子どもの頃によく食べたスナック菓子「カール」。その中でも特に印象に残っている人が多いのが「カレー味」ではないでしょうか。あの独特のスパイシーで甘みのある香ばしさ、どこか懐かしい風味を思い出すと、今でも食べたくなる人は少なくありません。しかし、最近「カールカレー味が販売終了していた」と知って驚いた人も多いはずです。今回は、なぜ人気のカレー味が姿を消したのか、その背景や再販の可能性について詳しく解説していきます。
カールカレー味とは？誕生の歴史と人気の理由
「カール」は1968年に明治が発売したロングセラーのコーンスナック。ふんわりとした食感とやさしい味わいで、子どもから大人まで幅広く愛されてきました。そんなカールシリーズの中でも「カレー味（当初は『カレーがけ』）」は、発売初期の1969年に登場した歴史あるフレーバーです。
当時の日本はカレーライスが家庭食として広まりつつある時期。スナック菓子としてカレー味を再現するのは新鮮で、発売当初から高い人気を集めました。スパイスの香りとコーンの甘さが絶妙にマッチし、子どもでも食べやすい「優しいカレー味」として定着。40周年記念の人気投票でも1位を獲得するほど、ファンの多いフレーバーでした。
しかし、そんな愛されフレーバーも、時代の波には抗えませんでした。
カールカレー味が販売終了した理由とは
カールのカレー味が消えた背景には、スナック市場全体の変化とメーカーの経営判断が大きく関係しています。2017年、明治はカールシリーズ全体について「販売エリアの見直し」と「一部商品の終了」を発表しました。これにより、東日本（中部以東）での販売を終了し、西日本（関西以西）のみで販売を継続する方針に転換しました。
では、なぜこのような決断に至ったのでしょうか。
ひとつは 市場環境の変化。近年、スナック菓子市場ではポテト系や濃厚系スナックが主流となり、コーンスナックの売上が減少傾向にありました。特に「カール」は生産コストや物流費の上昇も重なり、全国販売の維持が難しくなっていたのです。
もうひとつの要因は 味の売上構成比。明治の公式回答によると、カールには当時「チーズあじ」「うすあじ」「カレー味」の3種類があり、その中で売上が最も低かったのがカレー味だったとのこと。結果として、主力のチーズあじとうすあじを残し、カレー味は生産終了の対象となりました。
つまり、カールカレー味の販売終了は「人気がなかった」わけではなく、全体戦略の見直しの中でやむを得ず削られた形です。明治としても、コストや地域展開の最適化を優先せざるを得なかったのでしょう。
東日本では「カール」そのものが消えた理由
2017年の発表以降、関東以北ではカールシリーズが一斉に店頭から姿を消しました。これは、「全国販売の採算が合わなくなった」ため。生産拠点が愛媛県の四国明治工場に一本化されたことで、物流コストの観点からも東日本への供給は現実的でなくなったのです。
この結果、カレー味はもちろん、カール自体が「西日本限定商品」となりました。現在でも関東圏ではコンビニやスーパーで見かけることはほぼなく、食べたい人は旅行先や通販を利用するしかありません。
販売終了後の反響と「カレー味ロス」
カールカレー味の終了は、SNSでも大きな話題になりました。
「子どもの頃の思い出の味がなくなるのが寂しい」
「チーズ味よりカレー味派だったのに！」
といった投稿が相次ぎ、特に世代を問わず懐かしむ声が多く見られました。
終了発表から数年経った今でも、「もう一度あの味が食べたい」「復刻してほしい」というコメントが続いており、ファンの根強い支持がうかがえます。中には、自作レシピで“カールカレー味風”を再現しようとする人もいるほどです。
また、通販サイトでは「カールカレー味」の旧在庫や記念パッケージが高値で取引されるケースも。これも、いかに多くの人がこの味に愛着を持っていたかの証拠といえるでしょう。
現在の入手状況と販売地域
現在、「カール」は西日本限定で販売されており、味は「チーズあじ」と「うすあじ」の2種類のみ。残念ながら「カレーあじ」は公式に製造終了しているため、店頭や通販で正規品を入手することはできません。
