お盆やお彼岸の季節になると、「しきみ（樒）」を探して花屋を回る人も多いのではないでしょうか。仏壇に供える花として欠かせない一方で、近所のスーパーでは見つからないこともありますよね。
この記事では、「しきみ」はどこで買えるのかを、仏花用・園芸用の両面からわかりやすく解説します。
しきみとは？仏花やお墓で使われる理由
まず、「しきみ」ってどんな植物かを簡単におさらいしましょう。
しきみ（漢字で「樒」または「しきび」）は、常緑の小高木で、年中青々とした葉を保つのが特徴です。独特の強い香りがあり、昔から“邪気を払う木”とされ、仏事やお墓参りの際に用いられてきました。
仏壇やお墓に供える花はすぐ枯れやすいものもありますが、しきみは丈夫で日持ちするため、古くから「お供えの定番」として親しまれています。
また、榊とよく混同されがちですが、榊は神事に使われる植物で、しきみは主に仏事に用いられるもの。宗派や地域によっても使い分けが異なるので、注意が必要です。
しきみが買える場所（仏花用）
仏花用のしきみは、一般的に以下のような場所で購入できます。地域や季節によって入荷状況が変わるので、複数の店舗をチェックするのがおすすめです。
1. 生花店（花屋）
仏事用のしきみを取り扱っている生花店は多くあります。特に法事やお盆、お彼岸の時期には需要が高まるため、仏花コーナーに並ぶことが多いです。
花屋によっては、予約や取り寄せに対応してくれることもあります。1束（2本セット）で販売されることが多く、価格は500〜800円前後が目安です。
2. スーパーマーケットの花売り場
近年はスーパーの生花コーナーでも、仏花用のしきみを見かけるようになりました。お盆やお彼岸の直前になると、仏花や榊と一緒に棚に並ぶことがあります。
ただし、常時販売している店舗は少ないため、必要な時期に合わせて早めにチェックしておくと安心です。
3. 仏具店・葬儀関連ショップ
仏壇や線香などを扱う仏具店でも、仏花用のしきみを販売しています。特に仏壇に供える「おしきみ」として、長さを揃えた束や一対セットなどの形で購入できます。
また、一部の葬儀社や仏壇店では「定期配送サービス」を行っており、月ごとに新しいしきみを届けてもらえるケースもあります。
4. 通販（オンラインショップ）
近所で見つからない場合は、通販が便利です。
楽天市場やAmazonなどでは、「仏花用」「お墓参り用」「造花タイプ」など多様なラインナップがそろっています。
生花のしきみを宅配便で送ってくれる店舗もあり、受け取り後すぐにお供えできるのが魅力です。
園芸・植木用のしきみを買いたい場合
お墓や仏壇用だけでなく、「庭木や生垣として植えたい」という人にも人気のある植物がしきみです。
園芸用として購入する場合は、以下の場所で探してみましょう。
1. ホームセンター
ホームセンターの園芸コーナーでは、しきみの苗木や鉢植えを扱っていることがあります。
「常緑樹コーナー」や「目隠し用樹木」として置かれていることも多く、小さなポット苗であれば数百円から購入できます。
春〜秋にかけては在庫が安定しやすい時期です。
2. 園芸専門店・植木市場
植木屋さんや園芸店でも、庭木用のしきみを取り扱っています。
店舗によっては、サイズや樹形を選べるところもあり、庭やお墓の敷地に合わせて購入可能です。
ただし、寒冷地では生育しにくいため、育て方のアドバイスをもらってから購入するのがおすすめです。
3. 園芸用通販サイト
インターネットでも「樒 苗木」「樒 鉢植え」などで検索すると、さまざまな種類が見つかります。
根付き苗は400円前後から購入でき、大きめの鉢植えタイプは1,000円〜3,000円ほどが目安です。
植える際は、直射日光が当たりすぎない場所、風通しのよい場所を選びましょう。
造花のしきみも人気
最近では、「本物そっくりの造花タイプ」もしきみ市場で人気です。
お墓が遠方にある人や、こまめに交換できない場合に便利で、見た目も非常にリアルなものが増えています。
造花なら枯れる心配もなく、1年を通してきれいな状態を保てます。
光触媒やCT触媒加工が施されたタイプなら、ホコリがつきにくく室内の空気をきれいに保つ効果も期待できます。価格は1対（2本）で2,000〜5,000円前後が中心です。
地域や時期によって入手しにくいことも
ただし、すべての地域で簡単に手に入るわけではありません。
都市部や仏具店が少ない地域では、生花のしきみを常時販売していない場合があります。
お盆やお彼岸の時期以外に必要な場合は、花屋や仏具店に事前に問い合わせて取り寄せをお願いするのが確実です。
もし近くで手に入らないときは、造花タイプやネット通販を上手に活用しましょう。
購入時の注意点と取り扱いのコツ
しきみには独特の香りがありますが、実は強い毒性をもつ植物でもあります。
誤って口にすると危険なので、小さな子どもやペットがいる家庭では手の届かない場所に置くことが大切です。
また、宗派や地域によっては、しきみの代わりに高野槙や馬酔木を使う場合もあります。
「うちの地域ではどの植物を使うのが一般的か」を、親族やお寺に確認しておくと安心です。
しきみの価格相場と選び方の目安
・生花（枝もの）：1束500〜800円前後
・造花タイプ：1対2,000〜5,000円程度
・苗木・鉢植え：400円〜3,000円ほど
仏壇に供える場合は、茎の太さや長さが均一なものを選ぶと見た目が美しくなります。
園芸用として植える場合は、根の張りがしっかりしているものを選ぶのがポイント。
まとめ：「しきみ」はどこで買える？仏花も園芸も通販が便利
「しきみ」は仏花店や生花店だけでなく、ホームセンターや通販でも手軽に購入できます。
仏壇用・お墓用なら生花や造花タイプを、庭木や生垣として楽しみたいなら園芸用の苗木を選ぶのがベストです。
地域や季節によって入手しづらい場合は、ネットショップを活用すれば全国どこからでも手に入ります。
お供えの花としても、日常の緑としても、しきみは日本の暮らしに寄り添う植物。
あなたの目的に合わせて、ぴったりのしきみを選んでみてください。
