ワイヤレスイヤホンがどんどん進化する中で、「音質の良さ」で勝負するモデルを探している人も多いはず。そんな人に注目されているのが、HiFiMANの「Svanar Wireless」です。
この記事では、実際の使用感や音質の特徴、他モデルとの違いなどを、レビューを交えながら詳しく紹介していきます。
Svanar Wirelessとは?HiFiMANが本気で作った“高音質系”TWS
Svanar Wirelessは、中国のオーディオブランド「HiFiMAN」が手がける完全ワイヤレスイヤホン。
HiFiMANといえば、有線の高級ヘッドホンやイヤホンで世界的に知られるブランドです。そのHiFiMANが本気で「ワイヤレスでも妥協しない音」を追求したのがこのモデル。
特徴的なのは、一般的なBluetoothイヤホンにはあまり搭載されない「R2R DAC」と呼ばれる独自の音響回路を内蔵していること。これにより、Bluetooth伝送後の音データをより精密に処理し、有線イヤホンに迫る解像度と透明感を実現しています。
価格はおよそ3万円台。安価なTWSが多い中で、このモデルは明確に“音質志向のプレミアム帯”に位置しています。
デザインと装着感:高級感のある筐体と安定したフィット感
Svanar Wirelessの見た目は、マットな質感の金属ボディで高級感があります。
ケースも滑らかでコンパクト。イヤホン本体はやや大きめですが、カナル型デザインなので耳にしっかりフィットします。
装着感に関しては「長時間でも疲れにくい」というレビューが多く、耳に圧迫感が少ないのが特徴。イヤーピースのサイズをしっかり合わせれば、通勤中や作業中でもズレにくく、遮音性も高い印象です。
音質レビュー:ワイヤレスとは思えないほどの立体感
Svanar Wireless最大の魅力は、やはりその音質です。
HiFiMANの独自技術「Topology Diaphragm(トポロジーダイヤフラム)」と「Himalaya R2R DAC」を組み合わせた設計によって、音の密度・立体感・解像度が一気に向上しています。
聴き始めてすぐに感じるのは、低音の深みと中音域の透明感。
ベースラインやドラムのアタック感が自然で、決して強調しすぎない。音の重心がしっかりしているので、ジャズやロック、クラシックのような生楽器中心の楽曲にも相性が良いです。
中音域ではボーカルがクリアに浮かび上がります。特に女性ボーカルの繊細な息づかいまで再現される印象で、「Bluetoothイヤホンの音」とは思えないほどの表現力を感じます。
高音域は伸びやかで、シンバルやピアノの音が刺さらず滑らか。
シャープさよりも「自然な広がり」を重視したチューニングで、長時間聴いても耳が疲れにくいサウンドに仕上がっています。
LDAC対応で高音質再生、ただし接続環境には注意
Svanar Wirelessは、ソニー開発の高音質コーデック「LDAC」に対応しています。
これにより、通常のAACやSBCに比べて最大約3倍のデータ量を伝送できるため、ハイレゾ音源の再現力が高まります。
ただし、LDAC接続時は環境によって音切れが発生することがあります。
特に人の多い駅構内やオフィス街などでは、通信が不安定になるという報告も。
その場合はAACモードに切り替えると安定しますが、音質は若干落ちる印象です。
つまり、「家やカフェでじっくり音楽を聴くとき」はLDAC、「外出時や移動中」はAACと使い分けるのがベストです。
ノイズキャンセリングと外音取り込みの実力
Svanar Wirelessにはアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が搭載されています。
ただし、SONYやBOSEのような強力な遮音タイプではなく、あくまで“自然にノイズを減らす”レベルです。
電車の走行音やエアコンの低周波ノイズは軽減されますが、完全に無音にはなりません。
