美和ドアクローザーM600とはどんな製品?
「M600」と聞いてピンとくる方は、長年ドア設備に関わってきた方かもしれません。美和ロック M600シリーズは、住宅やオフィス、店舗など、あらゆる場所で使われてきた定番のドアクローザーでした。頑丈で安定した動作が特徴で、「長持ちする」「閉まり方が滑らか」と高い評価を受けていた製品です。
M600シリーズは温度変化に左右されにくい油圧式を採用しており、夏でも冬でもドアの閉まり速度が一定。ストップ機能あり・なしを選べるほか、カラー展開も豊富でした。対応する扉のサイズは幅950mm前後、高さ2,000mm前後、重量40〜65kg程度。まさに“汎用的で扱いやすいスタンダードモデル”だったのです。
M600が販売終了した理由と現状
残念ながら、美和ロックは2021年にドアクローザー事業から撤退しました。これにより、M600シリーズをはじめとする同社のドアクローザーは製造終了となり、現在は新規生産が行われていません。
一部の通販サイトではまだ在庫販売が確認できますが、「在庫限り」「取り寄せ品」といった表記が増えており、今後は入手が難しくなる見込みです。つまり、M600を使用している場合、故障や経年劣化に備えて代替品を選んでおくことが重要になります。
特に、マンションや施設など複数のドアに同じ型番を使っているケースでは、交換時期が重なった際に在庫が確保できないことも。今のうちに“後継モデル”や“互換製品”を確認しておくのが賢い判断です。
M600の代替品・後継モデル候補
1. 取り付け穴がそのまま使える互換ドアクローザー
M600シリーズを交換する際に最も重要なのが「取り付け穴の互換性」です。既存のドア枠やブラケットをそのまま使える製品を選ぶことで、ドアや枠を加工せずスムーズに交換できます。
現在、M600と同じ“ちどり4つ穴”構造を採用している代替品として、**リョービ ドアクローザー**が有力候補に挙げられています。リョービ ドアクローザーは国産メーカーの中でも信頼性が高く、住宅から商業施設まで幅広く対応しています。
リョービの同クラス製品では、取り付け穴位置がM600とほぼ同じ設計になっており、扉の加工をほとんど必要としません。さらに、ストップ機能あり・なし、シルバーやブロンズなどのカラー展開も豊富。デザイン面でも違和感なく置き換えられます。
2. M600継続流通モデルを選ぶ場合の注意点
楽天市場やAmazonなどでは、今でも「美和ロック M600シリーズ」が出品されています。しかし、これらはメーカー生産が終了しているため、基本的に倉庫在庫や再販流通品です。
在庫があるうちは入手可能ですが、数量に限りがあるため「同じ製品を複数扉で統一したい」「予備を確保したい」場合は早めの購入が望ましいです。今後は価格の高騰や納期の遅れが予想されるため、将来的なメンテナンス計画も立てておくと安心です。
交換時に確認すべきポイント
1. 取り付け穴の形状・寸法
最も重要なのが“取り付けピッチ”の確認です。穴位置がズレるとドア枠への再加工が必要になり、施工コストが上がります。現在のブラケット形状と一致する代替品を選ぶことで、最小限の作業で交換可能です。
2. 扉のサイズ・重量
M600は40〜65kgの扉に対応していました。代替品を選ぶ際も、対応範囲が同等かそれ以上のモデルを選びましょう。軽すぎるモデルを選ぶと閉まり方が不安定になり、重すぎると動作が鈍くなります。
3. ストップ機能の有無
ドアを開けたまま固定できる「ストップ機能付き」か、「ストップなし」かを確認してください。玄関や共用扉など、荷物の搬入時に開放が必要なドアではストップ機能付きが便利です。
4. アームの形状と取り付け方式
M600には「スタンダード型」と「パラレル型(アームが平行に伸びるタイプ)」が存在しました。交換品も同じ取り付け方式を選ばないと、開閉角度や扉の動作が変わってしまう場合があります。
5. カラー・外観
見た目の印象を保ちたい場合、既存のドアと近い色(シルバー、ブロンズ、ブラックなど)を選びましょう。メーカーによって微妙に色味が異なるので、既存カラーと照らし合わせて選ぶのがポイントです。
M600を使い続けるリスクと対策
まだ動作しているM600を「壊れていないから」とそのまま使い続けるケースも多いですが、油圧式クローザーは経年劣化が進むと内部のオイル漏れや速度不安定が発生します。見た目では異常がなくても、内部で劣化が始まっていることがあります。
また、補修用部品の入手が困難な点もリスクです。パッキンやアーム部品などが破損した場合、修理よりも全交換の方が現実的です。流通在庫があるうちに予備を確保しておくか、互換製品を導入する準備を進めるのがおすすめです。
代替品選びで失敗しないためのコツ
- 現物の型番を必ず確認する
M600にも「M601」「M602」「M603」などの細かなバリエーションがあります。ドア上部や側面のラベルを確認し、完全一致する型番をメモしておきましょう。 - 扉の開き方向を確認
右開きか左開きかで取付け位置やアームの向きが異なります。購入前に必ず扉の開閉方向をチェックしておくことが大切です。 - 専門業者に取り付けを依頼する
DIY交換も不可能ではありませんが、油圧式の調整やアーム角度の設定には専門知識が必要です。特に店舗やオフィスなどでは、安全性の観点からも専門業者に依頼するのが確実です。 - 同時交換を検討する
複数のドアで同じM600を使っている場合、1つだけ交換すると閉まる速度や力が不揃いになることがあります。できれば同一環境のドアは一括で交換するのがおすすめです。
M600から代替品へのスムーズな移行方法
まず、現在設置されているM600の型番・取り付け位置を写真に撮って記録しましょう。そのうえで、互換ドアクローザーを販売しているサイト(例:リョービ ドアクローザー、ドアクローザー専門通販など)で「M600互換」「既存穴対応」などのキーワードで検索します。
販売ページに「M600シリーズと同一取り付けピッチ」「既存ブラケット利用可能」と明記されていれば、ほぼそのまま置き換え可能です。商品ページには対応表が掲載されている場合もあるため、適合型番を必ず確認してください。
もし不明な場合は、業者に現地確認を依頼し、扉の厚み・重量・開閉頻度をもとに最適な代替モデルを提案してもらうのが確実です。
美和ドアクローザーM600の代替品は早めの準備が安心
美和ロック M600シリーズは、かつて多くの建物で使われた信頼のドアクローザーです。しかし、現在は製造が終了し、在庫品も少なくなっています。今後数年で交換が必要になるケースも増えるでしょう。
今のうちに代替品の候補を把握し、取り付け互換性のある後継モデル(例:リョービ ドアクローザー)を確認しておくことが、スムーズなメンテナンスへの第一歩です。
もし今M600をお使いなら、ドアの開閉スピードや音に変化がないかチェックしてみてください。わずかな違和感が“交換のサイン”かもしれません。壊れてから慌てるより、早めに準備しておくことが安全でコストも抑えられます。
まとめ:M600の代替品と選び方のポイント
- M600は美和ロック M600シリーズだったが、現在は製造終了。
- リョービ ドアクローザーなどの「既存穴対応」モデルが現実的な代替品。
- 取り付け穴、扉サイズ、ストップ機能、カラーを確認して選ぶ。
- 在庫品を確保する場合は早めの購入がおすすめ。
- 長期的には代替品への移行を視野に入れておくと安心。
以上が「美和ドアクローザーM600の代替品はこれ!後継モデルと選び方を解説」の記事全文です。
