ガンプラの中でも長年愛され続けている定番キット、HGUCガンダムMKⅡ。Zガンダムの序盤を彩ったこの機体は、リニューアルされたREVIVE版の登場によって可動域や造形が大幅に進化しました。この記事では、実際に組んで感じた印象をもとに、プロポーション・可動性能・付属武装・組み立てやすさまで徹底レビューしていきます。
HGUCガンダムMKⅡとは？シリーズの定番を担う完成度
HGUC（High Grade Universal Century）は、宇宙世紀シリーズに登場するモビルスーツを1/144スケールで立体化したシリーズ。手頃な価格で高いクオリティを楽しめることで人気を博しています。その中でもガンダムMKⅡは、Zガンダムの象徴的な存在として長年ファンから支持を集めてきました。
HGUCガンダムMKⅡ REVIVE版は、2002年版から可動構造・パーツ分割・色分けが刷新され、現代的なプロポーションへと進化しています。発売から数年経った今でも、その完成度の高さは「HGの教科書」と称されるほどです。
スタイリッシュなプロポーションと成形色の完成度
まず目を引くのは、全体のシルエット。REVIVE版のガンダムMKⅡは、旧HGUC版のやや太めだった体型をスリム化し、脚や腰回りのラインをより自然に整えています。細身ながら力強さもあり、どの角度から見てもバランスの取れたデザインです。
成形色の再現度も優秀で、白・紺・グレー・赤・黄といった機体の配色がしっかり分かれています。細部のセンサーやスラスター部分はシールで補う構成ですが、素組みでもかなりの完成度。スミ入れや部分塗装を軽く加えるだけで、展示に耐えうる仕上がりになります。
また、胸部のダクトや脚部のモールドなど、モデラー心をくすぐるディテールも秀逸。HGながら情報量が多く、筆塗りやウェザリングの練習台としても最適です。
可動範囲の進化：REVIVE版の真価
HGUCガンダムMKⅡの最大の魅力は、やはり可動範囲の広さ。REVIVE版で刷新された関節構造により、旧版では難しかったダイナミックなポーズも難なく決まります。
- 頭部：ボールジョイント＋可動軸で、上下左右にしっかり動く。見上げる・見下ろす動作も自然。
- 腕部：肩の引き出し機構により、前方への可動がスムーズ。肘は二重関節で深く曲がり、ビームライフルの両手持ちも余裕。
- 腰部：スカートアーマーは独立可動し、脚の開脚に干渉しにくい構造。腰の回転も広く取られています。
- 脚部：膝は深く曲げられ、つま先立ちのようなポーズも安定。足首も前後左右に可動するため、地面との設置感が良好。
特に「立たせるだけで絵になる」という声も多く、直立ポーズのバランスも絶妙。可動域とデザインの両立が取れた、まさにHGの完成形といえます。
武装・ギミックの充実度
付属する武装は、ガンダムMKⅡの定番をすべて網羅しています。
- ビームライフル
- ハイパーバズーカ
- シールド
- ビームサーベル×2
- バルカンポッドシステム
それぞれの造形精度が高く、細部まで丁寧に再現されています。ビームライフルはフォアグリップが可動し、構えたときの自然な角度を調整可能。ハイパーバズーカは腰にマウントでき、装備状態でも安定感を損ないません。
シールドは折りたたみギミック付きで、展開・収納を再現できます。ビームサーベルのエフェクトパーツもクリアピンクで見栄えが良く、アクションポーズを一層引き立てます。
武器保持力も安定しており、関節がへたることも少なめ。アクションベースを使用すれば、劇中の飛行ポーズや射撃シーンも自在に再現可能です。
組み立てやすさと仕上がりの良さ
REVIVE版HGUCガンダムMKⅡは、パーツ数を抑えながらも構造が洗練されており、組み立てのしやすさが際立っています。説明書の指示も分かりやすく、初心者でもスムーズに完成までたどり着けます。
全体的な組み時間は2〜3時間ほど。ゲート跡も目立ちにくく、ランナー配置が直感的なので、工具に慣れていない方でも安心です。
合わせ目がほぼ目立たない構成になっている点も嬉しいポイント。肩や腕などの主要部位ではパーツ分割でラインを隠す設計になっており、合わせ目消しをしなくても美しく仕上がります。塗装派にも嬉しいバランス設計です。
旧版との違いとREVIVE版の魅力
2000年代初期に発売された旧HGUC版と比べると、REVIVE版はほぼ別物といえるほど進化しています。
- 可動範囲が大幅に拡大
- プロポーションの改善（スマートでスタイリッシュ）
- 関節の強度とポージング安定性の向上
- 成形色・パーツ分割の最適化
旧版では腕の可動や首の可動が制限されていましたが、REVIVE版では二重関節や引き出し構造によって劇的に改善。ポーズの自由度が格段に上がり、まるでMGクラスのような可動を1/144スケールで楽しめます。
また、関節保持力も向上しており、長時間のディスプレイでもポーズが崩れにくい仕様。細部のディテールも現代基準に刷新されており、見た目の密度感が向上しています。
ビギナーにも上級者にもおすすめの理由
HGUCガンダムMKⅡは、初めてのガンプラとしても、塗装・改造のベースとしても優秀なキットです。
初心者にとっては、
- 組み立てが簡単
- カラー再現が高い
- 失敗しにくい構造
という安心感があります。
一方、上級者には、
- スミ入れ映えするディテール
- 改造素材としてのポテンシャル
- エゥーゴ／ティターンズ両仕様での作り分け
など、作品としての完成度を追求する楽しみが広がります。
塗装やデカールを施せば、さらに「自分だけのMKⅡ」に仕上げることも可能。ベース機としての優秀さは今でも群を抜いています。
気になる点と注意点
全体の完成度は非常に高いものの、細部にはいくつか気をつけたい点もあります。
- 肩装甲がやや外れやすい個体がある
- バズーカやライフルの保持角度によってはバランスを崩すことも
- シール箇所がやや多めで、素組みでは一部色の足りなさを感じる
これらは軽微な点であり、簡単な調整や部分塗装で十分対応可能です。むしろ「少し手を加える余地がある」ことが、プラモデルとしての楽しさを広げてくれます。
まとめ：HGUCガンダムMKⅡの性能や可動範囲を詳しくレビュー解説
総合的に見て、HGUCガンダムMKⅡは価格・造形・可動の三拍子がそろった名作キットです。REVIVE版によって現代的なスタイルと高い可動性を手に入れ、素組みでも完成度が高く、塗装すればさらに映える。まさに「HGシリーズの完成形」と言える仕上がりです。
旧版を知るファンにとっては進化を感じられ、新規モデラーにとってはガンプラの基礎を学べる理想的な入門キット。
可動範囲の広さ、ディテールの細かさ、そして組みやすさ。どれを取っても隙のない完成度で、今なお多くのガンプラファンに支持されている理由がよくわかります。
ガンプラを始めたい人も、久しぶりに作りたくなった人も——この**HGUCガンダムMKⅡ**は間違いなく満足できる一体です。
