MSI Clawの性能と使い勝手を実機レビューで紹介

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ポータブルゲーミングPC「MSI Claw」。発売当初から話題を集めてきたこのモデルを、実際に使って感じたこと、そして最新モデル「MSI Claw 8 AI+ A2VM」でどこまで進化したのかを徹底的にレビューしていきます。Steam DeckROG Allyと並び、いま最も注目されている携帯型ゲーミングPC。その実力と使い勝手を、実際の体験を交えて紹介します。


MSI Clawとは?MSI初の携帯型ゲーミングPC

MSI Clawは、PCパーツメーカーとして知られるMSIが手掛けた、Windows 11ベースのハンドヘルド型ゲーミングデバイス。2024年に初代モデルが登場し、翌年には改良版「MSI Claw 8 AI+ A2VM」が発売されました。見た目は家庭用ゲーム機のようですが、中身はれっきとしたWindows 11 PC。Steam DeckやEpic Games Store、XboxアプリなどからPCゲームをそのままプレイできます。

「携帯できるゲーミングノート」といっても過言ではなく、机に向かわずソファやベッドでAAAタイトルを遊べるのが最大の魅力です。


スペックとハードウェアの進化

初代Claw(A1Mシリーズ)は、Intel Core Ultra 7 155HIntel Core Ultra 5 135Hを搭載。GPUにはIntel Arc 140Vを採用し、7インチ・フルHD・120Hzディスプレイという贅沢な仕様でした。
そして2025年に登場した「MSI Claw 8 AI+ A2VM」は、そのすべてを上回るスペックへ進化しています。

CPUはIntel Core Ultra 7 258V、メモリは32GB LPDDR5X。GPUはIntel Arc 140Vを搭載し、画面サイズも8インチに拡大。解像度は1920×1200で、120Hzのリフレッシュレートを維持しながら発色や輝度も向上しました。バッテリー容量は80Whに増加し、実用時間が伸びている点もポイントです。

見た目は初代モデルよりやや大きくなりましたが、その分放熱性能が向上し、高負荷ゲームでも安定した動作を実現しています。


実際のゲームパフォーマンス

実機でのテストでは、タイトルによって挙動に差が出ます。
Cyberpunk 2077」や「ELDEN RING」などの重量級タイトルでは、解像度を下げれば60fps前後を維持。「Fortnite」や「Apex Legends」など中量級のタイトルは、設定次第で快適に動作します。インディーゲームや2Dタイトルではまったく問題ありません。

内蔵GPUという制約はあるものの、Intel Arc 140Vのパフォーマンスは想像以上。以前のIntel内蔵グラフィックスとは比べ物にならないほど進化しており、ドライバーアップデートでさらに改善され続けています。
もちろん外部GPUを接続すれば、据え置きゲーミングPCに近い性能も引き出せます。


画面と音質のクオリティ

Clawのディスプレイは、120Hzの高リフレッシュレートが効いていて非常に滑らか。動きの速いFPSやアクションゲームでも残像が少なく、没入感があります。IPSパネル採用で色再現性も高く、映画やYouTube視聴にも最適です。

スピーカーも内蔵としては意外なほどしっかりしており、ステレオ感が明確。ゲーム内の環境音やBGMを楽しめます。イヤホンジャックやBluetoothオーディオにも対応しており、外出先でも柔軟に使えます。


コントローラーの操作性

本体一体型のコントローラーは、Xboxライクな配置で扱いやすい印象。スティックやトリガーの感触は軽めですが、レスポンスは良好。長時間プレイしても指先が疲れにくく、手に馴染むグリップ形状です。

また、背面にはショートカットボタンが配置されており、好みの機能を割り当て可能。マクロ的な使い方もできるので、ゲーマーにはうれしい工夫です。
ただし、アナログトリガーの押し込みが浅く感じるという声もあり、細かい操作を重視する人には好みが分かれる部分かもしれません。


ソフトウェアと使い勝手

MSI独自の「MSI Center M」が搭載されており、パフォーマンスモードやファン制御、照明のカスタマイズが簡単にできます。クイックメニューでモードを即切り替えできるのも便利です。

とはいえ、初期バージョンではUIのわかりづらさや不安定な挙動も見られました。アップデートによって改善されていますが、安定性はもう少し洗練される余地があります。
Windows 11ベースのため、PCゲームのほかにもブラウジング、動画編集、Office作業など多用途に活用できる点は大きな強みです。


バッテリー持ちと放熱性能

ポータブルゲーミング機で重要なのがバッテリー。MSI Claw 8 AI+ A2VMは80Whと大容量ですが、AAAタイトルをフル性能で動かすと約2時間前後。軽いゲームや動画視聴であれば5〜6時間程度持続します。

放熱性能は初代から確実に向上。ファン音は負荷時にそれなりに出ますが、熱が手に伝わりにくく、プレイ中に熱ダレを感じることはほぼありません。MSIの冷却技術が活かされています。


競合との比較

ポータブルゲーミング市場では、Steam DeckASUS ROG AllyLenovo Legion Goなどが人気です。
Clawの特徴は「完全なWindows 11環境」をそのまま持ち出せる点。Steam Deckのような専用OSではなく、一般的なPCとして使えるので、ゲーム以外の作業にも柔軟に対応できます。

ROG Allyと比べると、ディスプレイの品質やCPU性能では拮抗していますが、ソフト面の最適化はまだ発展途上。
一方、Thunderbolt 4ポートが2基あるなど拡張性では優れており、外部モニターやeGPUを繋いでデスクトップのように使える点は大きな利点です。


購入を検討する前に知っておきたいこと

価格はモデルによって異なりますが、最新のMSI Claw 8 AI+ A2VMでおおよそ15万円前後。
高価ではありますが、性能・質感・拡張性を考えれば納得の範囲。MSI製ゲーミングノートに近い完成度をこのサイズで体験できる点に価値があります。

ただし、ゲーム目的のみで考えると、Steam Deckなどよりコスパは落ちるかもしれません。
「ゲームも仕事もこれ一台で」という使い方にマッチするデバイスです。


実際に使って感じたメリット・デメリット

良かった点

  • 高リフレッシュレートの滑らかな表示
  • CPU・GPUの処理性能が高く、PCゲームも安定動作
  • Windows 11 PCとしての自由度が高い
  • ポート類が豊富で拡張性が高い
  • 外観の質感が高く、持つ喜びがある

気になった点

  • バッテリー持ちはタイトルによって大きく変動
  • 本体が重く、長時間の携帯プレイはやや疲れる
  • MSI Center Mの操作に慣れが必要
  • 価格がやや高め

総合的に見ると、「ハンドヘルド型ゲーミングPC」というカテゴリーの中では完成度が高く、PCゲーマーが外でも快適に遊びたいという願望をかなえてくれる一台です。


MSI Clawの性能と使い勝手を実機レビューで紹介:まとめ

MSI Clawは、単なる携帯ゲーム機ではなく、「持ち運べるゲーミングPC」としての新しい価値を提案してくれる存在です。
初代モデルから大幅に改良されたMSI Claw 8 AI+ A2VMでは、CPU性能・画面品質・冷却・バッテリーが進化し、競合と堂々と肩を並べるレベルになりました。

軽快な動作とWindows 11の自由度を両立したMSI Clawは、外出先でもPCゲームを本格的に楽しみたい人、そして“ゲームも仕事も一台で完結させたい”というユーザーにこそおすすめです。

高いパフォーマンスと携帯性を両立した、いま最も注目すべきポータブルゲーミングPC。
MSI Clawの進化は、これからのモバイルゲーミングの未来を確実に変えていくでしょう。

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