名古屋名物のひとつとして親しまれてきた「きしめんパイ」。
お土産コーナーで見かけると、思わず手に取ってしまったという人も多いのではないでしょうか。
そんなきしめんパイが「販売終了した」という情報が出回り、ファンの間で驚きと残念の声が広がっています。今回は、なぜ販売が終わってしまったのか、そして今後再び買える可能性はあるのかを詳しく見ていきます。
きしめんパイとは?名古屋を代表する老舗の焼き菓子
きしめんパイは、名古屋の老舗菓子店・青柳総本家が長年製造してきた焼き菓子です。
「ういろう」で有名な青柳総本家ですが、実は洋風の焼き菓子も手掛けており、その中でも特に人気だったのがこのきしめんパイ。
名前の通り、名古屋名物のきしめんの形を模したパイで、平たく薄い形状とサクッとした食感が特徴でした。
ほんのりと甘く、香ばしい風味が口に広がるその味は、世代を問わず愛されてきました。
特にお土産需要が高く、名古屋駅や中部国際空港、サービスエリアなどで定番商品として長く販売されていました。
販売終了の正式発表と時期
販売終了の情報は一部で噂として広まっていましたが、実は公式から正式に発表が行われています。
青柳総本家の公式サイトでは、2023年3月22日付で「きしめんパイ」「台湾きしめんパイ」終売のお知らせが掲載されました。
そこには次のように記されています。
「長年ご愛顧いただいておりました『きしめんパイ』『台湾きしめんパイ』ですが、誠に勝手ながら在庫が終了次第、終売とさせて頂くこととなりました。」
つまり、2023年春の時点で新たな製造は終了し、残っていた在庫が無くなり次第販売終了となったということです。
実際に、同年の夏頃から各地の土産売り場やオンラインショップでも取り扱いが消え始め、2024年には完全に姿を消しました。
なぜ販売終了になったのか?考えられる理由を分析
公式には具体的な「販売終了の理由」は公表されていませんが、状況からいくつかの要因が推測できます。
1. 土産菓子市場の変化と売上低下
青柳総本家は2022年にきしめんパイをリニューアルし、パッケージデザインや生地配合を見直しました。
これは「お土産菓子市場の変化に合わせた刷新」と説明されており、消費者ニーズに対応しようとした試みでした。
しかし、その後1年ほどで終売になったことから、リニューアル後も販売動向が思わしくなかった可能性があります。
近年は旅行客の嗜好が多様化し、「映える」「個包装で配りやすい」といった要素を重視する傾向が強まっています。
昔ながらの素朴な焼き菓子であるきしめんパイは、そうした市場変化の中でやや存在感を失っていったのかもしれません。
2. 原材料・製造コストの上昇
菓子業界全体が直面している課題として、原材料価格の高騰があります。
小麦粉やバター、砂糖といった主要素材が値上がりを続けており、さらに包装資材や物流費も上昇。
採算の厳しい商品から順に見直しが進む傾向がある中で、きしめんパイも例外ではなかったと考えられます。
特にパイ生地のように工程の多いお菓子は手間とコストがかかるため、製造継続の負担が大きかった可能性があります。
3. コロナ禍による観光・土産需要の減少
2020年以降、観光客数が大きく減少し、駅や空港の土産菓子の売上が落ち込みました。
「名古屋土産」としての需要が減ったことで、販売数量の低下が続いたとみられます。
旅行客が戻り始めたのはここ1~2年ですが、その間に売上が回復しきらず、生産体制を維持できなかった可能性もあります。
4. ブランドの方向転換
青柳総本家は、ういろうを中心にした和菓子の伝統を守りつつ、「ケロトッツォ」など新たなスイーツにも挑戦しています。
このような中で、製品ラインの整理・再構築が行われたと見られ、きしめんパイのような古参商品を終了させる判断につながったとも考えられます。
きしめんパイが買えない!現在の入手状況は?
販売終了が告知されたとはいえ、「どこかにまだ売っていないの?」と思う人も多いでしょう。
2024年時点では、青柳総本家の公式オンラインショップ・名古屋駅構内店舗・空港売店など、いずれの販売チャネルでも取り扱いは終了しています。
「在庫が終了次第」という文言通り、在庫が尽きた店舗から順に販売終了となったようです。
一部の転売サイトやオークションで見かけることもありますが、賞味期限が切れている場合が多く、購入はおすすめできません。
どうしても懐かしい味を楽しみたい場合は、似た食感の「パイ菓子」や「名古屋土産スイーツ」を探してみるのも一つの方法です。
再販や復刻の可能性はある?
ファンとして気になるのは、やはり再販の可能性です。
青柳総本家はこれまでにも人気商品のリニューアルや期間限定復刻を行ってきた実績があります。
たとえば「青柳ういろう」シリーズでは、季節限定の味やコラボ企画が展開されています。
そのため、きしめんパイも将来的に限定復刻される可能性はゼロではありません。
特に観光需要が回復し、名古屋土産への注目が再び高まれば、話題づくりの一環として再登場することも考えられます。
ただし、現時点(2025年)では公式から再販予定や告知は出ていません。
もし再登場を期待するなら、青柳総本家の公式サイトやSNSアカウントをチェックしておくと良いでしょう。
新商品の発表や催事情報などがこまめに更新されています。
きしめんパイの代わりに楽しめる名古屋スイーツ
「もう買えないのは残念…」という声も多いですが、名古屋には他にも魅力的なお菓子がたくさんあります。
たとえば以下のような商品は、きしめんパイのようにお土産や贈り物にぴったりです。
どれも地域の特色を活かしたお菓子で、旅行気分を味わうのにぴったりです。
「きしめんパイロス」を感じたときは、ぜひこうした地元スイーツを試してみてください。
まとめ:きしめんパイの販売終了は時代の流れの中での決断
きしめんパイが販売終了になった背景には、時代の変化と菓子市場の再編がありました。
長年愛されてきた名古屋の味が姿を消したのは寂しいものですが、同時にそれは老舗が新しい挑戦を続けている証でもあります。
今後、再販や復刻のニュースが届くことを期待しつつ、名古屋の伝統と新しい味の両方を楽しんでいきたいですね。
きしめんパイが販売終了してしまった理由や再販の可能性を徹底調査してきましたが、またいつか、あの懐かしいサクサクのパイに再会できる日が来るかもしれません。
