ソニーの有線イヤホン「MDR EX650AP」は、発売から年数が経った今も根強い人気を誇るモデルです。今回は実際の使用感や音質の特徴、他モデルとの違いを交えながら、このイヤホンの魅力をじっくり掘り下げていきます。
真鍮ハウジングが生み出す上質な音とデザイン
MDR EX650APの最大の特徴は、真鍮（しんちゅう）製ハウジングを採用している点。金属ならではの重厚感ある見た目に加え、不要な共振を抑えて音の濁りを減らす設計がされています。
手に取ると、ずっしりとした質感と滑らかな金属の輝きに高級感を感じるはず。特にブラスブラウンのカラーは上品で、ケーブル部分も絡みにくく扱いやすいと評判です。長く使っても安っぽさを感じない、まさに“大人のイヤホン”といえるでしょう。
MDR EX650APの音質レビュー：中低域の厚みと高域の抜け
聴いてまず感じるのは、自然な低音の量感と中音域のクリアさ。12mmのダイナミックドライバーを搭載し、再生周波数帯域は5Hz〜28,000Hzと広めです。スマートフォンやDAPでも十分に鳴らせる16Ωの低インピーダンス設計で、どんな環境でも安定した音を楽しめます。
多くのレビューで評価されているのは、バランスの良さ。低音が強調されすぎず、中音域がしっかり前に出てくるため、ボーカルが非常に聴き取りやすいのが印象的です。
高音域は刺さるような派手さではなく、柔らかく伸びやか。ソニーらしいナチュラルなサウンドで、長時間のリスニングでも耳が疲れにくいと感じます。
特にアコースティックやジャズ、ポップスとの相性が良く、ベースやスネアのアタック感が心地よく伝わります。EDMなど重低音主体の曲ではやや控えめに感じる人もいますが、全体のまとまりの良さは健在です。
使い心地と装着感：長時間でも快適
カナル型イヤホンの装着感は人によって好みが分かれますが、MDR EX650APは多くのユーザーが「耳にぴったりフィットする」と高評価をつけています。
イヤーピースのサイズが複数付属しており、自分の耳に合わせて調整できるのもポイントです。
また、ケーブルが柔らかく取り回しやすい設計で、持ち歩きにも便利。コードノイズ（ケーブルが衣服に擦れる音）は完全には避けられませんが、L字型プラグのおかげでスマートフォンをポケットに入れても取り回しやすい点は実用的です。
マイク付きリモコンも搭載しており、通話や音楽操作も手元でスムーズに行えます。ハンズフリー通話でも相手の声がはっきり聞こえる、マイクの集音性能もまずまず。リモートワークやオンライン会議でも活躍します。
デザインと質感：価格以上の高級感
真鍮製のハウジングは、見た目にも重厚で、他のプラスチック製イヤホンとは一線を画します。
金属素材の反響を抑えながら音の透明感を高める構造は、デザインと音の両立を実現。ブラスブラウンの上品な色合いが落ち着いた印象を与え、カジュアルからビジネスシーンまで自然に馴染みます。
見た目の高級感に反して価格は手頃で、購入者の多くが「見た目と音のバランスを考えると非常にコスパが良い」と評価しています。
MDR EX650APを選ぶ理由と注意点
このイヤホンを選ぶ理由として多く挙げられるのは、音のバランスの良さと装着感の快適さ、そしてデザイン性。
一方で、より強い重低音を求める人や、ハイレゾ再生を極めたい層には少し物足りなさを感じる場合もあります。
音の傾向は中域中心で、派手さよりも自然さを重視したチューニング。
そのため、「高解像度」「キレのある音」を求めるリスナーよりも、「長く聴いても疲れない音」「ナチュラルな音場」を好む人に向いています。
有線イヤホンゆえにワイヤレスのような自由さはありませんが、音質面ではBluetoothイヤホンを凌駕します。
音楽の細部までしっかり聴きたい人にとって、MDR EX650APは今でも十分魅力的な選択肢です。
他モデルとの比較：MDR EX255APやMDR EX750APとの違い
同シリーズの下位モデル「MDR EX255AP」と比較すると、MDR EX650APの方が全体的に音の解像度が高く、音場も広め。真鍮ハウジングの効果で、音の響きに深みが生まれています。
一方、上位モデルの「MDR EX750AP（h.ear in）」はよりモニターライクなサウンドで、細部の再現力が高い印象。ただし、価格はMDR EX650APの倍以上になるため、コストパフォーマンスを重視するならMDR EX650APがバランス良好です。
つまり、MDR EX650APは“中堅の最良点”に位置するイヤホン。価格、音質、デザイン、装着感のすべてが高水準でまとまっています。
実際のユーザー評価
レビューサイトやSNSでの評判をまとめると、以下のような意見が目立ちます。
- 「5,000円台でこの音質は驚き」
- 「中域がクリアでボーカルが聴きやすい」
- 「真鍮ハウジングの質感が好き」
- 「ワイヤレス全盛期でも手放せない」
- 「長時間でも疲れない音」
一方で、「コードノイズが少し気になる」「リケーブルできないのが残念」といったマイナス意見もあります。しかし、総合的な満足度は非常に高く、Amazonや価格.comでも星4以上を獲得しています。
MDR EX650APは“聴き疲れしないイヤホン”を探す人におすすめ
音質の派手さよりも、安定感と聴きやすさを求める人にはMDR EX650APがぴったりです。
低音から高音まで自然に繋がり、音の輪郭がしっかりしているため、どんなジャンルでもバランスよく楽しめます。
通勤・通学時の音楽リスニングや、自宅でじっくり聴く時間にも向いており、「何時間でも聴いていられるイヤホン」という表現がしっくりくるモデルです。
長く愛用できる信頼性の高さも、このイヤホンが今なお評価され続けている理由のひとつでしょう。
MDR EX650APの使用感レビューと音質評価のまとめ
最後にもう一度、MDR EX650APの魅力を整理します。
- 真鍮ハウジングによる豊かな音と高級感
- バランスの取れた中低域と自然な高域
- 長時間の使用でも疲れにくい装着感
- 有線ならではの安定した音質
- 価格以上の完成度とコスパの良さ
ワイヤレスイヤホン全盛の今でも、「音質重視」でイヤホンを選びたい人にはMDR EX650APが強くおすすめできます。
真面目で誠実な音作りが光るこのモデルは、派手さよりも“良い音を長く楽しみたい”人にとって、まさに最適な一台です。
