京都のど真ん中、四条烏丸。落ち着いた路地を抜けた先に、ひっそりと佇むイタリアン「bigoli（ビゴリ）京都本店」があります。
オープン以来、地元の人はもちろん観光客の間でもじわじわと話題になっているこの店。
看板メニューはもちろん「ボロネーゼ」。本場仕込みの生パスタがどんな味なのか、実際に足を運んで確かめてきました。
古民家を改装した大人の隠れ家
店があるのは京都市中京区、阪東屋町。烏丸駅や四条駅から歩いてすぐという便利な立地ながら、通りから一歩入ると空気がふっと静かになる。
木格子の外観に小さな提灯が掲げられ、「ボロネーゼ専門店」と書かれた文字が目を引きます。
店内は古民家をリノベーションした和モダンな空間。
黒と木目を基調とした落ち着いたトーンに、柔らかな照明が灯り、ワインのボトルがずらりと並ぶ棚が印象的です。
カウンター席では、調理の音と香りを間近に感じながらゆっくりと食事を楽しめる。
一方で奥のテーブル席は静かで、デートや女子会、ひとりランチまで幅広く対応できる雰囲気。
京都らしい落ち着きとイタリアンの明るさがうまく調和している空間でした。
看板メニュー「ボロネーゼ」は肉の旨味が主役
bigoliといえば、やはりボロネーゼ。
メニュー名には「熟成チーズのボロネーゼ」とあり、提供された瞬間にふわっと漂うチーズの香りに食欲をそそられます。
皿の中央には、濃いブラウンのソースをまとった太めのパスタ。
フォークで巻くと、麺がほどよく弾力を保ち、ソースをしっかりと掴んで離しません。
口に運ぶと、まず広がるのは挽き肉の濃厚な旨味。トマトの酸味は控えめで、肉の味を引き立てるようにバランスを取っています。
イタリア北部・ボローニャの伝統的なレシピに近く、甘さやケチャップ感のある日本的なミートソースとはまったく別物。
肉の粒立ちがはっきりしていて、噛むごとに肉汁と赤ワインの香りが広がる。
そこに削りたてのチーズが絡み、深みとコクをプラスしてくれます。
麺は店名の由来にもなっている「ビゴリ」タイプの太麺。
もっちりとした生パスタ独特の食感がたまらなく、噛み締めるほどに小麦の香りが立ち上がります。
まさに“食べるパスタ”という表現がぴったりでした。
こだわり抜かれた生パスタの秘密
この店のパスタは、イタリアから取り寄せた製麺機で作られる特製の生パスタ。
ビゴリとは、もともとヴェネツィア地方の伝統的な手打ち麺のこと。
古くは「ビゴロ」という押し出し式の製麺器で作られており、その太さとモチモチ感が特徴です。
bigoli京都本店では、この製法を再現しながらも日本の気候に合わせた調整を加えており、茹で時間や水分量を細かく管理。
オーダー後に茹で上げるため、麺が一番美味しい状態で提供されるようになっています。
実際、提供までに数分ほど待つものの、その待ち時間さえも期待感を高めてくれる。
アルデンテというよりは「弾むような食感」で、歯を押し返すような弾力が魅力。
食べ終わるころには“もう一皿いけるかも”と思ってしまうほど軽やかな後味でした。
サイドメニューとワインの楽しみ方
ランチタイムには、パスタ単品のほかにサラダやドリンクをつけたセットメニューも。
ディナータイムには、アンティパスト（前菜）やチーズ盛り合わせ、トリュフを使ったクリームパスタなどの一品料理も揃います。
特筆すべきはワインの充実度。
約100種類のワインが取り揃えられており、グラスでもボトルでも楽しめる。
セルフ式で少量ずつ飲み比べできるシステムもあり、料理とのペアリングを探す時間がまた楽しい。
ボロネーゼには、果実味のある赤ワインがよく合うとのことで、店員さんにおすすめを聞くと丁寧に教えてくれました。
重すぎない味わいのキャンティを合わせると、肉の旨味とワインの酸味が見事に調和。
食後の余韻まで心地よく残ります。
京都らしい静けさとイタリアの情熱が同居する空間
店の雰囲気は全体的に落ち着いていて、観光の喧騒から離れて食事を楽しめるのが魅力。
一人でも入りやすく、カウンター席から見えるキッチンではシェフが手際よく調理している様子が印象的です。
また、スタッフの接客もフレンドリーで、英語メニューも用意されているため海外からの観光客にも人気。
実際に訪れた日は、外国人カップルがワインを片手に食事を楽しんでおり、国際色豊かな雰囲気でした。
京都の伝統的な建物を生かしながら、イタリアンのエッセンスを融合させた空間は、
まさに“京都で一番イタリアらしい場所”と言っても過言ではありません。
口コミから見える評判と実際の印象
SNSや口コミサイトを見ると、「京都で一番美味しいパスタ」と評する声も少なくありません。
特にボロネーゼの肉の味わいとチーズの香り、そして生パスタの食感を絶賛するレビューが多く見られます。
一方で、「ランチタイムは混雑しやすい」「予約が取りづらい」といった声もあり、人気店ならではの課題も。
休日や観光シーズンは早めの来店がおすすめです。
また、味の方向性が“本場寄り”なため、トマトソース系の甘めを好む人には少しハードかもしれません。
ですが、肉の旨味をしっかり感じたい派には間違いなく刺さる味。
「これが本場のボロネーゼか！」と唸る人も多いでしょう。
ランチ・ディナーそれぞれの楽しみ方
ランチは気軽に、1,000円台からボロネーゼを味わえるコスパの良さが魅力。
ディナーになると照明が落ち、ワインバーとしての表情に変わります。
グラスを傾けながらゆったり過ごす時間は、京都の夜にぴったり。
ランチではサッと食べて仕事に戻るビジネスマンも多く、ディナーではデートや女子会で訪れる人が目立ちます。
どの時間帯でも共通しているのは、「料理を出すテンポの良さ」と「丁寧なサービス」。
おしゃれだけど気取らず、居心地の良い店です。
アクセスと店舗情報
- 所在地：京都府京都市中京区阪東屋町664-7
- 最寄駅：地下鉄烏丸線「四条駅」または阪急京都線「烏丸駅」から徒歩3分ほど
- 営業時間：11:00〜22:30（L.O 22:00）
- 電話番号：075-748-1570
- 予約：ディナーは電話予約可能、ランチは混雑時は不可の場合あり
アクセスも非常に便利で、観光の途中に立ち寄るのにも最適です。
祇園や河原町エリアからも歩ける距離なので、観光と食事を両立しやすいのも嬉しいポイント。
bigoliビゴリ京都本店をレビューして感じたこと
京都の伝統とイタリアの情熱が出会った場所——。
bigoli京都本店は、まさにその言葉が似合う店でした。
看板メニューのボロネーゼは、シンプルながらも素材と技術の結晶。
生パスタの食感、肉の旨味、チーズの香り、そのすべてが一皿の中で完璧に調和している。
派手さよりも、確かな味わいで勝負する“職人の料理”という印象です。
京都で本格的なイタリアンパスタを味わいたい人には、ぜひ一度足を運んでほしい。
そして、ひと口目の感動と最後の余韻を、ゆっくりと確かめてみてください。
bigoliビゴリ京都本店の生パスタは、きっと“京都の思い出”をより深いものにしてくれるはずです。
