テクニクス(Technics)の完全ワイヤレスイヤホン「eah az60m2」は、音質重視のリスナーから高く評価されている注目モデルです。
前作EAH-AZ60の後継として登場し、音質・通話品質・接続性がすべて進化しました。今回は実際の使用感を交えながら、その実力を徹底的にレビューしていきます。
高音質を支えるテクニクスの音作り
まず、eah az60m2の一番の魅力は音質です。
Technicsブランドは長年ハイエンドオーディオで培ってきたノウハウを活かし、ワイヤレスイヤホンでも“原音忠実”なサウンドを実現しています。
実際に聴いてみると、解像感の高さと音の広がりに驚かされます。
中高音域はクリアで粒立ちがよく、ボーカルが前に出てくる印象。低音は厚みがありながらも締まりがあり、重たすぎずバランスが絶妙です。特にピアノや弦楽器の繊細な響きが自然に再現されるのは、他社製品との差を感じるポイントでしょう。
対応コーデックはLDAC・AAC・SBC。
LDAC接続時にはハイレゾ相当の情報量を再生でき、対応スマホであれば有線に迫る音の透明感を楽しめます。Bluetooth 5.3対応により接続の安定性も高く、動画視聴でも遅延をほとんど感じません。
通話性能が大幅に進化した「JustMyVoice」技術
リモート会議や通話を頻繁に行う人にとって、マイク性能は非常に重要です。
eah az60m2では、独自の「JustMyVoice」技術が搭載されています。これは通話中に自分の声だけを的確に拾い、周囲のノイズを自動で抑制する仕組みです。
実際に駅構内やカフェなどで試したところ、相手にはクリアな声が届きました。風切り音や人の話し声が入っても、自分の声がこもらず、自然に聞こえるのが特徴です。
内蔵マイクの数や配置も見直され、旧モデルよりも指向性が高まっているため、マスクを着けて話しても声がこもりにくい印象でした。
テレワークや外出先でのオンライン会議でも安心して使える通話品質。
この点は、Sony WF-1000XM4やBose QuietComfort Earbuds IIなどの上位モデルにも引けを取りません。
ノイズキャンセリングの実力と外音取り込みの自然さ
eah az60m2には「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」が採用されています。
外部の騒音を検知するフィードフォワードマイクと、耳内部の音を拾うフィードバックマイクを組み合わせた方式で、車内やカフェなどの環境ノイズをしっかりカットします。
体感としては、低音域のノイズ(エアコンや電車の走行音など)の消音効果が特に高く、静寂空間に包まれる感覚です。
完全な無音ではなく、音楽を邪魔しない自然な遮音感が得られる点が好印象でした。
また「外音取り込みモード」も優秀で、イヤホンを装着したまま会話できるレベルの自然さです。
特に「Attentionモード」では人の声が明瞭に聞こえるため、コンビニや駅のアナウンスを確認したいときにも便利です。
3台同時マルチポイントの便利さ
eah az60m2のユニークな強みが「3台同時マルチポイント接続」です。
一般的なイヤホンは2台までの接続が多い中、本機はスマホ・タブレット・PCの3デバイスを同時に待機できます。
たとえば、PCで動画を再生中にスマホで着信があっても、自動で通話に切り替わり、終わるとまた動画に戻る。
このスムーズな切り替えは非常に快適で、複数端末を使う人ほど恩恵を感じるはずです。
Bluetoothの安定性も高く、接続の途切れやペアリングエラーはほぼありませんでした。
また、Google Fast PairやSwift Pairにも対応しているため、初回接続も簡単です。
アプリで自在にカスタマイズ
専用アプリ「Technics Audio Connect」を使うと、イヤホンの細かな設定を自分好みに調整できます。
できることは多岐にわたります。
・イコライザーで音質を調整
・ANCと外音取り込みの強度設定
・タッチ操作のカスタマイズ
・マルチポイント管理
・装着検知による自動一時停止
・ファームウェアアップデートの管理
特にEQ設定は優秀で、低音を少しブーストしたり、ボーカルを前に出したりと自由自在。
自分の好みに合わせて音作りを変えられるので、音楽ジャンルに応じた使い分けも楽しめます。
装着感とデザインの完成度
デザインは、上位機EAH-AZ80と似た高級感ある仕上がり。
マットな質感で指紋が付きにくく、ケースもコンパクトで持ち運びしやすいサイズ感です。
イヤーピースは7サイズ同梱されており、耳の形に合わせて最適なフィットを選べます。
軽量ながらもしっかりと密着し、長時間装着しても痛くなりにくいのが特徴です。
さらに防滴性能はIPX4に対応。
雨の日の外出やスポーツ時にも安心して使えます。
ジョギング中も安定して装着できるため、スポーツイヤホンとしても十分に活躍します。
バッテリー性能とワイヤレス充電
EAH-AZ60M2のバッテリーは、ANCオンで約7時間、ケース込みで最大24時間前後の再生が可能です。
LDAC接続時はやや短くなりますが、それでも4〜5時間ほど連続再生できます。
急速充電にも対応しており、15分の充電で約70分の再生が可能。
Qi規格のワイヤレス充電もサポートしているため、スマートフォンの充電パッドでそのまま充電できるのも嬉しいポイントです。
実際の使用感まとめ
総合的に見て、eah az60m2は「音質・通話・機能性」の三拍子が揃った完成度の高いイヤホンです。
音楽鑑賞用としてはもちろん、リモートワーク、外出時の通話、動画視聴まで万能に対応。
特にマルチポイントと通話性能の高さは、他社の同価格帯モデルを上回る印象です。
一方で、より深い低音や立体感を求める人には上位モデルEAH-AZ80のほうが合うかもしれません。
それでも価格と性能のバランスを考えると、eah az60m2は“コスパ最強クラス”といって差し支えない仕上がりです。
eah az60m2の高音質と通話性能を求めるなら
実際に使ってみて感じたのは、テクニクスがこの価格帯でここまでの完成度を実現していることへの驚きです。
音質にこだわる人、オンライン通話が多い人、複数デバイスを行き来する人──いずれにも自信を持ってすすめられるモデルです。
静かなリスニングからにぎやかなカフェまで、どんな環境でも快適に使える万能イヤホン。
「高音質も通話も妥協したくない」という欲張りな人こそ、eah az60m2を試す価値があります。
