ワイヤレスイヤホン市場が年々激戦化する中で、オーディオテクニカの「ATH-CKS30TW+」は“重低音好き”のリスナーに注目されています。今回は実際の使用感を踏まえ、音質・装着感・操作性を中心に徹底レビューしていきます。
ATH-CKS30TW+とは?重低音シリーズの新定番
ATH-CKS30TW+は、オーディオテクニカの人気ライン「SOLID BASS」シリーズに属する完全ワイヤレスイヤホン。
前モデルATH-CKS30TWのアップグレード版として登場し、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を新たに搭載しました。
最大再生時間はANCオフ時で約7.5時間、ANCオンでも約6.5時間。
ケース併用で20時間前後と、日常使いに十分なバッテリー性能を備えています。IP55等級の防水防塵仕様で、汗や雨に強く、通勤からトレーニングまで幅広く対応可能。
BluetoothコーデックはSBC/AACに対応し、iPhoneやAndroidなど機種を問わず安定した接続が可能です。
価格は1万円台前半ながら、多機能かつ重低音特化のサウンドが楽しめる点が大きな魅力です。
実際の音質レビュー:迫力の低音とバランスの取れたサウンド
■ 低音の深みと量感
ATH-CKS30TW+の最大の特徴は、SOLID BASSシリーズならではの重低音再生。
9mm径の新設計ドライバーと独自のアコースティックダクトが組み合わされ、ドラムやベースの「沈み込むような低音」を力強く表現します。
音圧を強調するだけでなく、質感のある低音が響くため、クラブミュージックやR&B、EDMとの相性が抜群です。
■ ボーカルと中高域の明瞭さ
低音重視モデルながら、中高域の解像度も上々。
ボーカルがこもらず、シンセやアコースティックギターなどの高音もクリアに再現します。
全体として“低音重視だけど聴き疲れしにくい”チューニングです。
■ EQ調整で自分好みにカスタマイズ
専用アプリ「A-T Connect」を使うことで、EQプリセットやリスニングモードを選択可能。
「Bass Boost Deep」「Vocal」「Clear」などのモードが用意され、音のキャラクターを簡単に切り替えられます。
例えば映画を観るときは低音を強調、作業BGMにはフラットなモードなど、シーンに合わせた調整ができるのが嬉しいポイントです。
装着感とデザイン:軽量コンパクトで長時間でも快適
ATH-CKS30TW+は、手のひらにすっぽり収まるほどの小型ボディ。
片耳の重量もわずか数グラムと非常に軽く、長時間装着しても耳への負担が少ないのが特徴です。
イヤーピースはXS〜Lの4サイズが付属し、耳にしっかりフィット。
装着感を調整することで低音の厚みも変わるため、自分に合うサイズ選びが重要です。
密閉性が高く、物理的な遮音効果もあるため、ANCを使わずともある程度の騒音をカットできます。
デザイン面ではマット仕上げのケースが高級感を演出し、バッグやポケットにも収まりやすいコンパクトさが魅力。
日常使いにも持ち運びにも適した万能イヤホンです。
ノイズキャンセリングと外音取り込み機能
ATH-CKS30TW+では、シリーズ初のアクティブノイズキャンセリングを搭載。
低周波ノイズ(電車やバスの走行音など)に効果を発揮し、静かなリスニング空間を実現します。
一方で、人の声や高周波ノイズにはやや弱く、上位機種ほどの静寂性はないものの、価格帯を考えれば十分な性能です。
また、外音取り込み(Hear-Through)機能も備わっており、会話やアナウンスを確認したいときに便利。
「Talk-Through」モードを使えば、音楽を一時的に下げて周囲の音を取り込むこともでき、イヤホンを外さずに会話できます。
日常の利便性を考慮した設計です。
操作性とアプリ連携
タッチセンサー式の操作により、再生・停止・音量調整・曲送り・ANCの切替などが直感的に行えます。
物理ボタンの押し込み感がないため耳に負担がかかりにくく、スムーズな操作性が特徴です。
