ガンプラの中でも根強い人気を誇る「HGストライクルージュ+I.W.S.P」。SEEDシリーズのファンにとってはおなじみの一機ですが、改めてこのキットの魅力や組み立てやすさを徹底的にレビューしていきます。古き良きHGの構造を楽しめる一方で、現在のキットと比較してどんな特徴があるのかを、実際の組み立て体験を交えて解説します。
ストライクルージュ+I.W.S.Pとは?
このキットは『機動戦士ガンダムSEED』に登場するカガリ・ユラ・アスハの専用機「ストライクルージュ」と、統合兵装ストライカーパック「I.W.S.P(Integrated Weapons Striker Pack)」がセットになったものです。
I.W.S.Pは、エール・ソード・ランチャーのストライカーパックを統合した重装備ユニット。背部ウイング、ガトリング砲、レールガン、対艦刀など多彩な兵装を備え、まさに「全部乗せ」と呼ぶにふさわしい仕様です。組み立てるだけで圧倒的なボリュームと迫力を楽しめるのが最大の特徴です。
キットの基本スペックと外観
HG 1/144 ストライクルージュ+I.W.S.Pの本キットは、2004年に発売された比較的古いモデル。価格も手頃で、当時から初心者向けキットとして人気がありました。成型色は、ストライクルージュ特有の淡いピンクと赤のツートーン。女性パイロット機としての可愛らしさと、戦闘用モビルスーツとしての精悍さがうまく両立しています。
全体のシルエットはストライク系のスマートなデザインを踏襲しつつ、I.W.S.P装着時には一気に重厚感が増します。ウイングを広げた状態ではかなりの存在感があり、ディスプレイ映えも抜群。棚やデスクに飾っても目を引く仕上がりです。
組み立てやすさと作り心地
古いHGシリーズとはいえ、組み立ての難易度は比較的低めです。パーツ数も適度で、説明書の構成もシンプル。初心者でも迷わずに組めるようになっています。
ただし、一部のパーツ向きには注意が必要。特に腕部装甲の取り付け方向を誤ると可動が制限されることがあるので、確認しながら進めるのがおすすめです。また、I.W.S.Pの大型パーツは重みがあるため、背部ジョイントの接続をしっかり確認しておきましょう。
全体としては「古き良きHG」といえる作りで、現行HGCEシリーズに比べれば関節構造はシンプルですが、その分スムーズに進みます。組み立てながら完成形が見えていく感覚が心地よく、短時間で達成感を味わえます。
色分けと塗装ポイント
成型色だけでもそれなりに見栄えするものの、色分けは今のキットほど細かくありません。I.W.S.Pの砲身やウイングのグレー部、シールドのラインなどはシールや塗装による補完が前提です。素組みでも十分楽しめますが、ワンポイントでスミ入れを施すだけでも印象が引き締まります。
特におすすめは、ウイングやレールガンのディテールを黒系でスミ入れすること。立体感が増し、武装の存在感が一気に際立ちます。部分塗装に慣れてきた人なら、メタリック系の塗料でバーニアを塗るのもおすすめです。
可動域とポージング性能
可動域は全体的に良好ですが、最新キットほど柔軟ではありません。肘や膝の曲げ角度にはやや制限があり、ダイナミックなアクションポーズを取る際は工夫が必要です。とはいえ、I.W.S.P装備時のバランスは悪くなく、ウイング展開や二刀流ポーズなどはしっかり決まります。
I.W.S.P本体のウイングや砲身も可動式で、角度を変えることで飛行姿勢や射撃シーンを演出可能。スタンドを使えば、空中戦を再現するディスプレイも楽しめます。
I.W.S.Pの重装備が放つ存在感
このキット最大の見どころは、何と言ってもI.W.S.Pの武装群。105mm単装砲、レールガン、ガトリング砲、対艦刀と、すべての武器を一機に集約した贅沢な構成です。
左右のウイングにレールガン、背面に砲塔、さらに両手に対艦刀を構える姿は圧巻。ストライクシリーズの中でもトップクラスのボリュームを誇ります。しかも、I.W.S.Pは他のHGストライク系にも流用可能で、カスタマイズ性も高い。エールストライクガンダムやソードストライクガンダムに装着して遊ぶビルダーも多いようです。
素組みでも映える完成度
塗装をしなくても全体のフォルムが整っているため、素組み派にもおすすめです。ピンクとホワイトの成型色が柔らかく、I.W.S.Pのメカニカルな質感と好対照。無改造でも存在感が強く、写真映えのするキットです。
レビューサイトでも「素組みでここまで完成度が高いのは嬉しい」「I.W.S.P単体でも飾りたい」といった好意的な評価が多く見られます。古いキットながらデザインの完成度が高く、ストライクシリーズの魅力を再確認できる一体です。
改修・カスタムの楽しみ方
もし塗装や改修に挑戦するなら、I.W.S.P部分のディテールアップが効果的。スジ彫りの彫り直しや、砲口の金属パーツ化など、少し手を加えるだけで印象が変わります。関節の可動域を広げたい場合は、ポリキャップの調整や新型関節の流用も選択肢に。
また、I.W.S.Pを他のストライクガンダムに装備させる「ミキシングビルド」も人気の楽しみ方です。エールストライクガンダムのボディにI.W.S.Pを取り付けると、さらに重厚な姿に進化します。シリーズを集めている人なら、自由に組み替えて自分だけのストライクを作るのも面白いでしょう。
評価まとめ:古さを感じさせない完成度
総合的に見ると、HGストライクルージュ+I.W.S.Pは「手軽に作れて、満足感の高い良キット」です。2000年代初期の設計ながらも、今見ても十分通用するプロポーションと存在感を持っています。
確かに最新のHGCEシリーズと比べれば色分けや可動域の面で差はありますが、それを補って余りあるデザイン性と重装備の魅力がある。組み立てやすさと迫力を両立したバランスの良いキットです。
ガンプラ初心者にもおすすめできますし、SEEDファンにとっては外せない一体です。I.W.S.Pのボリューム感を手軽に体感したいなら、このHGは間違いなく満足できるでしょう。
HGストライクルージュ+I.W.S.Pの魅力を改めて感じてみよう
HGストライクルージュ+I.W.S.Pは、シンプルな構造ながらも完成後の存在感が圧倒的。古い設計であっても、組み立ててみると改めてその良さに気づかされます。ガンプラを始めたばかりの人でも、工具と時間さえあれば楽しめる名キット。素組みでも、塗装でも、自分らしい1体に仕上げてみてください。
I.W.S.Pを背負ったストライクルージュの姿は、いつ見ても凛として美しい。その完成度を、ぜひ自分の手で確かめてみましょう。
