高音質な完全ワイヤレスイヤホンを探している人の中で、最近注目を集めているのが「EAH-AZ80」。
Technics(テクニクス)が手掛けるフラッグシップモデルとして登場し、音質・装着感・機能性のすべてを高水準でまとめ上げた一台です。
今回は実機を使いながら、その実力をじっくり検証していきます。
EAH-AZ80とは?Technicsが放つフラッグシップの本気
EAH-AZ80は、Panasonicのオーディオブランド「Technics」が開発した完全ワイヤレスイヤホン。
10mm径のアルミニウム振動板ドライバーを搭載し、ワイヤレスながら高解像度で広がりのあるサウンドを再現します。
対応コーデックはSBC、AAC、そしてハイレゾ相当のLDAC。
Androidスマホで使うとその実力がより際立ちます。
さらにIPX4防滴対応、Qiワイヤレス充電対応、そして最大3台までのマルチポイント接続にも対応。
ビジネスからプライベートまで、さまざまなシーンで使いやすい万能機種に仕上がっています。
音質レビュー:ワイヤレスでも「音の厚み」が違う
まず驚かされるのは、音の厚みと分離感の良さ。
EAH-AZ80の音は、ただクリアというだけではなく、奥行きと立体感があります。
高音域は澄み切っていて、シンバルやストリングスがきらびやか。
ボーカル帯域の中音は前に出つつも耳に刺さらず、ナチュラルな響き。
そして低音は締まりがあり、量感とスピード感のバランスが見事です。
特に印象的なのは、音場の広さ。小型イヤホンとは思えないほどの空間再現性があり、ライブ音源やクラシックでも息遣いやホールの反響まで感じられます。
LDAC接続時はさらに情報量が増え、音の粒立ちが一層鮮明に。
一言でまとめるなら「有線に近い無線イヤホン」と言える完成度です。
ノイズキャンセリング性能:自然で疲れない静けさ
EAH-AZ80のノイズキャンセリング(ANC)は、静寂そのものというより「自然な遮音感」を追求したタイプ。
フィードフォワード+フィードバックのハイブリッド方式で、低周波ノイズから中高域の雑音まで幅広く軽減します。
電車やバスなどの低音域ノイズはしっかり抑えつつ、会話のような中域は程よく残すため、圧迫感が少なく耳疲れしにくいのが特徴。
長時間リスニングでも「静かすぎて耳が詰まる」感覚がないのは好印象です。
完全な遮断力ではソニーWF-1000XM5やBOSE QuietComfort Earbuds IIに一歩譲りますが、自然さと快適性ではEAH-AZ80に軍配が上がると感じます。
外音取り込みの自然さ:まるでイヤホンを外したよう
外音取り込み(アンビエントモード)の完成度も高く、会話が非常に自然に聞こえます。
マイク処理が的確で、声がこもらずクリアに届く。
イヤホンを装着したままレジでのやり取りも問題なしです。
他社製品のようにホワイトノイズが気になることも少なく、街中での安全性にも配慮されています。
この「音の自然さ」はTechnicsらしい緻密なチューニングの賜物でしょう。
装着感とデザイン:長時間でも快適なフィット感
EAH-AZ80は「コンチャフィット」と呼ばれる独自形状を採用。
耳のくぼみに沿うようにフィットし、ズレにくく安定します。
付属のイヤーピースは7サイズも用意されており、男女問わずフィット感を微調整可能。
耳への圧迫感も少なく、長時間つけていても疲れません。
デザインはシンプルかつ高級感のあるアルミフェイスプレート仕上げ。
カラーはブラックとシルバーがあり、どちらも落ち着いた印象でスーツにもカジュアルにも合います。
ケースの質感も上質で、手に持ったときの満足感があります。
細部までの作り込みは「さすがTechnics」と言いたくなるレベルです。
通話・マイク性能:風にも強い安定した音声
テレワークや外出時の通話でもEAH-AZ80は頼りになります。
独自技術「JustMyVoice™」により、周囲のノイズを抑えつつ声だけをピンポイントで拾ってくれる。
風が強い屋外や駅構内でも、相手に自分の声がクリアに伝わるという口コミが多いです。
実際、屋外で電話を試したところ、風切り音が入る場面でも音声が途切れず安定していました。
オンライン会議やZoomでの打ち合わせにも十分使える品質。
イヤホンマイクとしての信頼性も高いと感じます。
マルチポイント・アプリ機能:使い勝手が抜群
EAH-AZ80の強みのひとつが、最大3台のマルチポイント接続。
スマホ、PC、タブレットなどを同時に接続でき、再生中の機器を自動で切り替えてくれます。
たとえば、PCで動画を見ながらスマホに電話がかかってきた場合、自動でスマホ側に切り替わり、通話後はPCの音声に戻る。
このスムーズさは他社でもなかなか見られないレベルです。
専用アプリ「Technics Audio Connect」も完成度が高く、
・イコライザー調整
・ANC/外音取り込みのレベル設定
・タッチ操作のカスタマイズ
などが自在に行えます。
使いこなせば、音も操作性も「自分専用」にチューニング可能です。
バッテリーと実用性:1日しっかり使える安心感
EAH-AZ80のバッテリー持ちは、ANCオンで約7時間、ケース込みで約25時間ほど。
LDAC使用時はやや短くなりますが、日常的な利用なら十分なスタミナです。
ケースはQi規格のワイヤレス充電にも対応し、ケーブルレスで手軽に充電可能。
15分の充電で約1時間使える急速充電機能も便利です。
出先での使用を想定しても、電池切れの不安を感じる場面はほぼありません。
競合との比較:EAH-AZ80が選ばれる理由
同価格帯ではソニーWF-1000XM5、BOSE QuietComfort Earbuds II、AirPods Pro(第2世代)などがライバルになります。
これらと比べると、EAH-AZ80は「音質」「装着感」「多機能性」のバランスが非常に優秀。
ソニーのような圧倒的ANCや、BOSEの低音重視サウンドとは方向性が異なり、Technicsはより自然でニュートラル。
音の立体感や原音忠実性を重視するリスナーには、このチューニングが刺さります。
マルチポイント3台対応やアプリの自由度の高さもあり、「ビジネスにも音楽にも使いたい」という層に特におすすめです。
総評:EAH-AZ80は“高音質を日常に溶け込ませる”一台
EAH-AZ80をしばらく使ってみて感じたのは、派手さよりも「丁寧な完成度」。
音質・装着感・機能性のすべてが高次元でまとまり、どこを取っても隙がありません。
・音の解像度と立体感
・自然なノイズキャンセリング
・安定した通話品質
・3台同時接続の快適さ
どれも実用面でしっかり成果を感じられました。
唯一、強いて言えばANCの強度はソニーやBOSEに比べると穏やかですが、その分耳が疲れにくく、長時間リスニングに向いています。
「音を楽しむための静けさ」という設計思想が伝わってくるようです。
まとめ:EAH-AZ80のレビュー徹底検証を終えて
EAH-AZ80は、ワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスの音質と完成度を誇るモデルです。
LDAC対応の高解像度サウンド、自然なANC、快適な装着感、そして3台マルチポイント接続という利便性。
どの要素を取っても平均以上で、「どんなシーンにも寄り添うオールラウンダー」と言えます。
音楽をじっくり聴きたい人にも、リモートワーク中心の人にもおすすめできる実力機。
高品質なワイヤレスイヤホンを探しているなら、EAH-AZ80は間違いなく候補に入れておくべき一台です。