アプリ「A-T Connect」では次のような機能が利用可能です。
- EQのカスタマイズ(プリセット/手動)
- タッチ操作の割り当て変更
- ノイズキャンセリングや外音取り込みの調整
- ファームウェアアップデート
- イヤホン探知機能(Find My Earbuds)
操作レスポンスも良好で、アプリとの連携がスムーズ。
特にEQ調整の反映速度が速く、実際に聴きながら細かく調整できるのが好印象です。
バッテリー・防水性能・通話品質
■ バッテリー持ちは優秀
イヤホン単体で7時間以上、ケース併用で20時間前後という再生時間は、日常用途では十分。
ANCオン時でも6.5時間と安定しており、通勤・通学・オンライン会議など長時間の利用にも安心して使えます。
短時間充電にも対応しており、15分の充電で約1時間再生可能です。
■ 防水防塵でタフな設計
IP55等級の防水防塵仕様により、ランニングやジムでも汗を気にせず使用可能。
急な雨でも安心して使える点は、アクティブなユーザーにとって大きな利点です。
■ 通話品質とマイク性能
マイクは実用レベルで、静かな場所では明瞭に声を拾います。
環境ノイズが多い場面ではややこもる印象があるものの、日常的な通話やビデオ会議では十分な性能です。
また、音声アシスタント(Google Assistant・Siri)にも対応しています。
実際に使って感じたメリットと注意点
◎ 良かった点
- 迫力ある重低音と高い没入感
- 小型軽量で装着感が快適
- ANCと外音取り込みを両立
- 防水防塵で屋外利用にも強い
- 専用アプリでEQ調整やカスタマイズが可能
- コスパの高さ
△ 気になった点
- 風切り音や外でのノイズ除去は限定的
- タッチ操作の誤反応が稀にある
- 通話時の環境ノイズ処理は控えめ
- aptXなど高音質コーデック非対応
これらのデメリットを踏まえても、総合的には「価格以上の完成度」と言えるモデルです。
音質重視のユーザーはもちろん、初めての完全ワイヤレスにもおすすめできます。
他モデルとの違い:ATH-CKS30TWとの比較
前モデル「ATH-CKS30TW」との大きな違いは以下の通りです。
- ANC(ノイズキャンセリング)を新搭載
- 外音取り込みモード追加
- 音質チューニングの見直しで中高域がより明瞭に
- ケースデザインがスリム化
- 価格が若干上昇(+2,000円程度)
音質面では低音の質感がよりタイトに改善され、解像感もアップ。
全体のバランスが向上し、通勤・リモートワークなど日常シーンにも適した万能モデルになっています。
ATH-CKS30TW+はこんな人におすすめ
- 低音重視のサウンドが好きな人
- 音楽も動画も迫力ある音で楽しみたい人
- コンパクトで軽いイヤホンを探している人
- 通勤・通学・運動など幅広く使いたい人
- コスパを重視しつつANC付きイヤホンを求める人
一方で、解像度の高いクラシックやジャズを繊細に聴きたい方には、上位モデルやaptX対応機の方が適しているかもしれません。
ただし、この価格帯でここまで多機能かつ音質の良いモデルは希少です。
ATH-CKS30TW+レビューまとめ:重低音×高コスパの理想形
ATH-CKS30TW+は、「重低音を楽しみたい」「コスパの良いANCイヤホンが欲しい」というニーズをしっかり満たす実力派モデル。
強化されたノイズキャンセリング、軽量な装着感、カスタマイズ性の高いEQなど、日常使いの完成度が非常に高いです。
派手な演出はないものの、音楽を“気持ちよく聴く”ことにフォーカスした設計が光ります。
重低音をしっかり感じたい方には、自信を持っておすすめできる1台です。
ATH-CKS30TW+のレビューを徹底解説!音質・装着感・操作性を実機検証
重低音の迫力、快適な装着性、そして高い機能性。
この価格帯でここまでの完成度を誇るイヤホンは多くありません。
“低音のオーディオテクニカ”が生んだ名機として、ぜひ一度そのサウンドを体感してみてください。