一部のフリマアプリやオークションで旧パッケージを見かけることもありますが、すでに賞味期限が切れている場合も多く、購入には注意が必要です。正規ルートで再販売されていない以上、実際に食べる目的ではなく、コレクションとして楽しむほうが現実的でしょう。
「カレー味」はなぜ他のスナックでは続いているのか
一方で、ポテトチップスやコーンスナック全体では、今でもカレー味の商品が多数販売されています。たとえば、「ポテトチップス カレー味」「カラムーチョ スパイシーカレー」「スコーン カリーポット」など、カレー風味自体は根強い人気があります。
つまり、カレー味というフレーバー自体の人気は健在です。
カールカレー味がなくなった理由は、味そのものの需要がなくなったのではなく、あくまでブランド全体の販売戦略やコスト構造に起因するものだといえます。
カールカレー味の再販や復刻の可能性はある？
では、再販の可能性はまったくないのでしょうか。
2025年現在、明治から「カールカレー味」の再販や復刻に関する公式発表は出ていません。しかし、これまでのカールの歴史を振り返ると、限定復刻や記念キャンペーンで過去フレーバーが再登場したことがあります。
たとえば、発売40周年記念では「もう一度食べたい懐かしの味」としてカレー味が復活したこともありました。ファンの声が大きければ、再び限定生産という形で復刻する可能性は十分あります。
また、スナック菓子業界では周年記念やSNSキャンペーンなどで「過去の味を再現」する流れが近年増えています。メーカー側としても、懐かしさと話題性を両立できる戦略として注目されています。
もし再販があるとすれば、「地域限定」や「期間限定」の形になる可能性が高いでしょう。生産拠点が現在も四国にあるため、西日本エリアでの先行販売、またはオンライン限定での展開が考えられます。
「もう一度食べたい」ファンの声が鍵に
再販の現実性を考えるうえで重要なのは、ファンの存在です。
明治の公式SNSやファンコミュニティでは、「カレー味の復活希望」を投稿するユーザーが今でも多く見られます。企業にとっても、こうした声は市場調査の参考となる貴重なデータです。
実際、食品メーカーの中には「SNS上の声をきっかけに復刻した商品」も増えています。もし今後、一定数以上の要望が寄せられれば、数量限定でも再販される可能性は決して低くありません。
代替商品や類似スナックを探してみよう
「どうしてもあの味が恋しい」という人は、似た味わいのスナックを試してみるのもおすすめです。ネット上では、「パックル コク旨カレー味」「スコーン カリーポット」などが「カールカレー味に近い」と評判。ふんわり系のコーンスナックなら、香辛料のバランスが似ている商品も見つかります。
また、自宅でカレー粉を軽くまぶして再現する“手作りカール風”アレンジを楽しむ人も。完全に同じではありませんが、懐かしい風味を思い出すには十分な再現度があります。
カールカレー味の販売終了を振り返って
「カールカレー味がなくなった」と聞くと、どこか寂しさを感じる人も多いでしょう。けれど、その背景には、時代の流れやメーカーの経営判断、そしてスナック市場の変化といった現実的な理由がありました。
それでも、ファンが「また食べたい」と言い続ける限り、いつか再びあの味が帰ってくるかもしれません。懐かしい味が思い出とともに語り継がれ、未来の復刻につながることを期待したいところです。
カールカレー味の販売終了まとめと再販への期待
カールカレー味は、2017年をもって生産終了となり、現在は「チーズあじ」「うすあじ」の2種類のみが販売中です。販売終了の理由は売上構成と生産コスト、販売地域の見直しによるもので、味そのものの人気が落ちたわけではありません。
カレー味というジャンルは今も多くのスナックに残っており、需要自体は健在です。明治が再び「カールカレー味」を限定復刻する日が来るのかどうか、ファンの声がその鍵を握っています。もし再販情報が発表された際には、懐かしさを胸に、ぜひあの優しいカレーの香りをもう一度
味わいたいですね。
