最近、「黒缶がどこにも売ってない」「販売終了したの?」という声をよく耳にします。長年猫のごはんとして愛されてきた黒缶シリーズに何が起きたのか。この記事では、黒缶の販売終了の真相や、再販・代替商品の最新情報を詳しく解説します。
黒缶とは?長年親しまれてきた定番キャットフード
黒缶は、アイシア株式会社が製造・販売する猫用ウェットフードシリーズです。
主原料はかつおやまぐろなどの赤身魚で、猫が好む風味を活かしながら、タウリン・DHA・EPAなどの栄養素もバランスよく配合されています。長年「猫の定番ごはん」としてスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどでも幅広く販売されてきました。
ラインナップは多岐にわたり、一般的な160g缶をはじめ、食べきりサイズの「黒缶ミニ」、より高級志向の「黒缶プレミアム」、さらに便利な「黒缶パウチ」なども展開されていました。
その豊富さが人気の理由のひとつでもあり、「黒缶しか食べない」という猫も少なくありません。
黒缶が「販売終了」と言われる理由
一部商品の終売が公式発表された
黒缶が「販売終了」と言われる最大の理由は、アイシアが2023年に一部ラインナップの終売を発表したことです。
具体的には、以下のシリーズが2023年3月末で製造・販売を終了しました。
つまり、「黒缶」というブランドそのものがなくなったわけではなく、ミニ缶・プレミアム・一部パウチのみが販売終了となったのです。
この一部終売によって店頭で見かける頻度が大きく減り、「黒缶=販売終了」という誤解が広まってしまいました。
コスト高騰とラインナップ整理の影響
近年、ペットフード業界では魚や肉の価格上昇、輸送費や資材費の高騰が続いています。黒缶は魚ベースのフードであるため、原料価格の影響を強く受けやすい商品です。
とくに小容量タイプの「黒缶ミニ」や「黒缶パウチ」は製造コストが割高になりやすく、採算が取りにくかったと考えられます。
そのため、コストと販売効率のバランスを取るためにラインナップを整理した可能性が高いです。
また、物流や在庫管理の効率化を目的に、売上規模の小さい商品を削減する流れも業界全体で進んでおり、黒缶シリーズも例外ではありません。
市場の嗜好変化も背景に
もう一つの要因として、ペットフード市場の変化もあります。
ここ数年、「グレインフリー(穀物不使用)」「高たんぱく」「機能性重視」など、健康志向のキャットフードが増えています。
特に若い世代の飼い主は、栄養バランスや安全性を重視する傾向が強く、昔ながらの魚缶タイプは“選択肢の一つ”に変化しつつあります。
このトレンドの変化により、黒缶の一部ラインは販売数が減り、結果的に終売につながったと見られています。
「黒缶がどこにも売ってない」のは本当?
黒缶シリーズはすべて販売終了したわけではありません。
実際、現在でも通常サイズの「黒缶」シリーズは継続販売中です。
ただし、次のような理由で「売ってない」と感じやすくなっています。
- 終売ラインナップ(黒缶ミニ・黒缶パウチなど)の在庫がなくなった
- 店舗によって取扱商品が異なり、黒缶を置かなくなった
- 通販では在庫が不安定で、品切れや価格変動が発生している
- 買い占め・まとめ買いによる一時的な在庫不足
つまり、「黒缶が完全に消えた」わけではなく、入手しづらくなっただけなのです。
現在も購入できる黒缶シリーズ
2025年現在でも、以下の黒缶は流通しています。
- 黒缶 3Pシリーズ(160g×3缶パック)
- 黒缶 成猫用 かつお・まぐろなどの定番缶
- 黒缶 シニア猫用シリーズ
これらは主にオンラインショップ(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)や一部の大型ペットショップで購入可能です。
ただし、以前より価格が上昇している場合があり、通販では出品者によって値段に差があるため注意が必要です。
再販やリニューアルの可能性は?
現時点で、アイシアから「黒缶ミニ」「黒缶プレミアム」などの再販予定は発表されていません。
また、公式サイトやニュースリリースでも復活に関する情報は確認できませんでした。
ただし、黒缶ブランド自体が継続していることから、今後リニューアル版や新シリーズが登場する可能性は残されています。
実際、過去にもアイシアは「黒缶リッチ」「黒缶パウチ新味」などを追加投入しており、市場動向に応じて再構築されるケースもあります。
そのため、「黒缶ミニ」などの再販を期待する声が多ければ、何らかの形で復活する可能性も十分考えられます。
黒缶が買えないときの代替フード
黒缶が品薄・終売となった場合でも、猫が好みそうな代替フードはいくつかあります。
黒缶の特徴は「魚中心」「総合栄養食」「ウェットタイプ」なので、これらを満たすフードを選ぶとスムーズに切り替えができます。
魚系の人気代替品の例
- アイシア「Miaw Miaw(ミャウミャウ)」シリーズ
- いなば「CIAO(チャオ)」缶・パウチシリーズ
- ユニ・チャーム「銀のスプーン しらす入り」シリーズ
- 日清ペットフード「懐石缶」シリーズ
これらは黒缶と同じく魚ベースの総合栄養食タイプが多く、猫の食いつきも良好です。
黒缶しか食べなかった猫でも、上記ブランドの魚風味系であれば比較的移行しやすい傾向があります。
黒缶が愛され続ける理由
黒缶がこれほど長く愛されてきた理由は、**「手に取りやすい価格」「猫の食いつき」「安心感」**の3点にあります。
- 価格の手頃さ
1缶100円前後という価格帯で、毎日続けやすい。 - 魚の香りと旨味
猫が好むまぐろ・かつおを主原料にし、高い嗜好性を維持。 - 長年の実績と信頼性
30年以上続くロングセラーで、品質への安心感がある。
この“日常のごはん”としての立ち位置が、黒缶の大きな魅力でした。
一部が終売となった今もなお、黒缶を探し求める飼い主が多いのはその証拠です。
黒缶が売ってない?販売終了の理由や再販情報まとめ
・黒缶は2023年に一部ライン(黒缶ミニ・黒缶プレミアム・黒缶パウチ)が販売終了
・ブランド全体は継続しており、通常缶や黒缶 3Pシリーズは今も販売中
・原材料費の高騰や市場トレンドの変化が終売の背景
・再販予定は未定だが、リニューアルや新展開の可能性はある
・代替品としてはMiaw Miaw(ミャウミャウ)や銀のスプーン しらす入りなどが人気
黒缶シリーズは、完全に姿を消したわけではありません。
ただし、これまでのようにどこでも簡単に買える状況ではなくなっています。
「売ってない」と感じたら、まず通販サイトや大型店舗を確認してみましょう。
もし見つからない場合でも、似た魚系フードで無理なく代替することができます。
長年親しまれてきた黒缶。今後また新しい形で私たちのもとに戻ってくる日を、静かに期待しながら見守りたいですね。
