トレチノインはどこで買えるの？
「トレチノインって、薬局やドラッグストアで売ってないの？」──そんな疑問を持つ人は多いと思います。
ニキビ跡やシミ、くすみ、しわなど、美容目的で注目を集める成分ですが、実は日本では医師の処方が必要な医療用医薬品に分類されています。つまり、一般的なドラッグストアやネットショップで「トレチノインを1本買う」といったことはできません。
そもそもトレチノインとは、ビタミンA（レチノール）の誘導体で、肌のターンオーバーを促進し、古い角質を剥がして新しい皮膚を再生させる作用を持ちます。そのため、美白・ニキビ治療・アンチエイジングなどに用いられることが多いのですが、効果が強いぶん、医師の管理下で使用する必要がある薬なんです。
ドラッグストア・薬局では購入できない理由
結論から言えば、トレチノインは市販薬ではなく、医療用医薬品です。
たとえばマツキヨやスギ薬局、ドン・キホーテなどで探しても置いていません。理由は簡単で、厚生労働省の承認上「医師の診察と処方箋が必要」とされているからです。
また、トレチノインは使用量や濃度を誤ると、肌の赤み・乾燥・皮むけなどの副作用（レチノイド反応）が起こりやすいため、薬剤師の説明だけで販売するのは難しいという事情もあります。
そのため、街中の薬局で「トレチノインをください」と言っても、「処方箋が必要な薬です」と案内されるのが一般的です。
いわゆるドラッグストアでは買えない薬ということですね。
医師の処方で購入する方法
日本でトレチノインを入手する正規ルートは、皮膚科や美容皮膚科での処方です。
ニキビ、しみ、毛穴、しわなどの悩みを医師に相談し、肌の状態を診てもらったうえで、適切な濃度のトレチノインクリームを処方してもらえます。
濃度の目安は、一般的に0.025％〜0.1％前後。
「初めての人は0.025％から」「効果を見ながら徐々に濃度を上げる」というステップが多く、医師の判断で個人に合わせた使い方を指導してもらえます。
この方法のメリットは以下の通りです。
- 医師が肌状態を確認してくれる
- 副作用や反応への対処法を教えてもらえる
- 保湿剤やハイドロキノンとの併用も安全に行える
デメリットは、保険適用外（自由診療）となるケースが多く、費用が自費になる点です。
ただ、初診料＋薬代を合わせても5,000〜10,000円前後で始められるクリニックもあり、安心して使えることを考えると、コスパは悪くありません。
オンライン診療でトレチノインを処方してもらう
近年は、オンライン診療を通じて自宅で診察・処方を受けられるクリニックも増えています。
スマホやパソコンから問診を行い、医師の診断後に処方・配送してもらう流れです。
たとえば、美容皮膚科クリニックやAGA・スキンケア専門のオンラインサービスでは、
「トレチノイン0.05％クリーム」などを医師の診察後に郵送してもらえます。
オンライン診療の主なメリットは次のとおりです。
- 通院不要で、自宅で受け取れる
- 全国どこからでも診察可能
- カメラ越しで肌の状態をチェックしてもらえる
ただし、対面診療と同じく自由診療扱いになるため、費用は全額自己負担です。
また、診察がオンラインのみだと微妙な肌の状態がわかりにくい場合もあるため、初回は対面で受け、その後オンラインに切り替えるという方法もおすすめです。
通販サイトや個人輸入で買えるのか？
Amazonや楽天などで「トレチノイン」と検索すると、確かにそれらしい商品が表示されることがあります。
しかし、よく見ると「レチノール配合」「ビタミンAクリーム」といった表記が多く、本物のトレチノイン（レチノイン酸）ではない場合がほとんどです。
トレチノインは医薬品成分のため、国内で正規販売される場合は必ず医師の処方が必要です。
つまり、Amazonやドラッグストアの通販サイトで売っているものは、成分が違う別物ということです。
では「個人輸入」なら買えるのでは？と思う方もいるでしょう。
確かに、海外医薬品を個人輸入代行サイト経由で購入することは技術的には可能ですが、次のようなリスクが存在します。
- 成分や濃度が不明確（偽物・模倣品の可能性）
- 輸送・保管中に品質が劣化していることも
- 肌トラブルが起きても、国内の救済制度対象外
- 医薬品医療機器等法（旧薬事法）に抵触する可能性
実際、医療機関や皮膚科専門医も「個人輸入による入手は推奨できない」と明言しています。
価格が安いからといって安易に手を出すと、肌荒れや色素沈着など思わぬ副作用につながるリスクがあります。
トレチノインとレチノールの違いを知っておこう
混同されがちな成分に「レチノール」があります。
レチノールはトレチノイン（レチノイン酸）の一歩手前の成分で、化粧品にも配合可能な穏やかなタイプです。
違いを簡単にまとめると次の通りです。
つまり、「トレチノインは使えないけど、美容目的でビタミンAを試したい」という人は、レチノール配合の化粧品を試すのが安全です。
ドラッグストアやAmazonでも、資生堂・エリクシール・ロート製薬などのブランドから手軽に購入できます。
トレチノインと同じくターンオーバーを促進する働きがありますが、反応が緩やかで、副作用が少ないのが特徴です。
トレチノインを使うときの注意点
医師のもとで処方を受ける場合でも、次のような点に注意する必要があります。
- 日中は必ず日焼け止めを使用する（紫外線で刺激を受けやすくなるため）
- 赤みや皮むけが出たら、すぐに使用を中止し医師に相談する
- 妊娠中・授乳中は使用を避ける
- 乾燥を防ぐために保湿ケアを十分に行う
トレチノインは「使い方を守れば非常に効果的」な薬ですが、自己判断で濃度や頻度を変えるのは危険です。
専門医の指導を受けながら、無理なく続けることが大切です。
トレチノインはどこで買える？まとめ
最後にもう一度、トレチノインの購入ルートを整理します。
購入できる場所（正規ルート）
- 皮膚科・美容皮膚科（医師の診察後に処方）
- オンライン診療（医師の診断後に配送）
購入できない場所
- ドラッグストア（マツキヨ、スギ薬局、ドン・キホーテなど）
- Amazon・楽天などの一般通販（成分が異なる場合が多い）
- 個人輸入サイト（法律・品質のリスクあり）
そして、レチノイン酸そのものを使えない場合でも、レチノール配合の化粧品を取り入れることで、穏やかに肌のハリやツヤをケアすることが可能です。
まとめ：安全に使うなら医師の処方を受けよう
トレチノインは非常に効果の高い成分ですが、同時にリスクもある医薬品です。
どこで買えるかを探すよりも、「どうすれば安全に使えるか」を考えることが大切。
確実に正規品を手に入れたいなら、皮膚科や美容皮膚科での診療、またはオンライン診療を利用しましょう。
そして、トレチノインが使えない場合は、レチノール化粧品で段階的にケアを始めるのもおすすめです。
あなたの肌を守りながら、美しく整えていくために──まずは正しい方法で手に入れることから始めてみてください。
