ガンプラの名作の中でも、いまだにファンの支持が厚い「MGザクver2」。
2007年に登場したこのキットは、今なお“完成形”と評されるほどの完成度を誇ります。
この記事では、そんなMGザクver2を実際に組み立てながら、その構造・特徴・可動性・仕上がりを徹底レビューしていきます。
MGザクver2とは？進化した“量産型の美学”
MGザクver2は、バンダイの「MGシリーズ（MG）」の中でも特に評価が高い一体。
内部フレームを中心とした構造は、従来のMG 1/100 MS-06F/J ザクII（Ver.1.0）とはまったく別物です。
最大の特徴は「人間の動きを再現する可動構造」。
脚や腕が自然な関節の流れで動くよう設計され、膝立ちや構えポーズなども無理なく決まります。
特に脚部は2重関節構造となっており、動かしても破綻しないバランスの良さが際立ちます。
また、全体のフォルムは初代ガンダムに登場する「ザクII」の印象を忠実に再現。
丸みのあるライン、独特の頭部形状、ボリューム感のある脚部が美しく調和し、
“量産型でありながら機能美を感じさせる”造形に仕上がっています。
組立体験：パーツ構成とフレーム設計の妙
MGザクver2を組んで最初に感じるのは、パーツ分割の細かさです。
内部フレームから外装パーツまでの構造が丁寧に設計されており、
パチ組みでもしっかりと立体感と密度感が出ます。
特に印象的なのが「動力パイプ」の組立。
ザクの象徴ともいえるこの部分は、Ver.2.0ではスプリングとパイプパーツを組み合わせて再現。
脚部や腰部に可動追従する構造となっており、動かすたびにフレームの完成度を実感できます。
ただし、ここは少し難易度が高め。
パーツが細かく、接続がタイトなため、丁寧に作業することがポイントです。
ゲート跡の処理や部品のはめ込み角度をしっかり確認すれば、完成後の仕上がりが格段に美しくなります。
内部フレームが生み出す自然な可動域
MGザクver2の魅力を語る上で欠かせないのが「可動域の広さ」です。
フレーム自体が“骨格”のように全身を支え、装甲を着せる構造になっています。
そのため、腕の曲げ伸ばし、肩の前後スイング、腰のひねりなどが非常に自然。
特に膝関節の動きは見事で、深く曲げても装甲干渉が少なく、まるで人間の膝のような挙動を見せます。
足首も多重構造のジョイントになっており、接地性が高いのもポイント。
重量バランスがしっかりしているので、片膝立ちや銃構えポーズも安定して保持できます。
外装ディテール：リアルな質感と重厚な存在感
MGザクver2は、ただの“動くプラモデル”ではありません。
外装パーツのモールド、装甲の質感、細かなパネルラインの設計など、
まるで実在するメカを縮小したようなリアリティを備えています。
合わせ目はモールド処理で目立ちにくくなっており、素組みの状態でも完成度が高いです。
ディテールの密度が絶妙で、塗装なしでも情報量の多い仕上がりになります。
もちろん、スミ入れや部分塗装を施すとさらに引き締まり、劇中イメージに近づけることができます。
カラーリングはグリーンの成形色が美しく、量産型ザクの象徴的な雰囲気を忠実に再現。
派生のMG 1/100 MS-06S シャア専用ザク Ver.2.0では、赤の色味が上品で深みがあり、ディスプレイ映えも抜群です。
豊富な付属品と武装の再現度
MGザクver2には、ザク・マシンガン、ザク・バズーカ、ヒート・ホークといった定番武装がすべて付属。
それぞれの造形精度が高く、手に持たせたときの迫力があります。
特にザク・マシンガンは、スコープ部が可動し、弾倉交換も再現可能。
ザク・バズーカも腰にマウントできる構造で、武装展開の自由度が高いです。
さらに、MG 1/100 MS-06S シャア専用ザク Ver.2.0にはフィギュアや整備車両まで付属しており、
ディスプレイ時に“物語性”を感じさせる構成になっています。
素組みでも満足、塗装すれば極上の完成度に
MGザクver2は、成形色とパーツ分割が秀逸なので、素組みでも見栄えが良いのが特徴。
一方で、塗装やスミ入れ、デカール仕上げを行うと驚くほどの完成度に変貌します。
ウェザリングを加えることで、戦場での使用感を演出することもでき、
自分なりの「ザク」を作り上げる楽しみが広がります。
また、フレーム構造がしっかりしているため、カスタムパーツの取り付けや改造にも適しています。
塗装派・改造派のどちらにも愛される理由が、ここにあります。
評判とユーザー評価の傾向
発売から十数年が経過した今でも、MGザクver2は高評価を維持しています。
各種レビューサイトでは「可動域が広く、プロポーションが完璧」「今でも通用する名キット」
といった声が多く、完成後の満足度も非常に高いです。
一方で、動力パイプの組み立て難易度や、フレームパーツの細かさに苦戦したという意見もあります。
しかしそれも“作りごたえのあるMGシリーズ”として肯定的に受け取る人が多く、
プラモデルとしての楽しさを味わえるキットであることに変わりはありません。
MGザクver2は今なお完成形の名キット
改めて振り返ると、MGザクver2は単なるアップデート版ではなく、
“MGシリーズの設計思想を確立した転換点”とも言える存在です。
内部フレームの進化、自然な可動、リアルなディテール、組み立ての達成感。
どの要素をとっても、ガンプラの魅力を凝縮した傑作です。
新しいMGシリーズが次々と登場する今でも、
このMGザクver2は「これぞMG」と感じさせるスタンダード。
初心者から熟練モデラーまで、誰もが楽しめる懐の深さを持っています。
MGザクver2レビューのまとめ：時代を超えて愛される理由
MGザクver2は、発売から年月を経ても色あせない“完成された設計”を持つキット。
自然な可動域、緻密なディテール、豊富な武装、組み立ての楽しさ。
そのすべてがバランス良くまとまった名作です。
可動・造形・遊びの三拍子がそろい、
どんな世代のガンプラファンにもおすすめできる完成度。
ガンプラを代表する存在として、今も輝き続けています。
MGザクver2をまだ組んだことがないなら、ぜひ一度手に取ってみてください。
組み上げた瞬間、その名が長年愛され続ける理由を、きっと実感できるはずです。
