猫を飼っていると、風邪をひいたり、ノミやダニに悩まされたりすることがありますよね。そんなときに気になるのが「猫の薬ってどこで買えるの？」という点。人間のようにドラッグストアで簡単に買えるのか、それとも病院に行かないと手に入らないのか――。今回は、市販薬と処方薬の違いを中心に、猫の薬の購入方法をわかりやすく解説します。
猫の薬はどこで買える？基本の考え方
まず知っておきたいのは、猫の薬には「市販薬（動物用医薬部外品など）」と「処方薬（動物用医薬品）」の2種類があること。
市販薬はペットショップや通販サイトでも購入できますが、処方薬は獣医師の診察を受けないと手に入らない仕組みです。
動物の薬は法律で厳しく管理されています。獣医師が診察を行い、病気や症状を正確に判断した上で薬を処方することが義務づけられているため、診察なしで薬だけ購入することは基本的にできません。
ただし、ノミやダニの予防薬など、比較的安全性が高いものは「動物用医薬部外品」として市販されており、飼い主が自由に購入できます。
市販薬とは？通販やホームセンターでも買える薬
市販薬とは、動物病院に行かなくても購入できる猫用の薬です。主に次のような場所で販売されています。
- ペットショップ
- ホームセンター
- ドラッグストア（ペットコーナー）
- 通販サイト（Amazon・楽天市場など）
市販薬には「ノミ・ダニ駆除薬」「寄生虫予防」「涙やけケア」「サプリメント」などがあり、軽度のケアや予防を目的としたものが多いです。
特に人気なのは、首に垂らすタイプや飲み薬タイプのノミ・ダニ予防薬。価格も手頃で、初めて猫を飼う人でも手に取りやすいのが特徴です。
ただし、市販薬は成分の濃度が抑えられており、即効性や持続性が処方薬に比べて劣る場合があります。
「使ってみたけど効果が薄い」「猫が嫌がって塗れなかった」と感じたら、無理せず動物病院で相談しましょう。
動物病院で処方される薬とは？信頼性と効果の高さ
動物病院で処方される薬は、診察を受けたうえで獣医師が選ぶ「処方薬」です。
病気の種類、猫の体重、年齢、持病などを総合的に判断して、最も効果的で安全な薬を出してくれます。
たとえば、同じ「ノミ・ダニ予防薬」でも、処方薬にはフィラリア予防や内部寄生虫の駆除も同時にできるタイプがあり、効果は強力です。
抗生物質、消炎鎮痛剤、目薬、皮膚の治療薬などもこのカテゴリーに入ります。
また、処方薬は用法・用量が正確に管理されており、副作用のリスクが低い点も大きなメリット。市販薬では対応しきれない症状や、慢性的な疾患には必ず動物病院での診断・処方が必要です。
通販で購入できる猫用薬と注意点
「通院の時間がない」「病院が遠い」などの理由で、通販サイトを利用する飼い主も増えています。
楽天市場やAmazonなどの大手通販では、猫用の市販薬・サプリメント・駆除薬などが豊富にそろっています。
しかし、通販で購入できるのはあくまで「市販薬」まで。
動物病院で処方されるような薬を、診察なしにオンラインで販売することは日本の法律では認められていません。
中には海外サイトで「処方薬」として販売されている商品もありますが、個人輸入になるため品質保証や法的リスクが伴います。
偽造薬や成分違いなどのトラブルも報告されているため、信頼できるルート以外からの購入は避けるべきです。
猫に人間用の薬を与えるのは危険
「少し風邪っぽいから」「食欲がないから」と、人間の薬を少量与えるのは絶対にNGです。
猫は代謝の仕組みが人間とは異なり、わずかな量でも中毒症状を起こすことがあります。
たとえば、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンは猫にとって非常に危険で、最悪の場合命に関わることもあります。
猫が体調を崩したときは、自己判断せず獣医師に相談するのが鉄則です。
病気の原因が感染症か、消化器の問題か、ストレス性か――正しい診断がなければ、薬の選択もできません。
市販薬を安全に使うためのポイント
市販薬を使う場合は、以下の点をしっかりチェックしましょう。
- 製品の対象年齢・体重を確認する
- 成分をよく読み、猫に有害な成分が含まれていないか確かめる
- 使用方法を守り、指定量を超えない
- 症状が改善しない・悪化した場合はすぐに使用を中止する
- ほかの薬との併用は避ける
猫は小さな体の中で薬の影響を受けやすく、少しの誤差でも体調を崩すことがあります。
「安全そうだから」「口コミが良いから」と安易に使わず、初めて使う薬は動物病院に相談してからにするのが安心です。
動物病院と市販薬、どちらを選ぶべき？
結論から言えば、症状が軽く予防目的なら市販薬でもOK。治療が必要な場合は必ず動物病院へ。
ノミ・ダニ予防や毛球ケアなどは市販薬で十分対応できることが多いですが、発熱・下痢・嘔吐・皮膚炎など具体的な症状があるときは、病院での診察が不可欠です。
また、持病がある猫やシニア猫、妊娠中の猫などは、市販薬でも使えない成分があるため注意が必要です。
「以前は大丈夫だった薬でも、体調によって反応が変わる」こともあるため、毎回の確認を怠らないようにしましょう。
猫の薬を購入するときの費用感
市販薬の価格は1,000円〜3,000円程度が一般的。
一方で動物病院の処方薬は、診察料を含めて1回あたり5,000円前後になることもあります。
ただし、病院での薬は確実な効果と安全性があるため、費用対効果で見れば妥当な範囲と言えるでしょう。
最近では、動物病院で処方された薬をそのまま院内で購入するほか、処方箋をもらって動物用薬局で購入するケースも増えています。
処方薬の価格を比較できるサービスも登場しており、賢く選べばコストを抑えることも可能です。
猫の薬を使う前に確認しておきたいこと
薬を与える前に、次のポイントをチェックしましょう。
- 猫の体調（食欲・便・体温・呼吸など）は安定しているか
- 薬の保管期限は切れていないか
- 飲み薬の場合、水や餌で上手に服薬できるか
- 塗り薬やスポットタイプの場合、塗布後に舐めないように工夫できるか
猫にとって薬はストレスになりやすいもの。少しでも安心して服薬できるよう、飼い主が落ち着いて対応してあげることが大切です。
まとめ：猫の薬はどこで買える？正しい選択で健康を守ろう
猫の薬は、症状や目的によって購入ルートが異なります。
ホームセンターや通販で買える市販薬は手軽ですが、すべての病気に対応できるわけではありません。
一方、動物病院の処方薬は確実な効果がある分、診察が必要になります。
つまり、
- 軽いケアや予防 → 市販薬や通販
- 病気の治療や長引く症状 → 動物病院で処方薬
この使い分けを意識することが、猫の健康を守る第一歩です。
「猫の薬はどこで買える？」と迷ったときは、自己判断せず、まず獣医師に相談して最適な方法を選びましょう。
