オーディオテクニカの新しいオープン型ヘッドホン「ATH-R70xA」が登場しました。
2015年に発売された名機「ATH-R70x」から約10年ぶりの後継モデルということで、音質・装着感・デザインなど、どんな進化を遂げたのか気になりますよね。
この記事では、実際のレビューや比較情報をもとに、R70xAの特徴とR70xとの違いをじっくり解説します。
ATH-R70xAとは?R70xから10年ぶりのリニューアル
ATH-R70xAは、オーディオテクニカが「トゥルーオープンエアーオーディオ」をコンセプトに掲げて開発したリファレンスヘッドホン。
R70xの基本構造を引き継ぎながらも、より現代の制作環境や音楽リスニングに適したチューニングに進化しています。
R70xAの最大の特徴は、音の透明感と解像度の高さ。
旧モデルが持っていた自然な音場やフラットな再生傾向はそのままに、音の輪郭がよりシャープで、細部まで見通せるようになっています。
モニター用途はもちろん、リスニングでも心地よく使える仕上がりです。
外観とデザインの進化
外観はR70xのシルエットを踏襲しつつも、よりシンプルで現代的にブラッシュアップされています。
従来のウィングサポート方式から、より安定したヘッドバンド構造へ変更された点が大きなトピック。
これにより装着時のホールド感が増し、長時間の使用でもズレにくくなりました。
重量も210gから199gへと軽量化されており、わずかな差ながら頭への負担が軽くなっています。
さらに、イヤーパッドとヘッドパッドがマグネット式で着脱できるようになり、メンテナンスが容易になりました。
スタジオでの長期使用や衛生面を重視する人にも嬉しい改良です。
ドライバーと音響設計の特徴
R70xAは、従来と同じ45mm径のダイナミックドライバーを採用していますが、その内部構造や素材が見直されています。
ドライバーの固定精度や通気構造の最適化により、音の分離感と空間表現が大幅に向上。
解像度が高く、各楽器の位置関係や響きがより明確に聴き取れるようになりました。
また、インピーダンスは470Ωと高めながら、感度が97dB/mWに調整されており、ドライブしやすさも改善されています。
アンプとの相性を選びにくく、ポータブル環境でも十分に鳴らしやすくなった点は嬉しい進化です。
音質レビュー:R70xとの違いを聴き比べ
実際に聴き比べてみると、R70xAの音は一聴して“クリーン”。
全体のトーンバランスはフラットですが、音の粒立ちが細かく、音像がより近く感じられます。
R70xは中低域にほんのり温かみがあり、音楽的な厚みを感じさせるタイプ。
一方でR70xAは、低域がより引き締まり、モニター用途での正確さを追求しています。
ボーカルや弦楽器の質感がよりリアルに再現され、録音現場の空気感まで伝わるような感覚があります。
高域も滑らかに伸びており、シンバルやアコースティックギターの余韻が自然。
刺激を抑えたチューニングで、長時間聴いても耳が疲れにくいのが印象的です。
音場と定位感の違い
R70xは“柔らかく広がる音場”が魅力でした。
それに対してR70xAは、“より精密で立体的な空間表現”へと進化しています。
音の広がりが前後・左右・上下に自然に展開し、特にクラシックやジャズのライブ音源ではステージの空気感をリアルに再現。
定位感も非常に優秀で、ミックス中のパンニングやリバーブの確認がしやすいという声が多く見られます。
これはハウジング内部の新しい通気設計とドライバー制御の成果といえるでしょう。
装着感と使い心地の改善
R70xで賛否が分かれていた「ウィングサポート方式」。
軽快ながら人によっては安定感に欠けるという意見もありました。
R70xAではその部分を刷新し、より一般的なヘッドバンド構造に変更。
これにより、頭頂部への当たりが柔らかくなり、フィット感が格段にアップしています。
イヤーパッドも通気性と密着性を両立した素材に改良され、夏場でも蒸れにくく、長時間装着しても快適。
軽量化との相乗効果で、まるで“装着していることを忘れる”ような自然な使用感です。
プロ用途とリスニング用途の両立
R70xAは、スタジオモニターとしての精密さを持ちながらも、聴いていて楽しいサウンドに仕上がっています。
低域の量感は控えめながらも、しっかりと芯があり、ベースラインやキックの輪郭が明確。
中高域の情報量が多く、ボーカルの息遣いやアコースティック楽器の響きがリアルです。
そのため、音楽制作用途だけでなく、ハイレゾ音源のリスニングやクラシック鑑賞にも最適。
どんなジャンルでも誇張のない自然な音で再生できる点が、多くのユーザーに支持されています。
ユーザー評価と口コミの傾向
すでに多くのレビューサイトやSNSで話題となっており、評価は非常に高いです。
主な意見としては、
- 解像度が高く、音が立体的に感じられる
- 装着感が大幅に改善された
- フラットで長時間聴いても疲れない
- 旧モデルよりも空間表現が自然
といった声が目立ちます。
一方で、R70xの柔らかく温かみのあるサウンドを好む人からは、「少しモニターライクすぎる」という意見も。
つまり、R70xAは“より正確で分析的な方向”へ進化したモデルといえるでしょう。
ATH-R70xAはどんな人におすすめ?
・ミックス/マスタリングエンジニアや音楽制作者
→ 音の定位やディテールを精密にチェックしたい人に最適。
・高解像度のリスニングを楽しみたいオーディオファン
→ 色付けの少ない自然なサウンドで、録音の良さをそのまま味わえる。
・長時間装着して作業する人
→ 軽量で疲れにくく、ヘッドバンドの改良により快適性が向上。
逆に、低音の迫力や温かみを重視する人は、旧モデルのR70xの方が好みに合うかもしれません。
自分のリスニングスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
まとめ|ATH-R70xAレビューとR70xとの違いを振り返って
ATH-R70xAは、オーディオテクニカが10年ぶりに手がけたリファレンスモデルの進化形。
R70xの良さを残しつつ、より現代的な解像度と快適性を実現しています。
・軽量化と新しいヘッドバンドで装着感が向上
・音の分離と空間表現がより正確に
・フラットでありながら聴いていて心地よいサウンド
「ATH-R70xAレビュー|R70xとの違いや改良点を詳しく比較して解説」というタイトルどおり、
単なる後継機ではなく、“次世代のリファレンスヘッドホン”として確かな完成度を誇るモデルです。
音楽制作にもリスニングにも、これから長く愛される一台になるでしょう。
