日産の人気ミニバン「セレナ」。家族やアウトドアユーザーからの支持も厚く、日本を代表するファミリーカーのひとつです。そんなセレナに、いま大きな変化が訪れています。
「セレナのガソリン車が販売終了するらしい」という話題がSNSや販売店から広がり、注目を集めています。この記事では、セレナのガソリン車がなぜ終了の方向にあるのか、背景や今後のハイブリッド化の動きをわかりやすく解説していきます。
現行セレナのラインナップとガソリン車の位置づけ
現在販売されているのは、2022年11月に登場した6代目「セレナ C28」です。
このモデルでは、従来の「Sハイブリッド」が廃止され、パワートレーンが「ガソリン」と「セレナ e-POWER（シリーズハイブリッド）」の2種類に整理されました。
発売当初はガソリンモデルが先行し、翌年にセレナ e-POWER車が追加されるという形で展開。ガソリン車は「X」「V」「XV」などのグレードで販売されていましたが、近年になって徐々に販売・生産に制限がかかり始めています。
一部の販売店では、ガソリンモデルが「グレード・カラー限定で受注可能」「在庫限り」と案内されており、すでに生産終了の準備段階に入っているという情報も出ています。特に2025年8月生産分をもって終了予定というディーラーの告知も確認されています。
ガソリン車が販売終了に向かう理由とは？
では、なぜセレナのガソリン車が販売終了の方向へ向かっているのでしょうか。背景には複数の要因が重なっています。
まず大きな理由として挙げられるのが、「電動化の流れ」です。
世界的に脱炭素化が進む中、自動車メーカーは内燃エンジンの生産を段階的に縮小し、ハイブリッドや電気自動車へとシフトしています。日産もその一環として、独自のシリーズハイブリッド技術「セレナ e-POWER」を中心にラインナップを再構築しており、今後の主力を完全電動化に寄せる方針を明確にしています。
もう一つの要因は「需要の変化」。
実際、セレナ e-POWER仕様のセレナは販売開始直後から高い人気を集めており、「静かで力強い」「燃費が良い」という理由からユーザーがガソリン車から乗り換えるケースが増えています。
一方、ガソリン車は価格が安い反面、燃費性能や静粛性で見劣りし、選ばれる機会が減少しているのが現実です。
そして、コスト面の理由も無視できません。
ガソリン車とセレナ e-POWER車を同時に生産するにはラインの維持・部品調達などの負担が大きく、メーカーとしては効率化のために電動モデルへ一本化する方が合理的といえます。
いつまでガソリン車は買えるのか？最新の販売状況
「もうガソリン車は買えないの？」という疑問を持つ人も多いと思います。
結論から言えば、まだ完全に終了したわけではありません。しかし、新規受注はかなり限定的になっており、販売店によってはすでに「在庫車のみ対応」というところも出てきています。
ディーラー関係者の情報によると、2025年春〜夏ごろには生産終了が予定されており、それ以降は工場出荷自体が止まる見込みです。
つまり、希望するグレード・カラーがある人は、今が実質的な“ラストチャンス”となる可能性があります。
ただし、終了時期や対象グレードは販売店によって異なり、「X」「V」「4WD」など一部仕様のみが終了する段階的なパターンも考えられます。購入を検討している場合は、早めに販売店で在庫・納期を確認することをおすすめします。
ハイブリッド化が進むセレナ e-POWERの強み
ガソリン車の縮小に対し、セレナ e-POWERは今後の主力モデルとしてますます存在感を高めています。
セレナ e-POWERは、エンジンで発電しモーターで走行するシリーズハイブリッド方式で、いわば“電気で走るクルマ”の一種。従来のハイブリッドのようにエンジンとモーターが直接駆動を分担するのではなく、モーターが常に主役となるのが特徴です。
そのため、発進時のレスポンスや静粛性はEVに近く、街乗りでの滑らかさや加速性能も抜群。
加えて、燃費性能も大幅に改善されており、WLTCモードでおよそ18〜20km/L前後を記録しています。
この快適な走りと経済性のバランスが、従来のガソリン車からユーザーを引き寄せている理由のひとつです。
また、近年ではセレナ e-POWERに4WDモデルも登場し、雪道や坂道での安定性も強化されています。これにより、「ガソリン4WDの代替」が十分に可能な環境が整ってきたと言えるでしょう。
ガソリン車ユーザーが知っておきたいポイント
もしこれからセレナのガソリン車を購入するか迷っているなら、いくつか押さえておきたい点があります。
まず、納期と在庫の確認。
すでに生産台数が限られており、注文できるグレードやカラーが減っています。タイミングによっては受注停止になる場合もあるため、販売店での在庫確認は必須です。
次に、価格と値引き条件。
販売終了に伴う在庫処分やキャンペーンで、ガソリン車に値引きが入るケースも出ています。新車を少しでもお得に買いたい人にとってはチャンスでもあります。
さらに、長期的な維持コストも考慮しておきたいところ。
電動化の進展により、将来的にはガソリン車の部品供給や中古市場価値が変動する可能性があります。
一方で、構造がシンプルな分、整備費用やメンテナンスの容易さという点では依然として優位性があるとも言えます。
電動化への流れと今後の展望
セレナに限らず、日産はすでに「電動化100％に向けたロードマップ」を掲げています。
特に国内では、セレナ e-POWERとEVを合わせて電動車比率を急速に高めており、今後はほぼすべての主力車種でガソリン仕様が消えていく見通しです。
こうした中で、セレナのガソリン車終了はその象徴的な第一歩とも言えます。
将来的には、セレナ e-POWERが事実上の“標準モデル”となり、さらにその先には完全EVミニバンの投入も視野に入っていると見られています。
一方、ガソリン車が完全に姿を消すわけではなく、海外市場や特定用途ではしばらく並行して販売される可能性もあります。
しかし国内においては、「今後の新型セレナは電動モデルが主流」という流れはほぼ確定的です。
セレナガソリン車が販売終了へ？理由やハイブリッド化の動きを徹底解説まとめとこれからの選び方
ここまで見てきたように、セレナのガソリン車はすでに販売終了の準備段階にあり、近い将来ラインナップから姿を消す見込みです。
背景には、電動化政策・市場ニーズ・コスト構造など多くの要素が重なっています。
とはいえ、ガソリン車ならではの魅力もまだ健在です。
初期コストの安さや整備のしやすさ、走行フィーリングを好む人にとっては、最後のチャンスとも言えます。
一方で、セレナ e-POWERモデルは静かで力強く、燃費も優秀。今後の主流を担う安心感があります。
もしあなたが「セレナのガソリン車が欲しい」と思っているなら、在庫や生産状況を早めに確認し、納期を見越して検討するのがおすすめです。
そして、「これから長く乗るなら電動化の波に乗りたい」という人は、ぜひセレナ e-POWERを中心に比較してみてください。
セレナのガソリン車販売終了は、時代の変化を象徴するひとつの節目。
次のクルマ選びでは、「いま」と「これから」のバランスを見極めながら、自分にとって最適な一台を見つけていきましょう。
