「MagSafeバッテリーパックが販売終了って本当？」——そんな疑問を抱いた人は多いはずです。
iPhoneの背面にピタッとくっつけるだけで充電できるあの便利なアクセサリーが、気づけばApple公式サイトから姿を消していました。この記事では、販売終了の背景や理由、今後の代替案までをわかりやすく解説します。
MagSafeバッテリーパックとは？どんな製品だったのか
まずは改めて「MagSafeバッテリーパック」とは何だったのかをおさらいしておきましょう。
これは、Appleが2021年に発売した純正の外付けバッテリーです。MagSafe対応のiPhoneに磁力で装着するだけで、ワイヤレス充電ができるというシンプルでスマートな仕組みが特徴でした。
対応していたのは、iPhone 12シリーズ以降のMagSafe対応モデル。バッテリー容量自体は控えめでしたが、Apple純正ならではの安定感と、安全設計、iOSとの連携が評価されていました。
さらにLightningケーブルを挿せば、充電器としても使えるという柔軟性もありました。
発売当初は「ちょっと高いけど便利」「Appleらしいデザイン」と好意的な声が多かった一方、「容量が少ない」「値段の割に性能が微妙」という意見も少なくありませんでした。
販売終了はいつ？静かに消えたApple公式ストア
そんなMagSafeバッテリーパックですが、2023年9月ごろを境にApple公式オンラインストアから姿を消しました。
海外メディア「MacRumors」や「9to5Mac」では、Appleが同時に「MagSafe Duo Charger（マグセーフデュアル充電パッド）」の販売も終了したと報じています。
日本でもApple公式サイトでは購入ボタンが削除され、在庫限りの取り扱いとなりました。
一部の家電量販店や通販サイトではまだ在庫が残っていることもありますが、公式ルートでの新規販売は終了しています。つまり、Apple自身がこの製品の展開を終えたということです。
MagSafeバッテリーパック販売終了の主な理由
Appleがこの人気アクセサリーを販売終了にした背景には、いくつかの明確な理由があると考えられています。
1. iPhoneのポートがLightningからUSB-Cへ移行した
最も大きい理由は、iPhone 15シリーズから採用された「USB-C」ポートへの完全移行です。
MagSafeバッテリーパックやMagSafe Duo Chargerは、いずれもLightning端子で充電する仕様でした。
そのため、USB-Cが主流となった新世代iPhoneとは設計上の整合性が取れなくなったのです。
Appleとしても、新しい規格へシフトする時期に古い規格のアクセサリーを維持するのは合理的ではありません。
Lightning専用の純正バッテリーパックを販売し続けるより、次世代対応製品への移行を見据えて整理したと考えられます。
2. 新規格Qi2やUSB-C対応アクセへの転換期
Appleはワイヤレス充電の次世代規格「Qi2（チー・ツー）」を推進しており、MagSafeとの互換性を持つ新しいアクセサリーエコシステムを開発中です。
Qi2は最大15Wの高速ワイヤレス充電を可能にするなど、従来MagSafeより効率が良い仕組み。
そのため、MagSafeバッテリーパックのような旧型製品は今後の主流から外れる可能性が高く、ラインナップ整理の一環と見ることができます。
3. 性能・コスト面での課題
MagSafeバッテリーパックは便利な一方、容量が小さく、価格が約15,000円前後と高額でした。
サードパーティ製では、より大容量・高速充電対応・USB-C入力の製品が半額以下で購入できるものもあり、価格競争力が弱かったのです。
Appleは「高品質・シンプル」を重視しますが、ユーザーが他社製に流れた結果、販売継続の意義が薄れたと見る向きもあります。
4. 環境配慮と製品ポートフォリオの整理
Appleは2030年までのカーボンニュートラルを掲げており、重複製品や低効率アクセサリーの見直しを進めています。
その流れで、MagSafeバッテリーパックのような限定的な製品を整理し、より環境負荷の少ない充電エコシステムへ移行しているという指摘もあります。
