コンビニやスーパーで見かけなくなった「ザクリッチ」。あのザクザク食感が好きだったという人も多いはずです。発売当初は話題になったのに、いつの間にか姿を消してしまいましたよね。今回は、そんな「ザクリッチ」がなぜ販売終了になったのか、その背景と再販の可能性を徹底的に掘り下げていきます。
ザクリッチとはどんなアイスだったのか
「ザクリッチ」は、ロッテが2010年に発売したコーンタイプのアイスクリームです。最大の特徴は名前のとおり“ザクザク”とした食感。アイス部分とコーンの間にパフ入りのチョコレート層を設けることで、ほかにはない食べ応えを実現していました。
発売当初はテレビCMやタレントの起用など、プロモーションにもかなり力を入れていました。南明奈さんが出演したCMや、グラビアアイドルによる「ザクリッチガールズ」の企画なども話題に。SNSでも「食感が新しい！」「クセになる」と評判を呼び、一時的に販売が追いつかず休止になるほどの人気を誇っていました。
それだけに、今となってはなぜ店頭から消えてしまったのか、気になるところですよね。
販売終了の時期と公式の発表
「ザクリッチ」の販売終了時期について、ロッテから明確なプレスリリースは出ていません。ただし、消費者からの問い合わせに対して「2018年に製造を終了しました」と回答されたという情報が複数のサイトで報告されています。つまり、2018年頃を境に実質的に販売が終わったと考えられます。
公式の明言がない分、ファンの間では「いつの間にか消えていた」「最近見かけないと思ったら終売していた」といった声が多く上がりました。SNSでは、「もう一度食べたい」「復活してほしい」というコメントも今なお見かけます。
販売終了の理由として考えられる要因
メーカー側から具体的な理由は公表されていませんが、いくつかの要因が重なった結果だと考えられます。ここでは、考察されている代表的な理由を見ていきましょう。
1. 売上の低下
発売当初は爆発的な人気を誇った「ザクリッチ」ですが、年月が経つにつれて売上が落ち着いていったとみられます。アイス市場は新商品が頻繁に登場する激戦区。定番化できなければ、入れ替えのサイクルも早いのが実情です。
また、ロッテには「雪見だいふく」「爽」など、長年愛され続けている主力ブランドがあります。限られた生産リソースの中で、それらと比べて売上や回転率が低い商品は整理対象になりやすいのです。
2. 競合商品の台頭
同じくコーンタイプのアイスでは、森永の「チョコモナカジャンボ」やグリコの「ジャイアントコーン」など、定番人気が根強く、常に上位を占めています。これらがリニューアルを重ねて品質・味・価格のバランスを進化させていく中で、「ザクリッチ」の存在感が徐々に薄れていったと考えられます。
「ザクザク食感」という強みも、他ブランドが似た食感のアイスを次々投入したことで、差別化が難しくなっていきました。
3. 消費者の嗜好変化
2010年代後半からアイス市場では“プレミアム化”や“素材志向”が進み、シンプルなチョコ系アイスよりも「濃厚ミルク」「ご褒美アイス」「低糖質」など、付加価値を重視する流れが強まりました。
「ザクリッチ」は味よりも“食感”のユニークさに重点を置いた商品だったため、健康志向や素材重視のトレンドからは少し外れてしまったといえます。
4. 製造コストと工程の複雑さ
「ザクリッチ」のザクザク感を生み出すためには、コーンの内側にパフ入りチョコ層を重ねるなど、一般的なアイスよりも工程が多かったとされています。構造が複雑な分、製造コストも高く、売上とのバランスを取るのが難しくなった可能性があります。
5. 話題性の低下
発売初期のインパクトが大きかった「ザクリッチ」ですが、時間が経つと話題性が薄れていき、リニューアルやキャンペーンなどの更新も少なくなっていきました。アイス業界では「常に新しさ」を打ち出すことが重要で、話題性を保てなければ棚落ちしてしまうことも珍しくありません。
ザクリッチの人気が衰えてもファンは多い
販売終了から数年経った今でも、「ザクリッチ」を懐かしむ声は少なくありません。SNSでは「またあの食感を味わいたい」「似たようなアイスが見つからない」といったコメントが定期的に投稿されています。
実際、あるアンケートでは「復活してほしいアイスランキング」で上位にランクインするなど、記憶に残る商品であることが分かります。シンプルながらも特徴的な食感と、チョコとバニラのバランスが絶妙だったことが、多くの人の記憶に残っている理由でしょう。
再販の可能性はあるのか？
現在のところ、ロッテから「ザクリッチ再販」の正式な発表はありません。ただ、過去には「雪見だいふくの特別版」や「ガーナチョコアイスバー」など、過去商品の復刻やリニューアル販売が行われたこともあります。
そのため、全く可能性がないとは言い切れません。特に、SNSで話題が再燃したり、復刻キャンペーンが盛り上がったりすれば、数量限定で復活するケースもあり得ます。
もし再販が実現するとしたら、以下のような形が考えられます。
- コンビニ限定の復刻販売
- リニューアル版として“新ザクリッチ”登場
- SNSキャンペーンによる数量限定復活
- コラボ商品として一時的に再登場
これまでにロッテが復刻商品を投入した事例もあるため、ファンの声が高まれば動きが出る可能性は十分あります。
ザクリッチを思い出す似たアイスは？
「もう手に入らないの？」と感じた人の中には、代わりになるアイスを探している人もいるでしょう。完全に同じではないものの、食感や味の方向性が似ているアイスとしては以下が挙げられます。
- グリコ「ジャイアントコーン」：チョコとコーンのバランスが近い
- 森永「チョコモナカジャンボ」：チョコのパリパリ感を楽しめる
- ロッテ「爽（バニラ＆チョコ）」：軽い食感とチョコの相性が◎
どれも長年愛されている定番アイスですが、ザクリッチ特有の“ザクザク＋パリパリ”感を完全に再現できるものは少なく、やはり唯一無二の存在だったことがうかがえます。
ザクリッチ販売終了の背景を振り返って
ザクリッチの販売終了には、明確な発表こそないものの、売上低下、競合激化、製造コスト、消費者の嗜好変化といった複数の要因が絡んでいたと考えられます。特にアイス市場では、新商品が次々に登場する中で常に注目を集め続けるのは難しく、人気が一巡したタイミングで整理されてしまうことも少なくありません。
それでも、「あの食感が忘れられない」「もう一度食べたい」という声がいまだに絶えないのは、ザクリッチが単なる一過性のヒット商品ではなかった証拠でしょう。
ザクリッチが再び食べられる日は来る？
現時点では再販情報は出ていませんが、食品業界では「過去の名作アイス復刻」という流れも見られます。消費者の声が大きくなれば、限定的な形で復活することも十分に考えられます。
いつの日か「ザクリッチ復活！」というニュースが聞けることを願いながら、今はその“ザクザクの記憶”を大切にしておきましょう。
