Bang & Olufsen（バング＆オルフセン）の最新フラッグシップヘッドホン「Beoplay H100」。価格は約25万円。数ある高級ヘッドホンの中でも群を抜いて高価なこのモデルが、なぜここまで注目を集めているのか。実際に使った人のレビューや専門誌の評価をもとに、音質・機能・デザイン・使い勝手まで徹底的に掘り下げます。
Beoplay H100とは？ 高級ヘッドホンの到達点
Beoplay H100は、Bang & Olufsenが長年培ってきた音響技術とクラフトマンシップを凝縮したワイヤレスヘッドホン。上質なラムスキンレザーやアルミニウムなど、素材からして別格です。
ブランドの哲学は「一生使えるヘッドホン」。接着剤を使わない構造でパーツ交換が可能なモジュラー設計。修理しながら長く使えるように作られており、サステナブルな設計思想が随所に見られます。所有する喜びを味わうための「工芸品」としての存在感も、他の製品とは一線を画しています。
音質レビュー：圧倒的な解像度と繊細なバランス
高音の美しさと透明感
Beoplay H100の最大の特徴は、音の“透明度”。高音は伸びやかで、シンバルや弦楽器の響きが空間にスッと溶けるよう。余計な加工感がなく、自然な余韻が残るのが印象的です。
中音域のリアリティ
ボーカルやピアノの再現力は非常に高く、息づかいやタッチのニュアンスまで伝わります。音場の広さも抜群で、ステージの中に入り込むような感覚。特にクラシックやジャズのような生音系のジャンルで真価を発揮します。
低音の締まりと存在感
Beoplay H100の低音は量感よりも質重視。ドンシャリではなく、必要なところにだけ厚みがあるタイプ。ベースラインの動きやドラムの質感が自然で、全体の音を引き締めています。過剰に迫力を出すことがないので、長時間聴いても疲れません。
Dolby Atmosと空間オーディオ対応の立体音響
H100はDolby Atmosに対応しており、映画や対応音源ではまるで映画館のような没入感が味わえます。頭の動きに合わせて音の位置が変わる「ヘッドトラッキング」もサポート。音が“頭の中”ではなく“空間全体”に広がる感覚は圧巻です。
ただし、ワイヤレスでのハイレゾロスレス（aptX Losslessなど）には非対応。USB接続では最大96kHz/24bit再生が可能なため、音源にこだわる人は有線接続をおすすめします。
ノイズキャンセリング性能：静寂の中で音楽に浸る
H100には10基のマイクを搭載し、環境に応じてノイズを最適に打ち消すアクティブノイズキャンセリング（ANC）機能を備えています。街中や電車内でも驚くほど静か。物理的な遮音性と電子的なノイズ低減が高い次元で融合しています。
一方で、「圧迫感が少なく自然な静けさ」と評するユーザーも多く、強すぎるノイキャンが苦手な人にも向いています。ノイズを消しつつも音の自然さを保っている点は、B&Oらしい絶妙なチューニングです。
外音取り込み（TrueTransparency）：自然な会話が可能
周囲の音をマイクで拾って自然に取り込むTrueTransparencyモードも秀逸。イヤーカップを外さずに会話ができるほどの自然さで、外出時やオフィスでも実用的です。
タッチ操作でANCとの切り替えもスムーズ。精度の高いセンサー制御で、誤操作も少ない印象です。
操作性とUI：直感的で洗練された体験
操作系はハプティック式のタッチダイヤルを採用。音量調整やモード切り替えがスムーズに行え、フィードバックも心地よい。物理ボタンと違ってデザインを崩さず、感触も上質です。
アプリ「Bang & Olufsen」からはEQ設定やノイズキャンセリング強度の調整も可能。B&Oらしいシンプルで美しいUIが統一感を生み出しています。
装着感：ラグジュアリーな快適性
イヤーパッドは柔らかなラムスキンレザー製。耳を包み込むようなフィット感で、長時間のリスニングでも蒸れにくく快適です。
頭部への圧はやや強めですが、その分ホールド感がしっかりしており、動いてもズレにくい作りになっています。
バッテリーと充電性能：長時間リスニングを支える
Beoplay H100はANCオンで約32時間の連続再生が可能。空間オーディオ使用時でも30時間を超え、日常使いでは数日に一度の充電で十分です。
さらに5分のクイックチャージで約5時間再生できるため、急な外出でも安心。USB-Cケーブルによる高速充電にも対応しています。
デザインと素材：まるで工芸品のような存在感
H100のデザインは、ミニマルかつ彫刻的。アルミの冷たい質感とレザーの温かみが絶妙に融合しています。
ガラス製のインターフェースパネルは指紋がつきにくく、光の反射で微妙な表情を見せるなど、細部まで徹底した仕上げ。
どの角度から見ても美しく、「飾っておきたい」と感じるほどです。
耐久性・修理性：10年先を見据えた設計
Beoplay H100は、ほぼすべての部品が交換可能な設計になっています。イヤーパッドやバッテリーはもちろん、内部モジュールも分解しやすく、修理して長く使うことを前提にしています。
Bang & Olufsenはサステナビリティを強く打ち出しており、製品寿命を伸ばす思想が随所に感じられます。高価格の裏にあるのは「長期的な投資」という考え方です。
不満点・デメリットも正直に
・価格が非常に高い（約25万円〜）
・aptX Losslessなどの最新ハイレゾコーデックに非対応
・折りたたみ不可で持ち運びしづらい
・側圧が強めで好みが分かれる
このような点から、「音質やデザインにこだわる人」には最高の選択肢ですが、「コスパを重視する人」には過剰すぎる部分もあります。
どんな人におすすめか
Beoplay H100は、以下のような人に特に向いています。
- 音の美しさや自然な表現力を最優先したい人
- 高級感とデザイン性を重視する人
- 長く使えるヘッドホンを探している人
- 日常の中で“静寂と音の世界”を楽しみたい人
単なるガジェットではなく、「ライフスタイルを豊かにする道具」としての価値を感じる人にはぴったりの一台です。
まとめ：beoplay h100の音質や機能を徹底レビューした結果
Beoplay H100は、音・デザイン・素材・構造すべてにおいて完成度が高いヘッドホンです。
派手さや過剰な低音はなく、音楽そのものの美しさを丁寧に描くタイプ。Bang & Olufsenが掲げる“本物の上質さ”が、確かにこの一台には詰まっています。
25万円という価格は決して安くありません。しかし、それを上回る体験を日々与えてくれる稀有な製品。
もしあなたが「一生モノのヘッドホン」を探しているなら、Beoplay H100は間違いなく候補に入れるべき存在です。
