「クールミントガムって、最近まったく見かけない…」
そんな声をよく聞くようになりました。長年愛されてきたロッテの定番ガム「クールミントガム」が、いつの間にか店頭から消えているのです。ネット上でも「販売終了？」「廃盤？」「もう買えないの？」と話題になっています。
本当に販売終了してしまったのか、それとも流通の問題なのか。今回はその背景を詳しく調べてみました。
クールミントガムとは？長く愛されたロッテの定番商品
クールミントガムは、ロッテが1960年に発売したロングセラーの板ガムです。緑のパッケージでおなじみの「グリーンガム」と並び、昭和・平成・令和と世代を超えて販売され続けてきた定番アイテムでした。
ミントの爽快感をしっかり味わえることから、仕事中や運転時、勉強中などに愛用する人が多く、「これが一番落ち着く」という根強いファンも少なくありません。
2021年には、発売から60年以上を記念してリニューアルも実施されています。
「ひんやりミント製法」を取り入れた新処方で、より清涼感が強まり、パッケージも洗練されたデザインに変更されました。このように、決して古臭い存在ではなく、時代に合わせて進化を続けてきた商品だったのです。
店頭で見かけないのはなぜ？「販売終了」と言われる理由
公式サイトには今でも「クールミントガム」の商品ページが存在し、「販売地区：全国」と記載されています。つまり、メーカーが正式に「販売終了」と発表したわけではありません。
それでも「売っていない」「見つからない」と感じる人が多いのは、次のような背景があるためです。
板ガム市場の縮小
まず大きな要因は、ガム市場全体の変化です。かつて主流だった「板ガム」は、近年「粒ガム」や「タブレットタイプ」に押され、需要が大きく落ち込みました。
手軽に噛めて捨てやすい粒タイプ、さらには“噛まない清涼菓子”であるミントタブレットが台頭したことで、板ガムを選ぶ人が減少しているのです。
この市場動向はメーカーの戦略にも影響します。売上が減るジャンルの商品を多く製造・流通させるのは難しく、自然と生産量が抑えられ、店頭で見かけにくくなります。
コンビニやスーパーでの取り扱い減少
もう一つの理由は、販売店側の「棚割り（商品陳列）」の変化です。
限られた棚スペースの中で、売れ行きの良い商品が優先的に並ぶのは当然のこと。板ガムは回転率が低いため、販売スペースを確保しにくくなり、結果的に「見かけない」と感じる店舗が増えています。
特にコンビニでは、健康志向のガムやタブレット系がメインを占めており、クラシックな板ガムは姿を消しつつあります。
ネット通販では在庫限りの状態も
オンラインストアでは、クールミントガムが「在庫限り」「欠品中」「終売の可能性あり」といった表記で販売されているケースが多く見られます。
このため、消費者が「もう作っていないのでは？」と誤解してしまうことも。
実際は生産終了ではなくても、流通在庫が少なくなることで、販売終了のように見えてしまうのです。
ガム市場の変化が背景にあった
ガムの売上はここ10年で大きく落ち込み、ピーク時の半分以下とも言われています。
背景には、ライフスタイルの変化があります。マスク生活の長期化で口を覆う時間が増え、噛む習慣自体が減ったほか、若年層の“ながら消費”の中心がスナック菓子やドリンクに移ったことも影響しています。
また、ガムは「包み紙を捨てる手間」「噛み続ける面倒さ」などの理由で敬遠されがちです。
その結果、タブレット菓子やフリスク系製品が人気を集め、板ガムの立場はさらに厳しくなりました。
こうした市場構造の変化が、「クールミントガム」や「グリーンガム」などのロングセラー商品にも影を落としたのです。
ロッテの公式見解と現在の販売状況
ロッテの公式サイトには現在もクールミントガムのページが残っており、製品情報・原材料・栄養成分などが公開されています。
「販売終了しました」という明示的な記載はなく、製造ラインが完全に止まったわけではなさそうです。
ただし、実際に流通量が少ないことから、店舗によっては入荷が止まっているケースも多いようです。
一方で、「mognavi」などの製品レビューサイトでは「製造終了しています（リニューアルの可能性あり）」という記載も確認されており、過去と現在の製品が混同されている点もあります。
2021年のリニューアル後に仕様変更が行われたため、旧パッケージ版が“生産終了”として扱われているケースも多いと考えられます。
実質的に「販売終了に近い状態」
整理すると、クールミントガムは「公式には販売中」ですが、現実的には“実質終売”に近い状況です。
製造が完全に止まったわけではないものの、出荷量が少なく、店舗によっては仕入れルートがないため、全国的に見ても流通量が極めて少ないのが現状です。
これは、メーカーが“採算ライン”を考慮して生産を最適化している可能性が高く、需要の減少に合わせて限定的に出荷している段階にあると言えるでしょう。
復活の可能性はある？
「もう一度あの味を噛みたい」という声は根強くあります。
SNSや掲示板では「また売ってほしい」「復刻してほしい」という投稿も目立ち、ファンの熱量は今も健在です。
ロッテにとっても、クールミントガムはブランドの象徴の一つ。
同社が「グリーンガム」「ブラックブラックガム」などのシリーズを定期的にリニューアルしていることを考えると、将来的に限定復刻やリニューアル再販の可能性は十分にあります。
また、昨今の“レトロブーム”も追い風です。
昭和のロングセラー菓子が次々と復刻・再発売されており、板ガムという「懐かしい形」を求める声が増えています。
この流れの中で、クールミントガムが再び脚光を浴びることも考えられます。
代わりに楽しめる製品は？
もしクールミントガムが手に入らない場合、似た清涼感を味わえる商品もあります。
たとえば、同じロッテの「グリーンガム」や「ブラックブラックガム」は今でも入手可能です。
また、より手軽に楽しみたい場合は、ミントタブレットやキシリトールガムなども代替選択肢になります。
特に「スッとする爽快感」を求めるなら、ミント系粒ガムを選ぶのが良いでしょう。
クールミントガム販売終了の真相と今後の行方
改めてまとめると、「クールミントガムが販売終了した」と言われる背景には、
- 板ガム市場の縮小
- コンビニやスーパーでの取扱減少
- 流通在庫の減少
など、複数の要因が重なっていることが分かります。
メーカーが公式に「販売終了」と発表したわけではありませんが、実質的には市場から姿を消しつつあります。
ただしブランドとしての価値は依然として高く、レトロ菓子ブームの流れやファンの支持があれば、再販や限定復刻の可能性も十分に残されています。
長年のファンにとって、あのスッとした清涼感は忘れがたいもの。
もしかしたら、またいつか「クールミントガム」が再び棚に戻る日が来るかもしれません。