一方、外音取り込みモードも搭載されていますが、こちらも控えめな効き方。会話をスムーズにするというよりは、周囲の音を「うっすら聞ける程度」と考えたほうが良いでしょう。
総じて、ANCと外音モードは“おまけ機能”という印象です。
このイヤホンはあくまで音質重視の製品であり、機能性よりもサウンド体験を優先して設計されています。
操作性とアプリ環境
タッチセンサーでの操作に対応しており、再生・停止、スキップ、モード切り替えなどはイヤホン本体で完結します。
レスポンスも良好ですが、細かなカスタマイズは非対応。専用アプリはなく、イコライザー設定や音のチューニング変更はできません。
そのため、「自分で音をいじりたい人」にはやや物足りないかもしれません。
逆に、「メーカーが意図した音をそのまま聴きたい」派には理想的な仕様といえます。
バッテリーと充電
Svanar Wirelessの再生時間は、イヤホン単体で約6〜7時間。ケース込みで最大約28時間ほど使えるため、普段使いには十分です。
また、USB-C充電に加えてワイヤレス充電にも対応しており、Qi充電器に置くだけで簡単に充電できます。
毎日の通勤や仕事中に使っても、1〜2日程度は充電を気にせず使えるバッテリー性能。
特別長いとは言えませんが、音質重視のTWSとしては標準以上です。
実際の使用感:音楽が“空間ごと届く”感覚
Svanar Wirelessを実際に使って感じるのは、「音の空気感」が非常にリアルなこと。
ボーカルが前方に定位し、楽器が左右奥に広がる感覚があり、まるで小さなリスニングルームで音楽を聴いているようです。
Bluetoothイヤホンにありがちな「平面的な音」ではなく、しっかりと奥行きがある。
特にライブ音源やアコースティック楽曲では、この立体感が際立ちます。
一方で、音の輪郭が明瞭なので、圧縮音源や録音が粗い楽曲では“粗”が出やすいという声も。
これはそれだけ解像度が高い証拠でもありますが、ソースの品質を選ぶタイプのイヤホンとも言えます。
比較:Svanar Wireless LE / Jrとの違い
同シリーズには、Svanar Wireless LEとSvanar Wireless Jrという派生モデルがあります。
- LEモデル:LDAC非対応、やや軽量化された廉価版。音の傾向は似ているが、解像度は一段落ちる。
- Jrモデル:さらにシンプルな構成で、日常使い重視のモデル。価格が抑えられており、入門用に最適。
この中でSvanar Wirelessは、最もハイグレードな“本命モデル”です。
音の厚み、奥行き、定位感、どれを取っても上位クラスであり、HiFiMANの音作りをそのままワイヤレスで体験できる唯一の選択肢と言えます。
Svanar Wirelessは誰におすすめか?
このイヤホンをおすすめしたいのは、以下のような人です。
- ワイヤレスでも音質を最優先したい
- 有線イヤホンに近いサウンドを求めている
- LDAC対応機でハイレゾ音源を楽しみたい
- ANCや外音取り込みよりも「音の表現力」に価値を感じる
逆に、ノイズキャンセリング性能を最重視する人や、アプリで細かく音を調整したい人には向いていません。
Svanar Wirelessは“リスニング専用機”として、静かな環境でじっくり音楽を味わうタイプのイヤホンです。
Svanar Wirelessの機能や使用感をレビューで総まとめ
Svanar Wirelessは、HiFiMANの技術を惜しみなく投入したプレミアムな完全ワイヤレスイヤホン。
ワイヤレスでも音質に妥協したくない人にとって、これほど魅力的な選択肢は多くありません。
立体的なサウンドステージ、自然で伸びのある高音、厚みのある低音。
一度聴けば、“Bluetoothイヤホンの限界”という言葉が頭から消えるはずです。
多少の接続不安定さや機能面の制約はありますが、それを補って余りある音のリアリティがここにはあります。
音楽を「ながら聴き」ではなく「ちゃんと聴く」時間を作りたい。そんな人にこそ、Svanar Wirelessはぴったりの一台です。
