最近、「エクリプスクロスが販売終了した」という話を耳にした人も多いのではないでしょうか。実際にディーラーへ行くと「在庫限りです」と言われたという声も増えています。では本当に販売が終わってしまったのか、なぜそうなったのか、そして今後の展開はどうなるのかを詳しく見ていきましょう。
エクリプスクロスとはどんな車?
まずは簡単におさらいです。
エクリプスクロスは、三菱自動車が2018年に発売したクロスオーバーSUV。かつて同社が販売していたクーペ「エクリプス」の名前を受け継ぎ、SUVとして生まれ変わったモデルです。
クーペのようなスポーティなデザインと、SUVらしい実用性を両立したことから、登場当初は大きな注目を集めました。
エンジンは1.5L直噴ターボのガソリン車が主力で、後にアウトランダー譲りのPHEV(プラグインハイブリッド)モデルも追加されました。
特にPHEV仕様は静粛性と力強さを兼ね備え、街乗りから長距離まで幅広く使えるモデルとして人気でした。
販売終了と噂される理由
エクリプスクロスが「販売終了」と言われるようになった背景には、いくつかの要因が重なっています。
生産終了の正式発表
三菱自動車の公式サイトや販売店の案内によると、エクリプスクロスPHEVは2025年8月をもって生産終了することが明記されています。
すでに一部ディーラーでは「在庫のみの販売」と案内されており、実質的には新規受注がストップしている状況です。
一方で、ガソリンモデルについては明確な「販売終了宣言」は出ていません。ただし、PHEVモデルの終了に合わせて段階的に縮小していく見込みが強く、現行型が事実上の最終モデルになる可能性も指摘されています。
なぜ販売終了になったのか?その背景
1. 電動化シフトによるモデル整理
最大の理由は、三菱自動車が進めている「電動化戦略の転換」です。
三菱は今後、EVや次世代PHEVなど電動車に注力する方針を明確にしており、エクリプスクロスのような既存プラットフォームを使った車種は順次整理される流れにあります。
また、2026年以降は新しい車両プラットフォームを独自開発せず、日産・ルノーとのアライアンスで共有する方針を発表しています。
このため、エクリプスクロスのような中間サイズSUVは、今後EV専用車に置き換えられていくと考えられます。
2. 環境規制への対応コスト
欧州を中心に燃費・排ガス規制が厳しくなっており、既存のガソリン車・PHEV車を維持するには莫大なコストがかかります。
生産台数が限られるエクリプスクロスでは、そのコスト負担を吸収しきれず、生産終了を決断したとも言われています。
3. モデルライフの限界
2018年の発売からすでに7年が経過。一般的にフルモデルチェンジ周期を考えると、現行モデルは寿命のタイミングです。
マイナーチェンジを挟みながら販売を続けてきましたが、市場競争が激化する中で新規投入モデルとの比較ではやや古さが目立つようになっていました。
このため、ラインアップの刷新を図る意味でも、生産終了は自然な流れと言えます。
海外市場での動きと今後の方向性
エクリプスクロスは日本だけでなく、欧州やオーストラリアなど世界各地でも販売されています。
しかし、海外でも2025年をめどにガソリン・PHEVともに販売終了が予定されていると報じられています。
欧州では次期モデルとしてEV専用の新型SUVを2025年9月に発表するとの情報があり、「Eclipse Cross」の名前を継承する可能性が高いとされています。
この新型モデルはルノーとの共同開発による電動SUVで、現行エクリプスクロスの後継ポジションと目されています。
つまり「終了」ではなく、「電動車として再誕生する準備期間」に入っているとも言えるでしょう。
今買うならどうする?在庫車の状況と注意点
すでにPHEVモデルは生産終了しているため、新車で手に入れるなら在庫限りです。
一部ディーラーではキャンペーン価格で販売されており、装備やカラーを選ばなければ今が“ラストチャンス”とも言えます。
ただし、注意したいのは次の3点です。
- 希望のグレードやカラーが選べない可能性
在庫車中心のため、仕様が限られます。 - 納期・整備部品の確保
生産終了後も一定期間は補修部品が供給されますが、将来的な供給体制は販売店で確認が必要です。 - リセールバリューの低下リスク
販売終了車は中古車市場で値落ちする傾向がありますが、逆に希少価値で人気が上がる場合もあります。
ガソリンモデルはどうなる?
ガソリンモデルについては、現時点で「当面継続」との見方が多いです。
とはいえ、電動化の流れの中で長期継続は難しいでしょう。
三菱は既に「アウトランダー」「デリカミニ」「トライトン」など新世代車を立て続けに投入しており、SUVラインアップの整理が進んでいます。
したがって、エクリプスクロスのガソリン車も数年以内に生産を終え、次世代EVモデルにバトンタッチする可能性が高いと見られています。
次期モデルの登場時期と期待ポイント
2025年以降に発表予定の「次世代エクリプスクロスEV」は、ルノーのプラットフォームを採用し、最新の電動技術を搭載すると言われています。
サイズは現行モデルと同等ながら、航続距離や充電性能が大幅に向上する見込みです。
また、三菱の得意とするS-AWC(車両運動統合制御システム)が電動化と融合し、より滑らかな走行性能を実現するとの噂もあります。
もし本当にEV版が登場すれば、「エクリプスクロス」というブランドは終わるどころか、新しい形で進化して戻ってくる可能性が高いでしょう。
中古車市場の動きも注目
販売終了のニュースを受けて、中古車市場でもエクリプスクロスの在庫が動き始めています。
特にPHEVモデルは中古需要が高く、価格が安定しています。
また、ガソリン車は流通量が多く、状態の良い個体を比較的手頃な価格で探せる状況です。
生産終了後もしばらくは整備・修理が可能な体制が維持されるため、「長く乗りたい」という人にも選択肢として十分魅力があります。
まとめ:エクリプスクロス販売終了の真相とこれから
まとめると、エクリプスクロスの「販売終了」は部分的な事実です。
PHEVモデルは2025年8月に生産終了し、ガソリン車は当面継続。しかし、今後数年のうちに全ラインアップが終了し、次期EVモデルへ移行する流れが濃厚です。
「エクリプスクロス」という名前が消えるわけではなく、次世代EV SUVとして再登場するための過渡期にあると考えるのが正確でしょう。
もし現行型を気に入っているなら、今が最後の新車購入チャンス。
一方で、最新の電動SUVを待ちたい人は、2025年以降の発表を楽しみにするのも良い選択です。
エクリプスクロス販売終了まとめ
- PHEVモデルは2025年8月で生産終了
- ガソリンモデルは当面継続、ただし将来的に整理予定
- 電動化戦略の転換と新EV投入が背景
- 次期「エクリプスクロスEV」が2025〜2026年に登場見込み
- 今購入するなら在庫限り、早めの確認がおすすめ
エクリプスクロスは終わりではなく、新しい時代への架け橋となる一台。
SUVファンにとっても、これからの展開は見逃せません。
