電子ペーパー端末といえば、KindleやKoboが定番という人も多いでしょう。でも最近、Android搭載のE Inkタブレットが静かに人気を集めています。その中でも注目度が高いのが「bigme b751c」。
今回はこの端末を実際に使って分かった魅力と弱点を、徹底的にレビューしていきます。
コンパクトで洗練されたデザインと携帯性
まず手に取って感じるのは、その軽さと薄さ。
bigme b751cは約212g、厚さ7mmと非常にスリムで、片手で長時間持っていても疲れにくいです。7インチサイズは文庫本や小型ノートほどの大きさで、バッグにもすっと収まります。
電車の中やカフェなど、外出先でも気軽に読書やメモができるのが嬉しいポイントです。
筐体デザインもシンプルで、マットな質感が上品。E Inkらしい落ち着いた見た目で、ビジネスシーンにも違和感がありません。
電子ペーパー特有の「紙に近い雰囲気」があり、光沢感のある液晶タブレットとはまったく異なる印象を与えます。
カラーE Ink「Kaleido 3」搭載で広がる表現力
bigme b751cの最大の魅力は、最新世代のカラー電子ペーパー「Kaleido 3」を採用していることです。
モノクロ時は300ppi、カラー時は150ppiの解像度で、電子書籍や漫画、資料などを美しく表示します。
もちろん、液晶や有機ELのような鮮やかさはありません。
しかし、E Ink特有の“紙のような質感”を残しつつカラー表示できるのは大きな進化です。
特に図解付きの本や、雑誌、マンガなどを読むときにはカラーのありがたみを感じます。
また、フロントライト機能が搭載されており、明るさや色温度を調整できます。
夜の読書や暗い場所でも快適に使用でき、目の疲れを抑えながら長時間読書が可能です。
Android 11搭載でアプリの自由度が高い
bigme b751cのもう一つの強みは、Android 11を搭載している点。
Google Playストアからアプリを自由にインストールできるため、使い方の幅が非常に広いです。
例えば、
- KindleやKoboアプリで電子書籍を読む
- Google Chromeで調べ物をする
- NotionやEvernoteでメモを取る
- DropboxやGoogle Driveで資料を閲覧する
といった使い方ができます。
従来の専用電子書籍リーダーでは制限されていた操作が、Androidベースなら自由自在。
「電子ペーパー版の小型タブレット」という感覚で使えます。
ただし、E Ink特有の画面リフレッシュの遅さは避けられません。
スクロール操作や動画視聴、ゲームなどには不向きです。
ニュース記事を読む、資料をチェックする、読書やメモを取るといった静的な用途に向いています。
読書体験の完成度:7インチサイズがちょうどいい
7インチというサイズは、読書専用機として非常にバランスが取れています。
文庫本サイズに近く、両手でも片手でも扱いやすい。
ページめくりはタップやスワイプだけでなく、物理ボタンでも操作できます。
ボタン派の読書好きにはこの仕様がたまらないでしょう。
ページ送りの反応速度はE Ink端末の中では比較的スムーズ。
ただし、アプリによっては残像や画面のチラつきを感じることもあります。
それでも、白黒ベースの読書アプリではほぼストレスなくページをめくれるレベルです。
手書きメモ機能とスタイラスペンの使い勝手
bigme b751cはスタイラスペンによる手書き入力にも対応しています。
付属のペンは電池式で、ペン先の摩擦感が紙に近く、自然な書き心地です。
メモアプリを開けば、アイデアやスケッチをすぐに書き留めることができます。
とはいえ、反応速度や筆圧検知の精度は高級機に比べるとやや劣ります。
本格的なイラスト制作や設計用途には不向きです。
一方で、打ち合わせメモやちょっとしたノート取りには十分。
E Ink画面の“インク感”が好きな人には心地よい体験となるでしょう。
また、Google Play経由で「OneNote」や「Evernote」などを入れれば、
クラウド同期も可能。ノートを複数デバイスで共有できるのも便利です。
バッテリー持ちとパフォーマンスのバランス
E Inkディスプレイの強みである省電力性は、bigme b751cでも健在です。
2300mAh〜3000mAh前後のバッテリーを搭載し、1回の充電で数日〜1週間ほど使えます。
もちろん、Wi-Fi接続やアプリ使用頻度によっては減りが早くなりますが、
液晶タブレットのように毎日充電する必要はほぼありません。
CPUはオクタコア2.3GHz、メモリ4GB、ストレージ64GBという構成で、
E Ink端末としては十分なスペックです。
アプリの起動も比較的スムーズで、動作のもたつきは最小限に抑えられています。
microSDカードで1TBまで拡張できるのも安心です。
カラーE Inkの限界と課題
ここで少し冷静に、弱点にも触れておきましょう。
bigme b751cは「カラーE Ink」の中では高い完成度を誇りますが、
やはり液晶ディスプレイに比べると色の鮮やかさには限界があります。
写真の表示や小さな文字が多い資料では、解像度の粗さを感じることも。
また、E Inkの特性上、画面更新時に一瞬チラつくことがあります。
ブラウジングやSNSなど、スクロール操作が多いアプリでは快適とは言えません。
これらはE Ink全般の課題ですが、使う目的を「読む・書く・考える」に絞ると気にならないレベルです。
他の電子ペーパー端末との違い
競合としてよく比較されるのが、BOOX Go Color 7やKobo Libra Colourなど。
BOOXは高性能でペン機能も強力ですが、価格が高く上級者向け。
Koboは読書専用でシンプルですが、アプリの自由度が低い。
bigme b751cはその中間に位置します。
「手頃な価格でカラーE InkとAndroidの自由度を両立した端末」として、
入門者から中級者まで幅広くおすすめできます。
実際に使って感じたこと
筆者が実際に数週間使ってみて感じたのは、
「読む・書く・考える」が自然に切り替えられる端末だということです。
ニュース記事を読んで気になった部分にマーカーを引く。
メモアプリを開いてアイデアを書き留める。
クラウド同期でPCやスマホと連携する。
この一連の流れが、液晶タブレットよりも静かで落ち着いた体験として成立します。
デジタルなのに、どこかアナログ的な温度感がある。
これがE Inkの最大の魅力であり、bigme b751cの存在価値だと感じます。
bigme b751cはどんな人に向いているか
この端末をおすすめできるのは、次のような人です。
- 目に優しい読書体験を求めている人
- Android対応の柔軟な電子ペーパーが欲しい人
- 漫画や雑誌をカラーで楽しみたい人
- メモやアイデアをすぐ書き留めたい人
- 軽量で持ち運びしやすい端末を探している人
逆に、動画視聴やゲーム、写真編集など動的な用途を重視する人には向きません。
用途をしっかり絞れば、非常に満足度の高い1台になります。
bigme b751cの実力を振り返って
最後に、bigme b751cの魅力と課題を改めて整理します。
魅力
- カラーE Inkで多彩な読書体験
- Android搭載でアプリの自由度が高い
- 軽量・薄型で持ち運びが快適
- 手書きメモ対応でノート代わりにも使える
課題
- カラー解像度の低さ(150ppi)
- E Ink特有のリフレッシュ遅延
- ペン精度は中程度、防水非対応
それでも、4万円台という価格を考えれば十分に優秀です。
カラーE Inkの世界を気軽に体験したい人には、間違いなくおすすめできる1台。
bigme b751cは「読むこと」を中心にしたデジタルライフを再定義する存在です。
静かに、集中して、本と向き合う時間を求めている人にこそ、この電子ペーパー端末の価値が伝わるでしょう。
