春先になると、ひよこの姿をどこかで見かけて「飼ってみたいな」と思う人も多いですよね。ですが実際に調べてみると、「ひよこを売っている場所が見つからない」「ネットでは買えないの？」と戸惑う声が少なくありません。
この記事では、ひよこを安全かつ合法的に購入できる方法を、ペットショップや農家直販の実情とともにまとめていきます。
ひよこを買える場所は？代表的な入手ルート
まず、一般の人がひよこを手に入れるルートは大きく分けて次の4つです。
- ペットショップや登録ブリーダー
- 養鶏場や孵卵場などの農家直販
- 地域コミュニティや譲渡掲示板
- 通販サイト・オンラインマーケット
それぞれ特徴や注意点があるので、順に見ていきましょう。
ペットショップでの購入：身近で安心だが取り扱いは少なめ
最も一般的なのがペットショップですが、実は「ひよこ」を扱っている店舗はかなり限られています。
最近では犬や猫、小鳥を中心に扱うお店が多く、鶏の雛まで販売しているケースは少数派です。
もし見つけた場合は、必ず店頭に「動物取扱業者標識」が掲示されているか確認しましょう。
これは動物の愛護及び管理に関する法律で定められており、登録のない店舗から購入するのは避けるべきです。
また、ペットショップのひよこは観賞用や家庭飼育向けが多く、食用鶏とは品種が異なることもあります。
「かわいい雛を育ててみたい」という目的なら適していますが、鶏卵用や肉用の飼育を考える場合は別ルートを検討した方がいいでしょう。
養鶏場や孵卵場の直販：本格派向けの確実な方法
本格的に鶏を育てたい人におすすめなのが、養鶏場や孵卵場での購入です。
「岡崎おうはん」「烏骨鶏」「アローカナ」などの品種を取り扱う直販農家があり、1羽から販売しているところも存在します。
ただし、こうした農場は生体管理が厳格で、「現地販売のみ」「発送不可」としているケースが多いです。
つまり、実際に現地へ行って購入・引き取りを行う必要があります。
また、小ロット（数羽単位）での販売に対応していない場合もあるので、事前の問い合わせが必須です。
人気品種は予約待ちや季節限定販売になることもあります。春先から夏前にかけて需要が高まるため、気になる養鶏場は早めに連絡しておくと安心です。
譲渡・個人取引：地域のネットワークを活用する手も
近年はSNSや掲示板を通じて、鶏を飼っている個人同士で譲り合うケースも増えています。
地域のコミュニティや自治体主催の動物譲渡会などで見つかることもあります。
ただし、こうした個人間の取引には注意が必要です。
ワクチン接種の有無、健康状態、感染症リスクなど、情報が不十分なまま受け取るとトラブルになることもあります。
必ず信頼できる相手から譲り受けること、できれば直接会って状態を確認することをおすすめします。
通販・ネット販売：一見便利だが注意が必要
インターネットで「ひよこ 販売」と検索すると、通販サイトやオンラインマーケットで出品を見かけることがあります。
しかし、生体販売には動物取扱業の登録と表示義務があり、登録番号や責任者の情報が記載されていない出品は法的に問題のある可能性があります。
また、輸送中のストレスや温度管理の問題で、ひよこが弱ってしまうリスクもあります。
「届いたけど死着だった」「元気がなくなってしまった」という声も少なくありません。
そのため、通販での購入はできるだけ避け、直接確認できる販売ルートを選ぶ方が安全です。
購入前に知っておきたい法律と届け出
ひよこを買うこと自体は特別な許可を必要としませんが、「飼う」ことになると地域ごとの規制が関係します。
・自宅の敷地で鶏舎を作る場合
・一定数以上の鶏を飼う場合
・農地を使って飼育する場合
これらは自治体によって「届出」や「用途変更申請」が必要になるケースがあります。
特に住宅地では、鳴き声や臭いのトラブルが起こりやすいため、近隣への配慮も重要です。
事前に市区町村の農政課や家畜保健衛生所に相談しておくと安心です。
ひよこの飼育を始める前に準備しておきたいもの
購入したひよこは、体温調整がまだ苦手なため、適切な環境が欠かせません。
最低限、以下の準備が必要です。
・保温用のヒーター（電球タイプが一般的）
・清潔な床材（おがくずや新聞紙）
・給水器と餌皿
・ひよこ用の専用飼料
・安全な囲い（段ボール箱や小型ケージ）
特に温度管理は重要で、28〜32度程度を保つようにします。
また、ひよこは成長が早く、1〜2か月もすれば羽が生えそろい、体格も変化します。
中期以降の飼育スペースも考えておくとスムーズです。
なぜひよこを入手しづらくなったのか
昔は縁日や学校のイベントでひよこを見かけることも多く、「手軽に買える」存在でした。
しかし、現在は動物福祉や感染症対策の観点から、無許可販売や屋台での生体販売はほぼ禁止されています。
鳥インフルエンザの流行や、愛護法の強化により、業者も個人販売を控える傾向にあります。
そのため、合法的にひよこを購入できるルートは限られており、事前の情報収集が欠かせません。
「どこでもすぐに買えるものではない」という現実を理解しておくことが大切です。
ひよこを迎えるときの心得
ひよこは命ある生き物です。
見た目の可愛さだけでなく、成長後の世話や環境づくりまで考える必要があります。
朝夕のエサやり、掃除、病気の管理、そして寿命を迎えるまで責任を持って飼う覚悟が必要です。
「小さな命を育てる」という視点で、家族や周囲の理解を得たうえで迎えるのが理想です。
まとめ：ひよこはどこで買える？安全で安心な方法を選ぼう
ひよこはペットショップや養鶏場などで購入できますが、現在は取り扱いが限られています。
もっとも安全なのは「登録された動物取扱業者」や「信頼できる養鶏場」での直接購入です。
ネット通販や個人間取引は便利に見えても、法的リスクや生体管理の不備がある場合があります。
もし本気で飼育を考えるなら、販売元の信頼性・飼育環境・地域ルールをしっかり確認し、
命を預かる責任を持って向き合うことが大切です。
ひよこを迎えることは、単なる「購入」ではなく「小さな命との出会い」。
焦らず慎重に準備を整えて、安全で安心なひよこライフを始めてください。
