ガンプラ好きなら誰もが一度は手に取るであろう「ストライクガンダム」。その中でも、初心者でも組み立てやすいと評判の ENTRY GRADE ストライクガンダム は、安価ながら完成度の高いキットとして注目を集めています。
今回は、実際に組んで感じたポイントを中心に、可動域や色分け精度、プロポーション、付属品の出来などをじっくりレビューしていきます。
EGストライクガンダムとは?シンプルなのに高完成度
EGストライクガンダムは、バンダイスピリッツが展開するENTRY GRADEシリーズのひとつ。価格はおよそ770円と非常に手頃ながら、最新の金型技術が惜しみなく投入されています。
このシリーズの特徴は、
- ニッパー不要の「タッチゲート方式」
- 説明書通りに組むだけで形になる高い設計精度
- 初心者でも安心して組めるシンプル構造
といった点です。
いわゆる“入門者向け”ながら、プロポーションやディテールはまったく侮れません。特にストライクガンダムは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』の主役機として人気が高く、EGシリーズの中でも完成度の高さで話題になっています。
組み立ては驚くほどスムーズ!工具なしでOK
実際に組み立ててみると、まず感じるのは「ストレスのなさ」。パーツはランナーから手で切り離せるタッチゲート仕様で、バリも少なく、組み付け精度も非常に高いです。
説明書も見やすく、どのパーツをどこに付けるかが直感的に分かるため、プラモデル初心者でも問題ありません。
さらに、パーツ構成がシンプルなのに“隙間のない完成度”を実現しているのがこのキットの凄いところ。組み立て後のボディラインも美しく、合わせ目がほとんど目立ちません。これが770円とは、もはや価格破壊レベルです。
素組みでも映える色分け精度の高さ
EGストライクガンダムの最大の魅力は、塗装なしでも十分に見栄えする高い色分け精度です。
ツインアイや頭部ダクト、胸部フレーム、シールドの赤と白、黄色のアクセントまで、しっかりと別パーツで再現されています。従来のHGCEストライクガンダムシリーズではシール頼りだった箇所が、EGではちゃんと成形色で再現されているのです。
もちろん完全ではなく、スラスター内部や腰の細部などは塗装を加えるとよりリアルになります。それでも、素組み状態でここまでの完成度を見せてくれるのは、ENTRY GRADEの中でもトップクラスと言えるでしょう。
可動域を徹底チェック!驚くほど動くEGストライクガンダム
EGと聞くと「安いけど動かないのでは?」と思うかもしれません。しかし、ストライクガンダムはその常識を覆すほどの可動域を持っています。
- 頭部:左右の回転や上下の動きがスムーズ
- 肩:引き出し構造でしっかり前方に動かせる
- 腰:回転・ひねりが自然でポージングしやすい
- 膝:深く曲げられ、立ち膝ポーズも可能
- 足首:接地性が高く、安定した立ち姿勢を維持できる
特に腹部の可動が秀逸で、自然な前傾姿勢が取れるため、ビームライフルを構えたポーズが非常に決まります。
この可動性能のおかげで、ポージングの自由度はHGCEストライクガンダムにも匹敵します。
関節構造と保持力のバランスも良好
EGストライクガンダムは、ポリキャップを一切使用していません。それでも関節の保持力はしっかりしており、ヘタリにくいのが特徴です。
関節部はABSライクな硬めのプラ素材を使っており、組み立て直後は少し固めに感じるほど。何度か動かしているうちに適度に馴染んできます。
膝や肘のクリック感も心地よく、いわゆる“パチ組み”で動かして遊ぶには最適な構造です。
武装と付属品:シンプルながら満足度高め
付属品は、ビームライフルとシールドの2点のみ。アーマーシュナイダーなどは付属していません。
ビームライフルはグレー一色の成形ですが、造形自体はしっかりしており、グリップ部も保持しやすい設計になっています。
シールドはEGの中でも特に評価が高く、赤・白・黄色がそれぞれ別パーツで色分けされています。塗装なしでここまでの完成度が出せるのは驚きです。
また、背面のジョイントはHGCEストライクガンダムシリーズと共通規格のため、別売りのストライカーパックを装着することも可能です。エールストライクガンダムなどを組み合わせれば、自分だけのカスタムストライクを楽しめます。
プロポーションの美しさはHG級
完成後の立ち姿を見てまず感じるのは「プロポーションの良さ」。
胸部や脚部のバランスが非常に整っており、アニメ劇中のシルエットに近い自然な造形です。肩幅が広すぎず、腰のくびれもスマート。スタンドに飾らずとも、直立状態で十分に映えます。
また、パーツの段差やモールドが細かく入っているため、スミ入れをするだけで一気に情報量が増します。素組み+スミ入れ+トップコートで、まるで塗装済みモデルのような完成度に仕上がります。
カスタマイズ性の高さも魅力
EGストライクガンダムは、カスタムベースとしても優秀です。パーツ構造がシンプルなため、他キットからの流用や塗装練習に最適。
エール、ランチャー、ソードといったHGCEストライクガンダム系のパーツがそのまま流用できるため、コレクションの幅を広げやすいのも嬉しいポイントです。
また、EG特有の組みやすさを活かして、塗装初心者の練習台にもピッタリ。成形色の発色がよく、塗料のノリも良好なので、筆塗りでも楽しめます。
気になる弱点と注意点
完璧に見えるEGストライクガンダムにも、いくつか注意点があります。
まず、スラスターや武器の細部は単色成形のため、塗装をしないと少しのっぺりとした印象になります。また、背中のストライカーパック接続穴がむき出しになるので、気になる人はカバーを用意するとよいでしょう。
さらに、関節の一部(特に太もも)は動かしすぎると緩くなる可能性があるため、無理なポージングは避けた方が無難です。
ただし、いずれも価格を考慮すれば大きな欠点ではなく、ちょっとした工夫で十分に解消できるレベルです。
総評:初心者にも上級者にもおすすめできる傑作EG
総合的に見ると、EGストライクガンダムは「価格・組みやすさ・完成度」のバランスが抜群のガンプラです。
初心者が初めて組むキットとして最適なのはもちろん、上級者でも“手軽に完成度の高い一体を作りたい”というときにぴったり。
- 組み立てやすく、ニッパー不要
- 色分け精度が高く、素組みでも映える
- 可動域が広く、ポージングも自由
- 他キットとの互換性も高い
この4点がしっかり揃っていることが、EGストライクガンダムが長く支持されている理由です。
コスパ面でも優れており、複数体購入してカラーバリエーションを楽しむ人も少なくありません。
EGストライクガンダムのレビューまとめ:可動域と色分け精度は価格以上!
最後にもう一度まとめると、EGストライクガンダムは 「ENTRY GRADE」という枠を超えた完成度の高いガンプラ です。
組みやすさ、動かしやすさ、見た目の良さ、すべてがバランス良く設計されています。
可動域は想像以上に広く、色分け精度も770円とは思えないレベル。初心者が最初に手にする一体として、また上級者の手慰みキットとしても間違いなくおすすめできる名作です。
ガンプラの基本を知りたい人、久しぶりに組んでみたい人、どちらにも満足度の高い一体。
手軽に“ガンダムの楽しさ”を再確認できるキットとして、EGストライクガンダムはぜひ一度組んでみる価値があります。