販売終了後も使える？今から買う価値はあるのか
「まだAmazonや家電量販店で見かけるけど、買っても大丈夫？」という人もいるでしょう。
結論から言うと、iPhone 12～iPhone 14シリーズを使っているなら、まだ十分に使えます。
MagSafeの磁力やワイヤレス充電の仕組みは変わっていませんし、純正ならではの安全性・安定性は健在です。
ただし、iPhone 15以降ではLightning端子が廃止されているため、バッテリーパック本体を充電する際にケーブルを別途用意する必要があります。
また、今後のiOSアップデートやファームウェア更新は期待できないため、長期使用よりも“今ある在庫を消費する”感覚で考えた方が良いかもしれません。
価格も流通在庫のみのため、プレミア化している場合があります。購入時は定価より大幅に高くなっていないかをチェックしましょう。
代替案：おすすめのMagSafe対応バッテリーパック
Apple純正が手に入らない今、サードパーティ製のMagSafe対応バッテリーが注目を集めています。
ここでは、代替として評価の高いブランドを紹介します。
Baseus MagSafeバッテリーパック
デザイン性とコスパのバランスが良く、USB-Cポート対応で最大20Wの急速充電が可能。
容量も10,000mAhクラスが多く、Apple純正より圧倒的にパワフルです。
Qi2規格に対応した新モデルも登場しており、今後の主流になる可能性があります。
Anker MagGoシリーズ
モバイルバッテリーの定番ブランド。MagSafe対応モデル「Anker MagGoシリーズ」は、信頼性の高さで人気です。
折りたたみスタンド付きや、15W急速ワイヤレス対応のモデルもあり、機能性・品質・価格のバランスが取れています。
Belkin MagSafeバッテリーパック
Apple公認アクセサリーメーカーとして有名。
純正同様のデザインで、MagSafe対応モデルを多数展開しています。
純正に近い体験を求めるならBelkin MagSafeバッテリーパック製が安心です。
これらの製品はすべてUSB-C充電対応で、今後のiPhoneシリーズにもスムーズに対応できる点がメリットです。
これからのApple純正充電アクセはどうなる？
販売終了を受けて、Appleが今後新しい「MagSafeバッテリーパック（USB-C版）」を出すのでは？という予測もあります。
現時点では公式発表はありませんが、Qi2の採用が進めば、より高速かつ互換性の高い次世代モデルが登場する可能性は高いです。
Appleは常にシンプルさと環境配慮を軸に製品戦略を立てています。
そのため、単体バッテリーというより、iPhoneやApple Watchなどを一体的に充電できる多機能ドック型アクセサリーへと進化するかもしれません。
MagSafeバッテリーパック販売終了のまとめと今後の選択肢
MagSafeバッテリーパックが販売終了になった理由は、
Lightning端子の廃止、Qi2・USB-C移行、製品コストと戦略の見直しなど、複数の要因が重なった結果でした。
今後は純正の在庫を探すより、USB-C対応のMagSafe互換バッテリーを選ぶ方が現実的です。
特にiPhone 15シリーズ以降を使っている人は、Qi2対応モデルを選ぶことで長く使えるでしょう。
純正の安心感は魅力的ですが、時代が変われば選択肢も変わります。
自分の使い方や機種に合ったアクセサリーを選び、よりスマートな充電環境を整えていきましょう。
MagSafeバッテリーパック販売終了を受けて考えること
Appleのアクセサリーは常に“次のステージ”を見据えています。
販売終了は決してマイナスではなく、進化の前触れとも言えます。
MagSafeバッテリーパックが築いた「背面でのワイヤレス充電」という概念は、これからQi2や新しいMagSafe世代へと受け継がれていくでしょう。
いま手元にあるMagSafeバッテリーパックを最後まで使い切るのも良し。
新しい規格に乗り換えるのもまた、Apple製品を楽しむ方法のひとつです。
