最近、「無印良品の空気でできたソファが販売終了したらしい」という声をSNSや口コミでよく見かけます。発売から間もないのに販売停止となった理由は何だったのか。そして、今後もう手に入らないのか——。この記事では、空気でできたソファの特徴や販売終了の背景、再販や代替商品の可能性までを詳しく整理していきます。
無印良品の「空気でできたソファ」とは?
「空気でできたソファ」は、2023年末に無印良品から発売された話題の家具です。名前の通り、内部に空気を入れて膨らませるタイプのソファで、使わないときは空気を抜いてコンパクトに収納できるという画期的なアイデアが特徴でした。
発売当初は、「省スペースで軽く、組み立ても簡単」「一人暮らしにぴったり」と注目を集め、SNSでも大きな話題になりました。価格は税込9,990円。無印らしいシンプルなデザインと、約5kgの軽さが人気の理由です。
しかし、このソファは通常の家具と異なり、内部が空気で支えられているため、座り心地や安定性に独特のクセがありました。好みが分かれる商品でもあり、「座り心地がふわふわで気持ちいい」という声がある一方で、「長く座ると疲れる」「少しの傷でも空気が抜ける」といった意見も見られました。
発売からわずか1年で販売終了?その経緯を追う
無印良品の公式オンラインストアでは、2025年現在「空気でできたソファ」は“在庫なし”または“販売終了”と表示されています。全国の一部店舗では在庫が残っている可能性がありますが、ネット購入はできない状況です。
発売は2023年12月末。全国展開されたのは2024年1月中旬でした。つまり、販売期間は実質的に1年ほど。一般的な家具としては異例の短期間で姿を消したことになります。
無印良品から正式な「廃盤」や「製造終了」の発表は出ていませんが、実質的には生産と販売が停止された状態です。ネット上でも「店舗で見つけたけどもう在庫限り」「問い合わせたら再入荷予定はないと言われた」という報告が相次いでおり、事実上の販売終了と考えてよいでしょう。
販売終了の理由は?ユーザーから見えた問題点
空気漏れ・パンクなど構造上の弱点
最も多く聞かれるのが「空気が抜けやすい」「穴が空いた」「すぐ座面がへたった」という不具合報告です。
空気でできたソファは、複数のエアタンクを組み合わせた構造で支えています。この構造上、継ぎ目やバルブ部分が弱点になりやすく、日常使用で圧力がかかると小さな穴や裂け目が生じることがありました。
実際、SNSには「半年で空気漏れ」「1年持たなかった」「修理してもまた漏れた」という口コミが多数投稿されています。こうした不具合が相次いだ結果、返品や交換対応が増えたことが、販売終了につながったと見られています。
組み立て・メンテナンスの手間
ソファの内部に空気を入れる工程は意外と大変で、複数のパーツに順番に空気を入れ、カバーのファスナーを閉めて形を整える必要があります。慣れるまでは20〜30分かかるという声もありました。
さらに、使用しているうちに空気が抜けるため、定期的な空気の補充が必要。日常的なメンテナンスが手間に感じる人も少なくありませんでした。
想定よりも短い寿命とコスパの問題
価格は約1万円とリーズナブルでしたが、1年も経たないうちに使えなくなったという声が多く、「コスパが悪い」「使い捨てのようだった」と感じたユーザーもいました。
無印良品といえば“長く使える良質な日用品”というブランドイメージがあります。その中で、短期間で使えなくなる商品が存在することは、ブランド価値を損なうリスクがあり、早期の販売終了判断につながったと考えられます。
無印良品側の対応とリコールの有無
公式サイトや報道を確認すると、「空気でできたソファ」に関するリコールや大規模な回収は行われていません。
ただし、初期不良や明らかな破損については、購入店舗やカスタマーサポートを通じて個別対応が行われていたようです。実際に、エアタンク部分を無償で交換してもらったという利用者の報告もあります。
ただし、無印良品の家具は長期保証制度がなく、初期不良以外は有償修理または買い替え対応となるため、空気漏れのような“使用中の不具合”までは保証対象外になるケースが多かったようです。
現在の入手方法と再販の可能性
2025年現在、無印良品の公式オンラインストアでは販売ページが残っているものの、購入ボタンはグレーアウトされています。「完売」「在庫なし」と表示されており、再入荷予定も明記されていません。
店舗によってはわずかな在庫が残っている場合がありますが、取り置きや電話予約は不可。店頭で偶然見つけられたら非常にラッキーといえる状況です。
また、メルカリやヤフオクなどのフリマサイトでは中古品が出品されています。ただし、使用済みのものは空気漏れのリスクが高く、購入前に状態を確認する必要があります。特に内部のエアタンクは消耗しやすいため、未開封品以外は慎重に選ぶべきです。
再販に関しては、現時点で無印良品から公式なアナウンスはありません。口コミや家具業界の動向から見ても、構造的な課題が解決しない限り、同じモデルでの再販は難しいと考えられます。
代替として検討できるソファは?
「空気でできたソファ」は確かに画期的でしたが、実用面では改良の余地が多くありました。
同じように軽くて移動しやすいソファを探すなら、以下のような選択肢が現実的です。
- ビーズソファ(体にフィットするタイプ)
クッション性が高く、空気ソファの“包まれるような座り心地”に近い感覚を得られます。空気漏れの心配もなく、メンテナンスが簡単。 - 折りたたみソファベッド
軽量でコンパクトに収納でき、ワンルームでも使いやすい。空気ソファと同様に“スペース効率の良さ”を重視する人におすすめです。 - 軽量ファブリックソファ
木枠を省いた簡易構造で、女性でも簡単に持ち運べるモデルが多く、耐久性も安定しています。
これらの代替品は、「軽い・省スペース・洗える」といった無印ソファの利点を保ちながら、空気構造による不安定さを避けることができます。
空気でできたソファが残したもの
このソファは、無印良品が“省資源・環境配慮・新しい暮らし方”を提案する中で生まれた挑戦的な商品でした。
空気を使うことで素材を減らし、輸送コストも抑えるという発想は、サステナブルな時代に合った新しい試みだったといえます。
しかし、家具としての日常使用には耐えきれなかった点があり、結果的に短命に終わってしまいました。とはいえ、この試み自体は「暮らしの軽量化」「持たない生活」を象徴する実験だったとも言えるでしょう。
空気でできたソファが販売終了?まとめと今後の入手方法
無印良品の空気でできたソファは、発売から約1年で販売が終了しました。理由としては、構造上の不具合(空気漏れ・耐久性の問題)やユーザー満足度の低下、ブランドとしての品質基準の維持が挙げられます。
現在は店舗在庫や中古品でしか入手できず、再販の予定も発表されていません。もし興味がある場合は、実店舗での在庫確認か、状態の良い中古品を慎重に選ぶのが現実的です。
短期間で市場から消えた「空気でできたソファ」は、アイデア商品としてはユニークでしたが、耐久性という壁を越えられなかった“幻の家具”として記憶される存在になりました。今後、改良版や新しい発想の軽量家具が登場することを期待したいところです。
