子どもの頃から親しんできたスナック菓子「カール」。ふわっと軽い食感とやさしい味わいで、多くの人に愛されてきましたよね。そんなカールが「販売終了」と聞いたとき、多くの人がショックを受けたのではないでしょうか。では実際、カールはいつから販売が終わったのか？ なぜ全国で買えなくなってしまったのか？ そして今でも買える場所はあるのか？ 今回はその疑問を徹底的に調べました。
カールの販売終了はいつから？
明治が「カールの全国販売終了」を正式に発表したのは、2017年5月25日のことです。この発表によって、東日本では同年8月をもって生産・出荷を終了し、9月以降には店頭から姿を消すことになりました。
つまり、実質的に「カールが東日本で販売終了した」のは2017年秋頃ということになります。
このニュースが出た当時、SNSでは「#カールショック」というハッシュタグがトレンド入り。子どもの頃からの定番おやつが突然なくなることに、悲しみや驚きの声が多く上がりました。
ただし、完全に販売終了したわけではなく、明治は「今後は西日本限定で販売を継続する」と発表。つまり、“全国終了”ではなく“地域限定化”だったのです。
なぜカールは販売中止になったのか？
売上の低迷
販売終了の最大の理由は、売上の減少でした。
1990年代には年間売上約190億円を誇っていたカールですが、2010年代に入るとおよそ60億円前後まで落ち込み、ピーク時の3分の1以下に。近年はポテトチップスやポップコーンなどの競合商品が増え、カールの存在感が薄れていったことも大きな要因とされています。
さらに、健康志向の高まりにより「油で揚げたスナック」を避ける傾向も強まり、カールのような伝統的なコーンスナックは売り場での優先度が下がっていきました。
生産・物流コストの問題
明治は全国に複数の工場を持っていましたが、全国販売を維持するにはコストがかかります。そこで、「愛媛県松山工場に生産を集約し、西日本地域に限定する」という決断に至りました。
この背景には、「売上が減少する中で、全国に商品を運ぶ物流コストを抑える必要があった」という経営判断もあったと考えられます。
市場トレンドの変化
カールが発売されたのは1968年。当時は画期的なコーンスナックとして人気を博しましたが、時代とともに食文化や嗜好は変化しました。
若年層の間では「軽くて手が汚れないスナック」や「SNS映えするパッケージ」の人気が高まり、昔ながらのデザインや食感を持つカールは選ばれにくくなったのです。
さらに、テレビCMの減少も影響しています。長年親しまれた「カールおじさん」も、2014年頃からテレビで見かける機会が減少。ブランドとしての露出が減ったことが販売減につながったとも言われています。
現在もカールを買える地域はどこ？
「販売終了した」とはいえ、完全になくなったわけではありません。
現在もカールは西日本限定で販売が続いています。
西日本での販売継続
販売が続いているのは、以下の地域です。
- 関西地方（大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山）
- 中国地方（岡山・広島・山口・鳥取・島根）
- 四国地方（徳島・香川・愛媛・高知）
- 九州地方（福岡・熊本・長崎・鹿児島など）
取り扱いフレーバーは、「チーズあじ」と「うすあじ」の2種類のみ。これ以外の期間限定フレーバーや東日本限定味（カレー味・コンソメ味など）は現在販売されていません。
また、これらの地域ではスーパーやドラッグストア、道の駅などでも日常的に購入できます。特に「カールおじさんのふるさと」と呼ばれる愛媛県松山では、観光土産としても人気を集めています。
東日本ではもう買えない？通販や入手方法を紹介
関東や東北など、東日本エリアではカールの店頭販売は終了しています。しかし、完全に入手不可能ではありません。
通販サイトでの購入
Amazonや楽天市場などの大手通販サイトでは、現在もカールの西日本版（チーズあじ・うすあじ）が販売されています。価格は地域限定品ということもあり、スーパーの定価よりやや高めに設定されていますが、東日本でも手軽に購入できる手段です。
西日本の店舗やお土産ショップ
出張や旅行で関西・四国・九州方面に行った際には、スーパーやコンビニなどで普通に購入できます。また、空港やお土産ショップでは「西日本限定カール」や「カールおじさんグッズ」といった関連商品も取り扱っていることがあります。
ふるさと納税や地域ECサイト
一部の自治体（特に愛媛県松山市など）では、ふるさと納税の返礼品としてカールを取り扱っていることも。地元の特産品として扱われている点は、まさに“ご当地お菓子”の地位を確立している証拠でしょう。
再販や全国販売復活の可能性は？
「また全国でカールを買える日は来るの？」という疑問を持つ人も多いはずです。
しかし、明治は公式に「全国販売の再開予定はありません」と発表しています。つまり、現時点では再販の予定はないというのが結論です。
ただし、SNSなどでは「限定復活してほしい」「地方フェアで買えた」などの声も根強く、今後の需要や市場環境によっては、期間限定やキャンペーン的な形で再登場する可能性もゼロではありません。
カールおじさんと日本のお菓子文化
カールといえば、忘れてはいけないのが「カールおじさん」です。
ゆるい笑顔とつば広帽がトレードマークのキャラクターで、長年にわたりテレビCMやパッケージに登場してきました。
一時は「日本で最も有名なお菓子キャラクター」として、子どもたちの人気を集めていたほどです。
カールおじさんの存在は、ただのマスコットではなく、昭和から平成にかけての日本のお菓子文化そのものを象徴していました。だからこそ、販売終了が「時代の変化」を象徴する出来事として、多くの人の記憶に残ったのかもしれません。
カール販売終了のまとめ
最後に、カールの販売終了についてのポイントを整理します。
- 発表：2017年5月25日（明治による公式発表）
- 東日本での生産・出荷終了：2017年8月末
- 東日本での店頭販売終了：2017年9月頃
- 現在の販売地域：西日本限定（関西・中国・四国・九州）
- 継続販売フレーバー：「チーズあじ」「うすあじ」
- 全国販売再開の予定：なし（※2025年時点）
カールは“販売終了”ではなく、“地域限定化”という形で生き続けています。
今でも西日本では普通に買えますし、通販で手に入れることも可能です。かつての味が恋しくなったら、オンラインショップでチェックしてみるのも良いでしょう。
カールはいつから販売終了？これからも愛され続けるロングセラー
カールの販売終了は、単なるお菓子の終焉ではなく、半世紀以上続いたブランドの転換点でした。
1968年の発売から50年以上、世代を超えて愛されてきたカールが、今なお西日本で生き続けているのは、根強いファンの存在があるからです。
「また全国で食べたい」という声がいつか届き、カールおじさんが全国の棚に戻ってくる日を、静かに期待したいですね。
