最近、「セバメドが販売終了したらしい」「もう店頭で見かけない」といった声をよく聞きます。長年愛用してきた人にとっては、突然の“姿を消した感”に驚いた方も多いはず。でも実際のところ、セバメドは本当に販売終了してしまったのでしょうか？ 今回は、その真相をわかりやすく整理してお伝えします。
セバメドとは？敏感肌に寄り添うドイツ生まれのブランド
セバメド（sebamed）は、ドイツの皮膚科学研究に基づいたスキンケアブランドです。
最大の特徴は「pH5.5の弱酸性処方」。健康な肌のバリア機能を守りながら、洗いすぎによる乾燥や刺激を防ぐというコンセプトで、多くの敏感肌・乾燥肌ユーザーから支持を集めてきました。
ラインナップは洗顔料、ボディウォッシュ、石けん、シャンプー、ベビーシリーズなど多岐にわたり、特に「ベビーセバメド」は出産祝いの定番にもなっていました。
そんな信頼のブランドが、ここ数年で急に見かけなくなった――。いったい何が起こったのでしょうか。
「販売終了した」と言われ始めたのはいつから？
セバメドが“販売終了”と噂されるようになったのは、2022年ごろからです。
SNSでは「薬局で見つからない」「詰め替え用がどこにも売ってない」といった投稿が増え、ネット上には「ロート製薬が取り扱いをやめたらしい」という情報も出回りました。
実際、かつて日本での輸入・販売を担っていたロート製薬は、2022年3月末でセバメドの取り扱いを終了しています。これが最初の転機でした。
ロートが撤退したことで一時的に流通が途絶え、店頭在庫が減少。これをきっかけに「もう終わったのでは？」という声が一気に広がったのです。
実際には“販売終了”ではなく“販売元の変更”
ここで大事なのは、「セバメドというブランド自体が終了したわけではない」という点です。
ロート製薬が契約を終えた後、2023年以降は新たに「株式会社グラフィコ」が正規輸入販売元としてセバメドの国内販売を引き継いでいます。
つまり、ブランドそのものは継続していますが、販売体制が大きく変わったわけです。
輸入ルートの切り替えや在庫整理の期間があったため、一時的に市場から姿を消したように見えた――それが真相に近いでしょう。
グラフィコ体制になってからは、通販を中心に徐々に流通が再開しています。ただし、旧パッケージの商品や一部のシリーズは取り扱いが終了しており、「あのアイテムがもう買えない」という声も残っています。
店頭から消えた理由は流通の再構築にあった
販売元の変更は単なる会社間の契約問題ではなく、流通全体を見直す大きな転換でもありました。
海外ブランドを国内で扱う場合、輸入コスト・倉庫管理・薬機法対応・宣伝費などがかかります。ロート製薬が自社ブランド強化を進める中で、輸入スキンケアの採算が合わなくなったと考えられています。
その後を引き継いだグラフィコも、まずはオンライン販売を軸に展開しており、ドラッグストアなどの店頭で目にする機会が減ったのは自然な流れです。
要するに「販売終了」ではなく、「販売形態のシフト」。
実店舗からオンライン中心に変わっただけなのですが、一般消費者には“消えた”ように見えてしまったというわけです。
一部製品は本当に終了している
全てのアイテムが再販されているわけではありません。
旧ロート製薬時代に扱われていたセバメドの中には、現在取り扱われていないものもあります。たとえば特定のシャンプーラインや旧パッケージのフェイスウォッシュなどは「生産終了」「在庫限り」として終売しています。
また、輸入再開後もすべてのラインが即座に揃ったわけではなく、人気のセバメド ボディウォッシュ・ベビーシリーズから段階的に展開されています。
したがって、「あの製品が売ってない＝ブランド全体の終了」と勘違いされやすい状況が生まれているのです。
「輸入停止」のうわさと真相
「輸入停止になった」と言われる背景には、もう一つの事実があります。
2022年から2023年にかけて、世界的に物流コストが高騰し、輸入ブランドの一部で一時的な遅延や価格上昇が起きていました。セバメドも例外ではなく、コンテナ不足や為替の影響で輸入量が減った時期があったようです。
さらに、ロート製薬が契約終了した直後は“輸入する販売元”が一時的に存在しなかったため、日本国内では「入ってこない＝輸入停止」と見なされたのです。
しかし、これは“恒久的な停止”ではなく、“移行期間中の一時的な停止”だったことが後にわかっています。
現在のセバメドはどこで買える？
2025年現在、セバメドはAmazonや楽天市場などの通販サイトで購入できます。
ただし、販売元や出品者によっては旧製品・並行輸入品も混在しているため、購入時は「販売元が株式会社グラフィコ」であるかを確認するのが安心です。
店頭では、以前のように全国のドラッグストアで見かける機会は少なくなりましたが、一部のバラエティショップやベビー用品専門店では取り扱いが続いています。
また、セバメド ボディウォッシュやセバメド フェイス＆ボディバーといった定番品は通販でも安定供給されており、“完全終了”という状況ではありません。
消費者が混乱した3つの理由
セバメドが「販売終了」と誤解された背景には、いくつかの要因が重なっています。
- 販売元の変更を知らない人が多かった
ロート製薬が撤退したことを知らないまま、「どこにも売ってない＝終わった」と思う人が多かった。 - 店頭在庫の減少と取り扱い店舗の減少
再販までにタイムラグがあり、実際に探しても見つからない期間が続いた。 - SNSでの拡散
「販売終了」「廃盤」といった言葉がSNSで広まり、事実よりも“印象”が先行してしまった。
こうした誤認が積み重なり、「セバメドが消えた」というイメージが形成されたと考えられます。
今後の見通しと注意点
セバメドは現在もグラフィコを通じて国内販売が続いており、完全撤退の兆候はありません。
ただし、公式サイト「seba-med.jp」は2025年3月末で閉鎖されており、ブランド情報の発信はグラフィコ公式ページや通販サイトに移行しています。
そのため、最新情報を得るには販売ページや正規取扱店の案内をチェックするのが確実です。
また、並行輸入品や旧パッケージ品を高値で販売している業者もあるため、価格が極端に高い商品には注意が必要です。
肌に直接触れる製品ですから、正規ルートから安心して購入することをおすすめします。
まとめ：セバメドは“終了”ではなく“再編中”のブランド
ここまで見てきたように、「セバメド販売終了」の真相は「販売終了」ではなく、「販売元変更と流通再構築による一時的な空白」が原因でした。
ロート製薬の取扱終了により混乱が生じただけで、現在は新体制のもと販売が継続しています。
確かに以前より見つけにくくなったのは事実ですが、オンラインでは問題なく入手可能です。
長年愛されてきた弱酸性スキンケアブランドとして、セバメドはこれからも細く長く続いていくと考えられます。
肌にやさしいケアを求める人にとって、その存在はまだ終わっていません。
――セバメドが販売終了した理由は、ブランドの終焉ではなく、体制の変化による“姿を変えた継続”だったのです。
