街中でもツーリングでも乗りやすいと評判のスズキ・GSX250R。見た目はスポーティなのに扱いやすく、免許を取って最初に乗る1台としても人気が高いモデルです。
この記事では、GSX250Rの性能、乗り心地、実際の使用感を徹底的にレビューします。これから購入を検討している方や、250ccクラスで迷っている方はぜひ参考にしてください。
GSX250Rとは？スズキの“親しみやすいスポーツ”
GSX250Rは、スズキが2017年に発売したフルカウルタイプの250ccスポーツバイクです。名前の通り、スズキのスーパースポーツシリーズ「GSX-R」系統に属しますが、設計思想は少し異なります。
高回転型のレーシングバイクというよりも、「日常でも無理なく楽しめるスポーツツアラー」という位置づけです。
搭載されるのは248ccの水冷並列2気筒エンジン。出力は約24〜25馬力と、250ccクラスでは控えめですが、低中速トルク重視のセッティングにより、街中での扱いやすさが際立ちます。6速ミッションを備え、スムーズで安定した走りを実現。
燃費も良く、メーカー発表では40km/L前後の数値を誇ります。初心者ライダーにとって経済的にも優しい設計です。
見た目は本格派、でも中身は優しめ
まず目を引くのは、GSXシリーズらしいシャープなフルカウルデザイン。低く構えたフロントとスリムなリアが、250ccとは思えない迫力を演出しています。
LEDヘッドライトや流れるようなカウルラインは、兄貴分のGSX-Rシリーズを彷彿とさせる仕上がりです。
しかし、その見た目とは裏腹に、乗ってみると穏やかでフレンドリーな印象。
スロットルを開けても急に加速するようなことはなく、どの回転域でもリニアで扱いやすい出力特性です。街中の信号スタートや渋滞時でもギクシャクせず、初心者でもストレスを感じません。
この「見た目は攻め、性格は穏やか」というギャップが、GSX250Rの大きな魅力のひとつです。
実際の走り：街乗りでこそ真価を発揮
GSX250Rの走行フィールは「扱いやすく、疲れにくい」。これに尽きます。
エンジンは高回転まで粘るタイプではありませんが、2,000〜6,000回転の中速域でトルクがしっかり出るため、街乗りやツーリングペースでは非常に快適です。
クラッチ操作も軽く、渋滞のストップ＆ゴーでも苦になりません。ギアの入りもスムーズで、信号の多い市街地でもリズムよく走れます。
また、車体重量は180kg前後とやや重めながら、そのぶん直進安定性が高く、荒れた舗装や高速道路でも落ち着いた走りを見せます。
他の250ccスポーツ、たとえばNinja 250やYZF-R25が“キビキビした加速”を重視するのに対し、GSX250Rは“安心して乗れる穏やかさ”を優先。
急な挙動が少なく、初めてのスポーツタイプとして理想的な性格です。
乗り心地：快適さ重視のセッティング
サスペンションはやや硬めに感じるものの、街乗りやツーリングにちょうど良いバランス。
段差の吸収も滑らかで、長時間のライディングでも腰や腕に負担がかかりにくい設計です。
また、車体の重さが安定感に寄与しており、高速道路では風にあおられにくく、直進時の落ち着きはクラス随一。
ライディングポジションも絶妙です。ハンドル位置はやや低めながら過度な前傾ではなく、自然な姿勢をキープできます。
シート高は約790mmと比較的低く、身長160cm前後でも両足のつま先がしっかり接地します。これも初心者ライダーにとって安心できるポイントです。
座り心地の良い厚めのシートと、風をしっかり受け止めるカウルの効果で、ツーリング時の疲労感も少なめ。
まさに“見た目スポーツ、中身ツアラー”というキャラクターが光ります。
装備と実用性：日常使いにも対応
GSX250Rは装備面でも抜かりがありません。
視認性の高いフルデジタルメーターは、速度・ギアポジション・燃費などの情報を一目で確認できます。ABSも標準装備され、安全面の安心感も高いです。
積載性はフルカウルスポーツとしては控えめですが、リアシートにネットやバッグを装着すればツーリングにも十分対応可能。
純正アクセサリーや社外パーツも豊富に揃っており、自分好みにカスタムしやすい点も魅力です。
また、燃費の良さとメンテナンス性の高さから、維持費が低く抑えられるのもポイント。
オイル交換やタイヤ交換など、定期メンテナンスをしっかり行えば長く乗り続けられる信頼性があります。
高速道路やツーリングでの印象
高速巡航時もGSX250Rは非常に安定しています。
重めの車体と風防効果の高いカウルのおかげで、時速100km程度での走行でも不安が少なく、長距離ツーリングも快適。
ただし、加速力や最高速ではライバルのR25やCBR250RRに一歩譲ります。
しかしその分、エンジン回転が穏やかで、振動や疲労感は少なめ。
のんびり景色を楽しみながら走るツーリングには最適で、燃費も良いため給油回数を気にせず長距離を走れます。
GSX250Rの弱点も正直に
万能に見えるGSX250Rにも、いくつか注意点はあります。
まず、パワー面ではスポーツ性を求めるライダーには物足りないかもしれません。
高回転域での伸びが控えめで、サーキットや峠でスリリングな走りをしたい人には不向きです。
また、純正マフラーの音が静かで、スポーティさを求める人にはやや寂しく感じられることも。
ただし、社外マフラーを装着すればサウンドの迫力も簡単にアップできます。
積載性の低さも指摘されるポイントですが、リアキャリアやサイドバッグを装着すれば解決可能。
総じて“大きな欠点はない”のがGSX250Rの特徴です。
こんなライダーにおすすめ
GSX250Rは、次のようなライダーに特におすすめです。
- バイク初心者で扱いやすい1台を探している
- スポーティな見た目が好きだが、穏やかな走りを求めている
- 通勤・通学や日常使いにも使いたい
- 燃費や維持費の安さを重視したい
- ツーリングをゆったり楽しみたい
逆に、速さやアグレッシブな走りを重視する人は、CBR250RRやYZF-R25などを検討するのも良いでしょう。
しかし、バランスと実用性を求めるならGSX250Rは最適な選択肢です。
まとめ：GSX250Rは“ちょうどいい”スポーツバイク
GSX250Rは、見た目こそ本格的なスポーツバイクですが、その走りは非常にマイルド。
街中からツーリングまで、どんなシーンでも安心して楽しめる懐の深さがあります。
特に初心者やリターンライダーにとっては、「乗りやすく、疲れにくく、維持しやすい」三拍子揃った理想的なモデルです。
速さを競うよりも、バイクと一緒に景色を楽しむ——そんな走り方をしたい人に、GSX250Rはぴったりの相棒になるでしょう。
GSX250Rの性能や乗り心地を改めて評価すると
あらためてGSX250Rを振り返ると、「初心者にも優しく、長く付き合えるバイク」という言葉がしっくりきます。
性能・乗り心地・経済性のバランスがよく、250ccクラスの中でも独自のポジションを確立している存在です。
これからバイクを始める人にとって、GSX250Rは最初の一歩としても、自信を持っておすすめできる1台です。
