最近、「ヘモレックス軟膏がどこにも売っていない」と感じている人が増えています。以前は処方してもらえたのに、薬局で取り扱いがない、通販サイトでも見つからない。そんな声がちらほら聞こえます。では、ヘモレックス軟膏が手に入らないとき、どうすればいいのでしょうか？この記事では、代わりに市販で買えるおすすめの痔の軟膏や注入薬を紹介しながら、選び方のポイントをわかりやすく解説していきます。
ヘモレックス軟膏とは？特徴と効果
ヘモレックス軟膏は、医療用の痔疾患治療薬として長年使われてきた薬です。成分には「ヒドロコルチゾン」「フラジオマイシン」「ジブカイン」「エスクロシド」などが配合され、炎症・かゆみ・痛み・出血といった複数の症状をまとめてケアできるのが特徴でした。
ステロイド成分による強い抗炎症作用、抗菌成分による感染予防、局所麻酔による痛みの緩和、さらに血管強化成分による出血の抑制。まさに“オールインワン”の外用薬といえます。そのため、内痔核（いぼ痔）や裂肛（きれ痔）、肛門周囲のかゆみや腫れなど、さまざまな症状に対して医師が処方してきました。
なぜヘモレックス軟膏が手に入りにくいのか
まず知っておきたいのは、ヘモレックス軟膏は「医療用医薬品」に分類されているということです。つまり、基本的には病院での処方が必要で、市販では購入できません。
近年、製造や流通の見直しにより、販売ルートが限られていることもあり、「薬局で取り扱いがない」「メーカー在庫が少ない」といった声も出ています。また、ステロイドや抗菌薬を含むことから、使用上の注意が多く、自己判断での継続使用を避けるよう指導されるケースもあります。
こうした理由から、「以前は処方されていたけど今は入手できない」「病院に行くほどではないけど症状をなんとかしたい」という人が、市販で代替できる薬を探すケースが増えているのです。
市販で買える代替品の選び方
ヘモレックス軟膏とまったく同じ成分を含む市販薬はありません。ただし、似た作用を持つ市販の痔用外用薬は多く販売されています。選ぶときのポイントを整理しておきましょう。
- 症状の種類と強さを見極める
炎症や腫れ、強い痛みがある場合は、ステロイドを含む薬を選ぶと早く落ち着くことがあります。かゆみや軽い違和感が中心なら、ステロイドなしでも十分効果を感じられます。 - 剤形（タイプ）を選ぶ
外側の痔やきれ痔には軟膏タイプ、内痔核には注入軟膏や坐剤タイプが便利です。どの部位に症状があるかで使い分けましょう。 - 安全性と使用期間を考える
ステロイド入りの薬は短期間で炎症を抑える効果がありますが、長期間使い続けると皮膚の薄化や感染のリスクが出ることもあります。慢性的な症状には、ステロイドなしのマイルドなタイプを継続するのがおすすめです。
ヘモレックス軟膏の代替としておすすめの市販薬
ここからは、実際にドラッグストアや通販で入手できる代表的な代替品を紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選びましょう。
強力ポステリザン軟膏
医師も処方することがある有名な痔用軟膏で、ステロイド成分を含み、炎症・腫れ・痛みにしっかり作用します。急に痛みが出た、腫れがひどいといった“急性症状”に使われるケースが多い薬です。短期間の使用で症状を和らげたいときに向いています。
ヘモポリゾン軟膏
強力ポステリザン軟膏と同系統の製剤で、医療機関でもよく処方されています。抗炎症・鎮痛・止血など幅広い効果が期待できます。ヘモレックス軟膏に近い作用を持つため、「医療機関に行けないけれど似た効き目を求めたい」という人には検討する価値があります。
ボラギノールAシリーズ（軟膏・注入軟膏・坐剤）
痔の市販薬といえば定番のボラギノールAシリーズ。ステロイドを含み、炎症や痛みを抑える働きがあります。特に注入タイプや坐剤タイプは、内痔核や奥の痛みにも届きやすいのが特徴です。長年の実績があり、ドラッグストアでも簡単に手に入ります。
ボラギノールMシリーズ
こちらはステロイドを含まないタイプで、軽症～中等症の痔に向いています。妊娠中や授乳中など、強い薬を避けたい人にも選ばれています。穏やかな効き目で、長く使いたい人におすすめです。
その他の市販薬（リドカイン・抗菌成分配合タイプ）
痛みやかゆみが強い場合は、麻酔成分（リドカインなど）を含む軟膏も有効です。抗菌成分や血行促進成分を組み合わせたタイプも多く、軽度の炎症やヒリヒリ感を和らげてくれます。ステロイドなしで使いやすいのが魅力です。
使用上の注意とセルフケアのポイント
どんな薬でも、使用方法を守ることが大切です。痔の症状を悪化させないために、以下の点にも気をつけましょう。
- 長期連用を避ける
ステロイド入りの薬は、症状が落ち着いたら早めに使用をやめることが望ましいです。慢性的な場合は、医師や薬剤師に相談して使い方を調整しましょう。 - 清潔を保つ
入浴時に肛門周囲を清潔にし、やさしく乾かすことで炎症の再発を防ぎます。強くこすらないように注意。 - 排便習慣を整える
便秘や下痢を繰り返すと痔の原因になります。水分や食物繊維を意識してとり、規則正しい生活を心がけましょう。 - 痛みが強いときは無理をしない
急な腫れや出血がある場合は、市販薬に頼りすぎず、肛門科を受診することが重要です。
医療機関を受診すべきタイミング
市販薬を使っても症状が改善しない場合や、以下のような症状があるときは、自己判断せずに病院へ行くことをおすすめします。
- 出血が続いている、量が多い
- 痛みや腫れがひどく、歩くのもつらい
- 発熱や強いかゆみ、膿のようなものが出ている
- 妊娠中・授乳中で薬の使用に不安がある
痔の症状は見た目以上に重い病気が隠れていることもあります。早めの受診が安心です。
まとめ：ヘモレックス軟膏が手に入らなくても慌てない
ヘモレックス軟膏が手に入らないと焦ってしまいますが、市販でも十分代わりになる薬があります。強い炎症や痛みには「強力ポステリザン軟膏」や「ボラギノールAシリーズ」、慢性的なかゆみや違和感には「ボラギノールMシリーズ」など、症状に合わせて選べば無理なくケアできます。
また、薬だけでなく、生活習慣の見直しや肛門の清潔ケアも重要です。無理に同じ薬を探すよりも、自分の症状に合った方法で治していくことが何より大切。
もし再発を繰り返すようなら、恥ずかしがらずに肛門科を受診しましょう。専門医に相談すれば、最適な治療法や処方薬を提案してもらえます。
「ヘモレックス軟膏が手に入らない」と感じたときこそ、焦らずに自分に合った代替品を見つけ、正しいケアで早めの改善を目指してください。
