「いつものラグノスNFゼリーが手に入らない」と困っている方は、最近増えています。便秘の改善に役立っていたあのゼリータイプの薬が、ここ数年で供給が不安定になっているのです。今回は、ラグノスNFゼリーがなぜ入手しづらくなっているのか、そして代替品としてどんな選択肢があるのかを分かりやすく解説していきます。
ラグノスNFゼリーとは？特徴と効果をおさらい
ラグノスNFゼリーは、有効成分に「ラクツロース」を含む浸透圧性下剤です。便秘の原因のひとつである「腸内の水分不足」にアプローチし、水分を腸管内に引き込むことで便を柔らかくし、自然な排便を促します。
特徴的なのはその“ゼリー形状”。甘さが控えめで飲みやすく、スティックタイプで携帯しやすいことから、病院処方の便秘薬の中でも使いやすさに定評があります。小児から高齢者まで幅広く使用され、特に「液体シロップが苦手」「味が強いと続かない」という人には重宝されてきました。
ラグノスNFゼリーが手に入りにくい理由
ここ数年、医療現場ではラグノスNFゼリーの供給制限が続いています。製造元によると、原料や製造ラインの調整などの影響で生産量が減少しており、2024年以降も限定出荷が続く見通しとされています。
こうした背景から、医師が新規処方を控えたり、薬局で在庫が切れてしまうケースも増加中です。長年愛用していた人にとっては「次に何を選べばいいのか分からない」という不安も大きいでしょう。
ラグノスNFゼリーの代替品として考えられる薬
ラグノスNFゼリーと同じ「浸透圧性下剤」に分類される薬や、同じ有効成分であるラクツロースを含む製剤が代替として挙げられます。
ここでは、医療機関でも実際に提案されている代表的な代替薬を紹介します。
ラクツロース・シロップ
ラグノスNFゼリーと同じラクツロースを主成分とするシロップタイプ。作用は同等ですが、味がやや甘く、液体なので量の調整がしやすい反面、携帯性には劣ります。味が気にならない人や在宅で使う人には適した選択肢です。
モビコール（ポリエチレングリコール製剤）
ポリエチレングリコールという成分を使った浸透圧性下剤。腸内の水分を保持して便をやわらかくします。欧米では便秘治療の第一選択薬として広く使われており、腎臓や心臓に負担をかけにくい点が評価されています。
酸化マグネシウム製剤（例：マグミットなど）
昔から使われている定番の便秘薬。腸内に水分を引き込み便を柔らかくします。比較的安価で長く使われてきた薬ですが、腎機能が低下している人ではマグネシウムが体内に蓄積しやすいため注意が必要です。
これらはすべて医師の処方薬です。同じ「便をやわらかくする」タイプでも、体質や健康状態によって向き不向きがあります。自己判断で切り替える前に、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
市販で手に入る便秘改善ゼリーや整腸サプリも選択肢に
ラグノスNFゼリーが処方薬であるのに対し、市販では「便通をサポートするゼリー」「腸内環境を整えるサプリメント」なども販売されています。これらは医薬品ではなく、食品や機能性表示食品に分類されるものが多く、薬より穏やかに働きかけるタイプです。
たとえば、乳酸菌や食物繊維を配合したゼリー状の整腸サプリ、難消化性デキストリンを含むドリンクタイプなどがあります。即効性よりも「毎日続けて腸内環境を整える」目的で使うのが一般的です。
ただし、これらはあくまで健康補助的な立ち位置。便秘が長期間続く場合や、明らかな体調変化を感じるときは、自己判断せずに医師に相談することが大切です。
ラグノスNFゼリーの代替品を選ぶときのポイント
代替薬やサプリを選ぶときは、次のポイントを意識すると失敗が少なくなります。
- 作用のタイプを確認する
腸の動きを刺激する「刺激性下剤」ではなく、水分を増やす「浸透圧性下剤」や「整腸タイプ」を選ぶのが自然な代替になります。 - 体質や持病に合うか
腎臓や心臓の病気がある場合は、マグネシウム製剤は避けたほうが安全です。医師に検査結果を見せながら相談しましょう。 - 飲みやすさ・続けやすさ
ラグノスNFゼリーは飲みやすさが魅力だったため、代替を探す場合もゼリーやシロップなど「味・形状」の好みに合うものを優先しましょう。 - 供給の安定性
同じラクツロース製剤でも、一部のメーカー製品は一時的に出荷制限がかかる場合があります。薬局で在庫や供給状況を確認しておくと安心です。
便秘改善には生活習慣の見直しも欠かせない
どんな薬やゼリーを選んでも、日常生活の習慣を整えなければ根本的な改善は難しいものです。腸を自然に動かすためには、次のようなポイントを意識してみましょう。
- 朝起きてコップ1杯の水を飲む
- 食物繊維を多く含む食事（野菜・豆類・果物・海藻など）を意識する
- 適度な運動やストレッチで腸の動きをサポート
- 睡眠をしっかりとり、生活リズムを整える
特にラクツロース系の薬を使う場合、腸内環境を整えることが薬の効果を高める鍵になります。薬と生活習慣を組み合わせることで、より自然で快適な排便リズムが戻りやすくなります。
医師や薬剤師と相談しながら自分に合う方法を見つけよう
便秘の症状や原因は人それぞれです。単に「薬が効かない」「甘くて続かない」という理由で自己判断するのは避けたいところ。ラグノスNFゼリーを使っていた人も、代替薬の選択は必ず医療従事者と相談しながら行うのが安心です。
特に、高齢者・妊婦・子ども・持病を持つ方は、薬の種類や用量に細かな配慮が必要です。定期的に便の状態を観察し、下痢やお腹の張りが出たときは早めに受診しましょう。
ラグノスNFゼリーの代替品選びは「安全性と続けやすさ」がカギ
ラグノスNFゼリーは多くの人にとって「飲みやすくて安心できる便秘薬」でした。その供給が限られている今、同じ効果を求めるなら、ラクツロース・シロップやモビコール、マグミットなどが現実的な代替候補になります。
ただし、薬は体質や生活スタイルによって合う・合わないがあります。便秘改善を目的にするなら、薬の選び方だけでなく、日々の食事や腸のリズムを整える工夫も欠かせません。
ラグノスNFゼリーがなくても、あなたに合った代替品と生活習慣の見直しで、無理のない便秘ケアを続けていくことは十分可能です。焦らず、自分の体に合った方法を見つけていきましょう。
