「クリニカコートジェル、最近見かけなくなったな」と感じた方、意外と多いのではないでしょうか。ドラッグストアをいくつか回っても棚から姿を消しており、ネットでは「もう販売終了？」「どこにも売ってない」との声も増えています。今回は、そんなクリニカコートジェルがなぜ販売終了になったのか、その背景や代わりに使える製品について詳しく見ていきます。
クリニカコートジェルとはどんな商品だったのか
まず、改めて「クリニカコートジェル」とはどんな製品だったのかを振り返りましょう。
この製品はライオン株式会社が販売していた口腔ケア製品で、いわゆる“ジェルタイプのハミガキ”でした。通常の歯磨き粉とは異なり、発泡剤を抑えた低泡タイプで、寝る前に使用することで「歯にフッ素を長く留めてむし歯を防ぐ」というコンセプトの製品です。
特徴的だったのは、1450ppmという高濃度フッ素配合。これは国内で認められている最大濃度クラスにあたり、「就寝前に塗布して寝るだけで歯をコーティングできる」と人気を集めていました。無研磨・低刺激で子どもから大人まで使える点も支持され、長く愛用していたユーザーも多かった製品です。
いつから販売終了になったのか
明確な公式発表は出ていませんが、消費者や愛用者の情報をたどると、2020年頃に製造中止となったとみられます。
個人ブログや口コミサイトでは「2020年3月に製造中止とメーカーから聞いた」という記述もあり、同時期にドラッグストアの棚から徐々に姿を消していきました。
現在では公式サイトのラインナップからも削除され、家電量販店や通販サイトでも「販売を終了しました」という表記が確認できます。
つまり、現在店頭で新品を入手するのはほぼ不可能であり、フリマアプリなどでプレミア価格で取引されている状況です。
クリニカコートジェルが販売終了した理由
メーカーからの正式なコメントは出ていないため、明確な理由は不明です。
ただし、複数の業界動向や関連情報を踏まえると、以下のような背景が関係していると考えられます。
1. 製品ラインナップの整理とブランド戦略の変更
ライオン株式会社の「クリニカアドバンテージ」ブランドは、現在「クリニカPRO」や「クリニカアドバンテージ」などの新シリーズへとリニューアルが進んでいます。
これに伴い、旧来の一部製品は段階的に生産終了となり、より統一されたブランドイメージ・設計へ移行したと考えられます。
特にクリニカコートジェルのような“就寝前専用タイプ”はややニッチな位置付けだったため、汎用的な製品群へ統合された可能性が高いです。
2. フッ素配合量や成分表示ルールの変化
クリニカコートジェルは「1450ppmフッ素配合」を特徴としていました。
しかし、国内では2020年前後にかけて薬機法・化粧品基準におけるフッ素濃度上限や表示方法が見直され、製品仕様や表示の更新が必要となりました。
そのため、旧規格のままでは販売継続が難しく、リニューアル対応を選ぶメーカーも多かった時期です。
結果として、製造終了→新シリーズへの移行という形を取った可能性があります。
3. 生産コストや流通構造の見直し
クリニカコートジェルはジェル状の特殊処方で、通常の歯磨き粉より製造コストが高いと考えられます。
また、寝る前専用という使用シーンの限定性から販売ボリュームも限られ、採算面で再検討が行われたとも推測されます。
同社はより広い層に訴求できる「電動ハブラシ対応」「低研磨・高フッ素」タイプへ注力していることから、生産ラインの最適化も背景にあるでしょう。
4. 消費者の使用スタイルの変化
最近では、日中・就寝前を問わず「高濃度フッ素配合の歯磨き粉」を日常的に使う人が増えています。
そのため、わざわざ“寝る前専用ジェル”を使うという需要が減り、一般的な高機能ハミガキへ需要がシフトしたとも考えられます。
市場全体が「簡便さ」「一体型」を求める方向に進んでいることも影響しているでしょう。
現在の代替品・後継製品はある？
クリニカコートジェルが終了した後、同ブランドでは複数の新製品が登場しています。
その中でも、機能的に近いとされるのが次の製品です。
● クリニカ フッ素メディカルコート
「すすぐだけでむし歯に負けない強い歯に」というコンセプトの医薬品（第3類）です。
液体タイプで、ジェルのように塗布する必要がなく、毎日のケアをより手軽に行えるのが特徴です。
有効成分フッ化ナトリウムが歯の表面に残りやすく、クリニカコートジェルの“歯を守る”という目的を引き継いでいます。
● クリニカアドバンテージ ジェルハミガキ（電動ハブラシ対応）
低発泡・無研磨のジェルタイプで、電動ハブラシにも適した仕様です。
こちらも1450ppmの高濃度フッ素を配合しており、口内をしっかりコートしてむし歯を予防します。
「寝る前のジェルケア」に近い感覚で使えるため、クリニカコートジェル愛用者の代替候補として人気です。
● 他社製ジェルタイプの選択肢
もし“ジェル状で塗る感覚”を重視するなら、ライオン株式会社以外にもジェルタイプのフッ素ケア製品があります。
例えば、チェックアップジェル（ライオン株式会社歯科専売品）、リカルデントジェルなどがそれに該当します。
これらは歯科医院推奨品として販売されており、使用感や目的が近い製品です。
ネットでは「まだ売ってる？」という声も
販売終了から数年が経過しているにもかかわらず、ネットショップやフリマアプリでは今も「新品・未開封」として出品されている場合があります。
ただし、こうした商品はメーカーの保証対象外であり、品質保持期限が過ぎている可能性もあります。
特に口腔内に直接使う製品であるため、古い在庫品の使用は避けたほうが安心です。
どうしても試したい場合は、信頼できる販売元を確認し、自己責任で判断する必要があります。
販売終了は残念。でも「リニューアル」と考えるのが自然
愛用していた人にとって、販売終了はショックですよね。
しかし、今回のクリニカコートジェルに関しては、単なる「打ち切り」ではなく、ブランドの進化とともに“形を変えて受け継がれた”ケースと言えるでしょう。
むしろ、成分面では今の製品のほうがより高濃度で安定した配合になっており、利便性も向上しています。
毎日の歯磨きにおいて重要なのは、「フッ素をしっかり残すこと」「継続的にケアすること」。
この点で見れば、現在のクリニカアドバンテージ ジェルハミガキや他社ジェルハミガキは十分に代替可能です。
クリニカコートジェル販売終了のまとめ
最後にポイントを整理します。
- クリニカコートジェルは2020年前後に製造中止。現在は販売終了状態。
- 公式発表はないが、ブランド整理・法改正・コスト・需要変化が主な要因と考えられる。
- 後継・代替としては「クリニカ フッ素メディカルコート」や「クリニカアドバンテージ ジェルハミガキ」が有力。
- ネット上では一部在庫が流通しているが、使用時は注意が必要。
- 今後もフッ素ケアを続けるなら、新しいジェルハミガキや液体タイプを活用するのがおすすめ。
クリニカコートジェルが販売終了の理由は？これからのケアを見直そう
販売終了は残念ですが、ライオン株式会社のクリニカアドバンテージシリーズ全体は今も進化を続けています。
より高濃度のフッ素、より使いやすいテクスチャ、より手軽なコーティングケアへと進化した今こそ、自分に合ったケア方法を見直すチャンスです。
「クリニカコートジェルが好きだった」という方は、その魅力を引き継ぐ新しい製品を試してみてはいかがでしょうか。
