法を必ず確認するようにしましょう。
店頭在庫の可能性
過去には一部店舗で「在庫限り」「展示品限り」で販売されていたこともありますが、現在はほぼ見かけません。IKEAの公式「LAST CHANCE（まもなく終了）」ページにもアルゴートの記載はなく、再入荷の予定はないとみてよいでしょう。
アルゴートの後継・代替シリーズを紹介
アルゴートが終了した後、IKEAでは複数の収納シリーズが登場しました。その中でも特に代替候補として注目されるのが以下の3つです。
BOAXEL（ボーアクセル）
アルゴートの正統後継といわれるシリーズ。壁面収納システムとして設計されており、支柱・ブラケット・棚の構成も似ています。
ただしアルゴートとの互換性はなく、既存のパーツを組み合わせて使うことはできません。
白を基調としたシンプルなデザインで、湿気の多いランドリールームやクローゼットにも対応しています。
JONAXEL（ヨーナクセル）
床置きタイプのオープン収納システム。組み立てが簡単で、工具不要の構造になっています。
バスケットや引き出しユニットを追加でき、キッチンや洗面所のサブ収納としても人気です。
壁を傷つけたくない賃貸ユーザーには、アルゴートよりも扱いやすい代替候補です。
ELVARLI（エルヴァリ）
クローゼット収納に特化したシリーズ。ポールや棚を組み合わせて、ウォークインクローゼットのような空間をつくれます。
支柱を床と天井で突っ張る構造のため、壁に穴を開けずに設置可能。見た目もスタイリッシュで、見せる収納としても活躍します。
これらのシリーズはいずれも現行モデルとして販売されており、IKEA公式サイトで購入できます。
既存のアルゴート利用者はどうすればいい？
すでに自宅でアルゴートを使用している場合、気になるのが「壊れたときどうするか」「拡張したいときどうするか」でしょう。
- 補修パーツは原則入手不可
IKEAでは既にアルゴートのパーツ販売を終了しており、公式ルートでの入手は難しいです。中古や譲渡サイトをチェックするしかありません。 - 代替部品の流用は非推奨
BOAXELやJONAXELとはサイズ・形状が異なるため、支柱やブラケットを流用することはできません。無理に取り付けると破損や転倒の恐れがあります。 - 部分的な買い替えを検討
全面入れ替えが難しい場合は、傷んだ部分だけ取り外し、他の収納家具と組み合わせて使う方法もあります。
たとえば、バスケットだけを残してワゴンに載せ替える、棚板をDIYで再利用するなどの工夫も可能です。
IKEAアルゴートが残した価値と今後の選択肢
アルゴートは、単なる収納ではなく「自分の空間を設計する楽しさ」を提案した画期的なシステムでした。
その思想は今のBOAXELやJONAXELにも受け継がれており、より現代の暮らしに合う形で進化しています。
もし今、アルゴートの代わりを探しているなら、「使う場所」「固定方法」「見た目」の3つを基準に選ぶのがおすすめです。
壁面を活用したいならBOAXEL、簡単に組み替えたいならJONAXEL、デザイン性重視ならELVARLI。
それぞれの特徴を比較して、自分のライフスタイルに合う収納を選ぶのが賢い方法です。
IKEAアルゴート販売終了のまとめ
IKEAアルゴートは、IKEAの中でも特にカスタマイズ性の高い収納システムとして人気を集めていましたが、2018年ごろに販売終了となりました。
理由は、新シリーズへの移行、在庫・互換性問題、設置仕様の変化、そしてIKEAの戦略的リニューアルによるものです。
今後、再入荷の予定はなく、入手するなら中古市場を探すしかありません。
しかし、後継となるBOAXELやJONAXEL、ELVARLIといったシリーズがすでに登場しており、現代の暮らしによりフィットした使いやすさを実現しています。
アルゴートを愛用していた人も、これを機に新しいシステムへ移行することで、より快適な収納空間を作れるはずです。
IKEAアルゴートが販売終了した理由を知り、次に選ぶべき収納システムを見つける――それが、これからの整理整頓をもっと楽しくする第一歩かもしれません。
